第282話落ちてきて、ルトブルに蹴り落とされたのは?
「おけがちてねてる?」
「ああ、そうだな。もう1度言うが、主は近寄るな。攻撃出来ないとはいえ、危ないからな。シルフィー達も分かったな」
シルフィーとホプリン、なんかしょぼんとしちゃって、マシロに座ってる僕の前に2人で潜ってきたから、僕の前ぎゅうぎゅうです。僕のこといじめた悪い人魚だから怒ったのにって、ボソッと2人で言いました。僕2人のことなでなでです。
「うぅ…」
ジュードがまたうぅって。それ見てたお父さんが、エシェットとルトブルにジュードが起きないうちに、もし起きても逃げられないように捕まえられるかって。今はジュード全然魔法使えないから、お父さんがジュードのこと捕まえても逃げないってエシェットが言ったんだけど、もしかしたら逃げちゃうかもしれないからって。
すぐにルトブルがセオドリオにしたみたいに、ジュードのこと土の塊にしちゃいました。あっでも、セオドリオは全部土の塊だったけど、ジュードはお顔だけでてます。
それを確認したお父さんがじぃじと何かお話して、それからくろにゃんとエシェットとじぃじと、じぃじのお家に帰るって言いました。ジュードも一緒だよ。ジュードをじぃじのお家に連れて行って、起きたらお話聞くんだって。じぃじのお家にも僕のお家みたいに地下のお部屋があって、そこに連れて行くって言いました。
エシェットが風の魔法でジュードの土の塊を持ち上げて、くろにゃんが黒い丸出します。
「オリビア、キミルのこと頼むぞ。どんな花を咲かせるか確認してくれ。それから木の方も。キミル! ここの花は全て回収しろいいな! 最初にここに咲いてた花だけ咲かせるんだ」
そう言ってお父さん達じぃじのお家に戻って行っちゃいました。ぷんぷん怒るキミル。そしたらリュカがねお花持って帰って、じぃじのお家のお遊びのお部屋にも、お家にあるお花のお風呂作ったらって。
お花のお風呂!! うんそれが良いよ。こっちのお花のお風呂はキラキラいろんな色に見えるお花のお風呂。
それ聞いてキミルがすぐにお花摘んで、モリオンにしまってもらいます。
「さぁ、ここはもう大丈夫だから、次の場所に行きましょうね。キミルちゃん、珍しいお花を咲かせるなら、じぃじのお家のお庭に咲かせましょう。お花のお風呂作るならお花もっといるでしょう。でも、今はいつも街に咲いてるお花にしてくれるかしら」
「うん。キミルそうするね。でも…まぁいっかぁ」
みんなで次はお船がたくさん止まってた所に移動です。着いてすぐ、ルトブルはあっちに行ったりこっちにきたり、ふらふら歩いて、それから近くの倒れなかった大きな木の上に上りました。ここはじぃじの浜辺よりもとっても広くて、とっても壊れちゃってるから、高い場所に上がって全部見えるようにして、1度で直しちゃうって。
それ聞いてキミルもルトブルの方に飛んで行きます。
ルトブルがお手々前に出しました。ズシャシャシャシャ!! 大きな音がして真ん中から向こうの方に、どんどん海がなくなっていって地面ができます。地面が出来たらまたさっきみたいにサラサラサラ、砂がどんどん地面に積もっていって、すぐに砂浜が出来ちゃいました。
キミルもお手々前に出して、ぽわぁって光ります。今度は初めから浜辺に咲いてたお花が沢山咲きました。
「ちょっと咲かせすぎだけど、珍しいお花じゃないから良いわ。キミルちゃんルトブルありがとう。あと何箇所か回るけどよろしくね」
その後もたくさんルトブルが浜辺直してくれて、お花咲かせてくれて、お母さんとばぁばとっても喜んでました。これで街を直すのが早くなるんだって。
でも1番最後の直す場所に行ったとき、僕眠くなっちゃって、お母さんに抱っこしてもらって、ルトブル達のこと見たりウトウトしたりしてました。
ルトブルがこれで最後だって言うのが聞こえて、最後ちゃんと見なくちゃ、そう思ってお目々擦ってルトブルの方見ます。
あれ? あの黒い点何だろう? ルトブルの頭の上の方に黒い点が見えました。何でお空に黒い点があるの?
