第279話ばぁばのかき氷がとっても美味しいよ

「ばぁば、しょのおわん、なんでしゅか?」


「このお椀に、今日のユーキちゃん達のおやつ入れるのよ。さぁ、ちょっとお部屋の中お片付けしましょうか」


 おやつって聞いたから、すぐに僕達お片付けです。何かな何かな。そんなにおやつ入れるのかな? テーブルの上も床も全部お片付けして、お兄ちゃんが僕専用のお椅子持ってきてくれて座ります。


 使用人さんがお皿にたくさん木の実と果物持ってきてくれました。それから何かのソース? が入ってる入れ物も3つ持ってきてくれたの。お椀にこれ入れるのかな? お椅子に座ってるお兄ちゃん達もとってもニコニコしてます。ばぁばもお椅子に座って、


「さぁ、始めましょう」


 そう言って白い魔法石出しました。雪の魔法石だって。ばぁばはそれの石をお椀の上にもっていきます。チラチラチラ、少しずつ雪が降ってきてそして…。

 サラサラサラ。たくさん雪が降ってきてお椀に雪がどんどん溜まっていきます。ばぁばはお椀にお山の雪ができるまで雪を止めないで、雪を止めたときは、お椀から溢れるくらいの雪のお山ができました。

 

 最初にばぁばが食べ方教えてくれるって。使用人さんがもってきてくれた木の実と果物を雪の小山にどんどん乗せるばぁば。お山の1番上にイチゴを乗っけて、1番端っこに置いてあった緑色のソースを雪のお山の上からかけました。その後に透明なソースをかけて出来上がり! 

 僕これ見たことあるよ。かき氷!!


「かきごりでしゅう!!」


「かきごり? ユーキこれは『スノフル』って言う冷たくて甘くて、とっても美味しい食べ物だよ。お店でも売ってるけど、おばあちゃんみたいに、サラサラのふわふわの雪じゃないんだ。良かったねおばあちゃんのスノフルが食べられて」


「さぁ、まずはユーキちゃんからね。好きな木の実と果物乗っけてね。ディルちゃん達のもちゃんと作るからね」


 ばぁばは両方のお手々に雪の魔力石持って、どんどん雪をお椀に入れていきます。最初にお椀をもらって、木の実と果物乗っけて。


「あ~あ、そんなに食べられるの?」


 僕のお椀雪と木の実と果物のお山になりました。ソースはどれにしようかな? 

 1つはさっきばぁばがかけた緑色のソース。これはお茶の味なんだって。次のソースはみかんの味がするソース。最後はチルの実のソースです。僕はチルの実のソースにしました。


 ジョシュアお兄ちゃんと一緒に、ソースを溢さないように上からたくさんかけます。それが終わったら透明なソース。これは砂糖を溶かしたソースなんだって。それもいっぱいかけて………出来上がり!! 


「できまちた! たべていい?」


「どうぞ。はいスプーンよ」


 スプーンをそっと雪にさして、はむっ!! 


「きゃあぁぁぁぁぁぁ! おいちいでしゅう!!」


「ばぁば! オレ達も早く!!」


 僕が食べたの見てディル達がわぁっ!! ってばぁばの周りに集まります。みんな好きな物乗せて好きなソースかけて、すぐに食べ始めました。ディルとキミルとモリオンは全部のソースかけたんだよ。それも美味しそう…。次作って貰ったら僕も全部かけて食べてみよう。


 今日もお父さん達と夜のご飯食べられませんでした。ばぁばとお兄ちゃんと一緒に食べたの。じぃじも帰って来てないんだって。お仕事大変です。明日の朝はお父さんもお母さんも一緒に朝のご飯食べられるかな? そしたらディルに元気になる魔法で元気にして貰えば良いよ。


 そう考えてたらもう寝る時間です。今日もばぁばが涼しくしてくれて、僕すぐに寝ちゃいました。でも…。


「………は、………だ」


「………か?」


「………よ」


 誰かがお話してます。誰? 今は寝る時間だよ。


「………だ。………ない」


 もううるさい!! 僕お目々擦りながら起き上がります。隣に寝てたお兄ちゃん達が居なくて、ディル達も居ません。シルフィーとホプリンは隣で寝てるけど。

 それで声のする方見たら、お父さんとお母さん、それにじぃじとマシロ達が集まってました。マシロが僕が起きたの気づいてすぐに来てくれて、僕のお洋服咥えてみんなの所にぶらぶら運んでくれます。それでみんなの真ん中に下ろしてくれました。


