第284話リュカ先生
「主の負担を考え、我があれだけ主に魔力を使わないように言い聞かせていたのに、全く何かあったらどうするんだ」
「そろそろ大丈夫だろうと判断したのだ。あれから何日経っている? お前だってユーキの魔力の流れが安定しているのは分かっているだろう。だからお願いしたのだ。見てみろ、魔力を流した後でもそれは変わらない。もう通常に戻ったと言う事だ。それに、どうしても今魔力が必要だったのだ」
マシロとエシェットずっと喧嘩してて、それを僕達ずっと見てるの。さっきまではお父さんも一緒に喧嘩してたんだよ。でもお仕事行かなくちゃいけないって、マシロにあと頼んだって言ってお仕事に行っちゃいました。
僕達ちょっと前の朝から突撃の練習してました。お母さんにもう使わないボロボロで汚れてるタオル貰って、それをぐるぐる巻いてもらって、それに突撃の練習します。
それで最初は、ピュイちゃんはどんな攻撃が良いかみんなで考えました。ピュイちゃんはつつく攻撃と引っ掻く攻撃、それからお羽でバシバシ叩く攻撃、いろんな攻撃ができたから1番いい攻撃が何かみんなで考えたんだよ。
1つずつピュイちゃんがタオルに突撃します。
最初はお羽のバシバシ攻撃。それを見たリュカがホプリンにしっぽ攻撃してって言いました。ホプリンがタオルに走って行って、バシバシしっぽ攻撃しました。
「う~ん。やっぱりバシバシ攻撃するのは、ホプリンのしっぽの方が良いかもね。よく聞いてみて、ホプリンの攻撃の方が音が大きいでしょ」
2人のバシバシ攻撃の音聞きます。リュカが言った通りホプリンのバシバシの音の方が大きいです。
「ピュイちゃん生まれたばっかりだからかもね。大きくなったらとっても強い攻撃だけど、今はホプリンのバシバシ攻撃の方にしておこう」
『はい! なの』
リュカなんか先生みたい。僕がそう言ったら、
『リュカせんせいなの! せんせいよろしくなの!』
リュカが2人の先生になりました。リュカが僕はとっても厳しいよって。ついでに後でみんなで練習する時は、ディル達の攻撃も見てあげるって言ったの。ディル達とっても嫌そうなお顔してました。
次に練習したのは引っ掻き攻撃です。ピューッて飛んでいってシャシャシャシャッて攻撃します。そしたらタオルに爪が引っ掛かっちゃって、みんなんで一生懸命爪からタオルの糸とってあげます。タオルだと引っ掻く攻撃の練習できません。
マシロがサッとお外に出て帰って来たら木の板咥えてました。木の板に引っ掻く攻撃してみろって。
すぐにピュイちゃん引っ掻く攻撃します。そしたら木の板にたくさん大きな傷がつきました。
「う~ん。これはちょっと、この力のまま攻撃したら、みんな傷だらけになっちゃうね。これはもうちょっと力の加減が出来る様になってからにしよう」
『はいなの!』
僕それ聞いてちょっと考えました。ピュイちゃん大きくなったら、グリフォンのお父さんやお母さんぐらい大きくなるでしょう? どのくらいしたら大きくなるのかな? だって大きくなって突撃したら、みんな飛ばされちゃうよね。
『うんとねピュイちゃんは、なかなかおおきくなれないかもって、おとうさんいってるの、たまごのなかできいたの。なんかねピュイちゃんとくべつなグリフォンだから、じかんがかかるの。だからたくさんちいさいままなの』
それ聞いてマシロが変異種だからかもしれないって。まだまだ小さいままだから、たくさん僕達と突撃できるみたいです。良かったぁ。突撃面白いもんね。ピュイちゃん大きくなるまでたくさん突撃できると良いね。
引っ掻く攻撃は練習してから突撃に使います。最後は突っつく攻撃です。
ピシッ、パシッ! タオルを突っつきます。今度はタオルに引っかかりませんでした。木の板も突いてもらって、みんなで傷の確認したら傷ついてませんでした。リュカがくろにゃんのこと突いてみろって。
「何故だ!?」
ピュイちゃんがくろにゃんの方に飛んでいって頭を突きます。
「いてっ!! おいやめろ!!」
「うん。突くのが1番良いかもね。みんなで1度突撃やってみよう! はい並んで並んで!」
くろにゃんね両方のお手々で頭なでなでして伏せしちゃって、それからしっぽがしゅんってなってます。ごめんねくろにゃん。でもこれとっても大切な練習なんだ。後でなでなでしてあげるからね。
リュカの言葉にみんながパッと僕の隣に並びます。
「とちゅげき!!」