「マシロ、かあしゃん、くろいてんでしゅ」
「黒い点?」
マシロがそう言った瞬間黒い点が、くろにゃん達みたいな黒い丸に変わりました。そしてそこから何か出てきます。マシロが僕とお母さんの前に立って、ルトブルが落ちてきた何かを砂浜に蹴り落として、黒い丸を睨みつけました。
「そいつは用済みだ。今回は様子を見に来ただけだが。覚えていろ、必ず全てを手に入れてやる。何年、何十年、何百年と経とうとも、この力を自分のものにし必ず…」
誰かがそうお話したら、黒い丸から知らない男の人がこっちを覗きました。お顔の色が青色っぽくて、なんかちょっと苦しそうなお顔してます。
「お前が全てを手に入れる?そのわりには今にも魔力に取り込まれそうだが」
ルトブルが男の人に向かって土の魔法を使いました。でも男の人の前で土の魔法が止まっちゃってこっちに戻ってきたの。マシロが風の結界作ってくれて、僕達に当たらないようにしてくれます。土の煙がモワモワして周りが見えません。そしたらまた男の人の声が。
「必ずだ。必ず…ぐっ…」
とっても苦しそうな声。モクモクがなくなって男の人がいた所見たら、もう男の人も黒い丸も消えちゃってました。
お母さんがばぁばに僕のことわたして、ルトブルや他のみんなと一緒に、ルトブルが蹴り落とした物見に行きます。
最初に落ちた物の所に着いたルトブルがお母さん達が行く前に、土の塊作ったのが見えたよ。それからやっとそっちに行ったお母さん達と何かお話した後、僕達のこと呼びました。お母さんがねこの後キミルに、街の中にお花咲かせてもらおうと思ったんだけど、それは明日の夜にするから、今すぐじぃじのお家に帰るって。
僕土の塊見ます。あれ? あれって頭? 蹴り落としたの物じゃなくて人なの? もっと良く見ようと思ってばぁばに抱っこされたまま、前にお母さん達が居るから、背伸びしてみたり横にお顔出してみたり。でもお顔がちょっとだけ見えるんだけど、ちゃんと見えないから誰か分かりません。
「さぁ、じぃじのお家に帰りましょうね」
僕がお顔見ようとしてるうちに、お母さんとルトブルのお話終わったみたいです。モリオンが黒い丸を出して、最初にお母さんが中に、次が僕達とばぁば。着いた所はじぃじのお家の玄関ホールです。お母さんがじぃじ達呼んでくるって、走って行っちゃいました。
僕達が黒い丸からちょっと離れたら、お兄ちゃん達とオクタビオとタイドス、その次に土の塊が出てきました。今度はマシロが風の魔法で運んだみたい。お家だからリュカが光ってくれなくても明るいし、頭の方から出てきたから、僕もう1回お顔見てみました。
「あっ!」
僕知ってる! ジュードと一緒に僕達のこといじめたセオドリオだ! ルトブルが蹴り落としたのセオドリオだったの。セオドリオの後にマシロが出てきて、最後にハロルドが出てきました。
「マシロ、突撃良い?」
『僕もやりたい!』
「だからダメだと言っているだろう。我らが良いと完全に判断できるまで待たないか」
そんなお話してたら、お父さんとじぃじがお母さんと一緒に向こうから歩いてきました。じぃじのお顔、いつもよりもっと怒ったお顔してます。
「こやつもワシの可愛い孫を泣かせ、ワシの娘まで殺そうとした奴らの仲間か」
「ああそうだ。常にこやつはジュードと一緒に居て、ユーキを見張っていた。そう言えば最後まで我を疑っていたな。船の上でも我を睨みつけていた」
少しだけルトブルとお話したじぃじが、すぐにセオドリオも運ぶって言って、マシロはそのままセオドリオを運んで行きました。僕達はお部屋に戻って寝る準備です。
お母さんにジュード達がもう僕達のこといじめないか聞きました。今それをエシェット達が調べてくれてるんだって。シルフィーとホプリンは僕が寝る準備してる間、お仕置きの練習してました。マシロ達がお仕置きしても良いって言ったら、さっきみたいに突撃してお仕置きするって。ディル達もお仕置きの練習しなくちゃって言ってます。
ピュイちゃんはまだ突撃したことないから、突撃のことは知ってたけど、ディル達にもっとちゃんと教えてって。ピュイちゃんはつつく突撃が良いよ。シルフィーみたいに引っ掻くのも良いし。
「さぁ準備できたわ。今日は突撃の練習は終わりよ、みんな寝ましょうね。今日はお母さんも一緒に寝るから、みんなベッドに入って」
明日は起きたらみんなで突撃の練習ね、ってお約束しておやすみなさいです。明日の夜はもう1度お外に行ってキミルがお花咲かせるし、やることいっぱい大変。
でもでも、今日はお母さんと一緒に寝られてとっても嬉しいです。これからいつもみたいに、一緒に寝られるといいなぁ。お父さんも一緒にだよ。嬉しいから明日は突撃の練習頑張ろう!
*********
「ゴホッ、ゲホッ!」
私は膝をつき、血を吐いた。
「大丈夫ですか!? やはりまだ無理だったのです」
「こんなに苦しいものとは…、完全な力を持つまでにどれだけ時間がかかるのか。だがジュードのような失敗はもう繰り返さん。これから何十年とかかろうとも、完全に力を支配してから、再びここに戻ってくるぞ」
「はい。ですが今はお眠りください。私があなた様を安全にお運びいたします」
その言葉を聞き、私は長い眠りについた。
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