「とうしゃん、かあしゃん、ねるじかんでしゅう」


「すまんすまん。起こさないように気をつけていたんだが、煩かったか?」


 すぐにお父さんが抱っこしてくれました。


「おはなち、まだまだでしゅか?」


「ユーキはこの街を直したいか?」


 急にルトブルがそう聞いてきました。うん。だってじぃじのお家がある街だもん。この街大好きだもん。だから僕ルトブルにうんって言いました。


「そうか。よしなら土地は直してやる」


「じゃあキミルもやるよ。木とか花とか生やしてあげる!」


 お父さんが夜中にルトブル達とお話してたの、2人に街を少し直して欲しいってお話てたんだって。お船が泊まってた所、クラーケンやシーサーペントのせいでボロボロです。そのせいで海のお水が街の方にも来ちゃったの。

 だからルトブルに地面直してもらって、キミルは街の噴水の所にあった木とか花とか無くなっちゃったから、みんなが嬉しい気持ちになれるように生やして欲しかったんだって。


 でもルトブルもキミルも僕がお願いしてないから、僕がお願いしたら直してあげるってお話してたみたい。僕そのお話の時に起きたの。


「ユーキに関する願いならすぐに叶えるが、お前達の個人的な願いを叶えるつもりはないからな。主の願いなら別だが」


「ユーキ、キミル達にお願い?」


「はいでしゅ! なおちてくだしゃい!」

 

 お父さんがね、今街のお船が泊まってた所、じぃじの騎士さん達が守ってて他の人が居ないの。だから今他の人達が見る前に直したいって。それで朝になったらじぃじが魔法が上手な人が直してくれたって、みんなにお話するんだって。ボルフィスとか街直した時とおんなじみたいです。

 早くしないと朝になっちゃうから、今からモリオン達お船の止まってた所に行きます。


 僕達がお話してる間に、シルフィーとホプリンも起きてきました。2人ともちょうど起きてきて良かったね。ちゃんとみんなでルトブル達の魔法見に行かなきゃ。

 お父さんの抱っこから下ろしてもらってお母さんの方に行きました。


「かあしゃん、おきがえ」


 僕がそう言ったらお父さんが、


「は? 何で着替えするんだ?」

 

 って。だってお外に行くんでしょう? 今は寝るときのお洋服だもん、お着替えしなくちゃダメだよ。


「あなた、ユーキちゃん一緒に行くつもりなのよ。目も完璧に覚めちゃっているし、置いて行くのは無理よ」


「はぁ、わかったわかった。ユーキ絶対騒ぐなよ。みんな寝ているからな」


「それならば問題ない。我らが外に音が聞こえない結界を張れば良いだろう。さぁユーキ、着替えてルトブル達の魔法を見に行くぞ」


 お着替えお着替え。僕もルンルン、ディル達もルンルンです。キミルに可愛いお花、いっぱい出してもらおうっと。


 お着替えすぐに終わって、くろにゃんの魔法で移動です。着いた所はお船がたくさん止まってた所だけど、お船も止まってた場所も全部海になっちゃってました。みんなクラーケンとシーサーペントが壊しちゃったんだよ。

 

 それからちょっと後ろ見たら、何か変な感じがします。エシェットが面白いもの見せてくれるって僕のこと抱っこしました。ディル達も僕やエシェットに乗っかります。

 エシェットはぴょんって高く飛んで壊れてなかったちょっと大きいお家の屋根に上って、あっち見ろって。そこには大きなエシェットが住んでた森の中にあった、湖みたいなのがありました。


「どうだ? 海の水で湖が出来たのだぞ。これもあのクラーケン達がやったのにだが、面白いだろう? 街の中に湖だ。昼間ウイリアムが話しに来たのはこの湖の話しだ」


 ふわわ! これもクラーケン達がやったの!? 下に戻ってルトブルに湖も直すのか聞いたら、ルトブルじゃなくてお母さんが、


「あの湖みたいなのは、そのまま残すのよ。ふふ、きっとユーキちゃんが喜ぶものが出来るはずよ。でもその前に街のいろいろな所直さないといけないわ。だからちょっと待っていてね」


 僕が喜ぶもの? 何だろう? 楽しみ!!


 最初に直すのは僕達が遊んだ海の所。チョコミがいた所です。見に行ったら遊んでた場所ね全部無くなっちゃってて、ぼろぼろの木が海の上に浮いてました。じぃじがわしの大切な浜辺を壊してって、ぶつぶつおこってます。


 浮かんでる木のを見てる時でした。ん? 木の上、何か動いてる? 

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