「「「わあぁぁぁぁぁ!!」」」
『『とつげき!!』』
みんなが一斉にタオルに飛んでいったり走って行ったり。ちょっとずつ攻撃してすぐに僕の所に戻ってきました。リュカがみんなの攻撃でダメなところ言って行きます。リュカ本当の先生です。
その時ドアが空いてエシェットがお外に出て行っちゃいました。どこに行ったのかな? そしたら出て行ったときね、ちょうどじぃじとハロルド達が廊下を歩いてたの。リュカがすぐにハロルド達のこと呼びます。それから僕に突撃って。僕急いで、
「とちゅげき!!」
って言いました。ハロルド達にみんなが突撃します。じぃじだけサッて突撃避けたんだよ。ハロルド達はみんな頭抑えたり、ブンブンお手々を振って攻撃避けたり、突撃終わったときハロルド達の髪の毛ボサボサになってました。
「何なんだ一体。俺達何もしてないぞ!」
「ピュイちゃんと、とちゅげきのれんしゅうでしゅう」
「練習って…はぁ、また面倒が増えたのか」
ハロルド達は頭掻きながら、とぼとぼ歩いて行っちゃいました。じぃじはガハハハハッて笑いながら歩いてたけど、お部屋から出ていくとき、怒ってるけど困ったお顔してわらってたの。僕ねだんだんとじぃじのお顔分かってきたんだよ。怒ってるときと、優しいときと、困ってるときと、それから僕といる時はとってもニコニコのお顔です。
じぃじ達が居なくなってまたタオルで練習。
「ピュイ、そこはもっと突かないと! ホプリン、もっとしっぽ振って!」
『うんピュイちゃんがんばるの!』
『こうかな? バシバシッ!!』
みんなが僕の所に戻ってきて、悪いところお話し合いです。それからまた突撃。
その突撃が終わって後ろ向いたら、お父さんがお部屋に戻ってきてました。少し抱っこしてもらって、お母さんがお父さんこれからお休みなさいだから、お遊びのお部屋に行きましょうって、突撃の練習は今日は終わりって言いました。
お父さんにお休みなさいしてお遊びのお部屋に行って、おままごとして遊んだの。
それから僕達毎日、朝は突撃の練習してお昼のご飯の後は遊んだりお手伝いしてました。でも今日はいつもと違うことがあったの。
朝からいつもみたいに練習してたら、エシェットがお部屋に戻ってきました。この頃いつもエシェットどっかに行っちゃうの。でもすぐに戻ってきて、またどこかに行っちゃって。何してるのか教えてくれないんだよ。
「ユーキ。練習は終わりだ。我に魔力を流してくれ」
「うゆ?」
「エシェット! 何を言っている! 主は体を休ませているところなのだぞ!」
「少しだけだ。さぁユーキ」
エシェットがマシロのこと睨んで何も言わなくなりました。僕はエシェットの前に立ちます。
「もうだいじょぶ?」
「ああ、少しならばな」
チラチラマシロの方見ます。マシロが頷いたから、僕魔力さんにお願いしました。この前1人でも魔力ためられたもんね。魔力さん魔力お願いします!
「………うゆ?」
魔力全然溜められません。何で? 何回お願いしても魔力溜まらないの。
「この間は無意識だったからな。よしマシロお前が手伝え」
マシロにお手伝いしてもらったら、ちゃんと魔力が溜まりました。この前はできたのに何で今日は出来ないのかな?
魔力をエシェットに流したら、すぐにエシェットがお部屋から出ていきます。エシェットが出て行ってからマシロずっと怒ってたの。
それでやっとエシェットがお部屋に戻ってきて、戻って来てすぐエシェットのことを、マシロとお父さんが怒りました。とってもとっても怒ってたから、僕達静かにお部屋の端っこからお父さん達のこと見てました。
「我は家に帰るまで、魔力を使わせないつもりでいたのに。だいたい何に魔力を使ったのだ」
「さて何だろうな。さぁ、もう説教は終わりだ。これ以上文句は受け付けん。ユーキおやつの時間であろう?」
あっそうだ! おやつの時間! 今日もばぁばがスノフル作ってくれるお約束なの。みんなでお部屋に戻ってばぁばのこと待ちます。すぐにばぁばが来てくれました。
スノフル食べながら、次何して遊ぶかみんなとお話してたら、エシェットがやる事があるだろう? って。やる事? 突撃の練習は朝だし、キミルが街にお花咲かせるの? でもそれは夜でしょう?
「もっと楽しみな事があるだろう?」
「?」
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