第278話僕とお兄ちゃん達はおんなじ

「これはモヤモヤ!!」


 僕がそう言ったら、エシェットがモヤモヤの石を入れる箱の中に、その石を入れます。次はパチパチ。次は大丈夫なやつ。石を分けるお手伝い。早く分けないと、ミリアさんが石をどんどん持ってきちゃうの。だから僕頑張って分けてるんだ。

 

 お兄ちゃん達も一緒にお手伝いです。アンソニーお兄ちゃんはマシロも良い石と悪い石分かるから、マシロに教えてもらってそれを箱に入れていくお手伝い。ジョシュアお兄ちゃんは、石に付いてる変な輪っかとるお手伝い。石を腕につけるための輪っかで、それを外すのに力がないと外せないの。


 石を分けてたら、ドアのお外で音がしました。それでドアが開いたら、ピュイちゃんが僕のお顔にバサッてぶつかって来たの。僕ブフって変なお声が出ちゃいました。痛いよピュイちゃん。でも、お父さんと一緒のお仕事終わったのかな?


『ただいまなの!!』


「おかえりでしゅう! とうしゃんとおちごとおわった?」


『うんとね、とうしゃんとおしごとじゃないの。アシェルとおしごとなの』


 ピュイちゃんがそう言ったら、ルトブルとくろにゃんの後ろから、アシェルがお部屋に入って来ました。


「アシェル!!」


 僕は走って行って、アシェルの足に抱きつきました。それからアシェルに抱っこしてもらいます。やっとアシェルに会えました。ずっとずっとアシェルだけ会えなかったもん。えへへ嬉しいなぁ。今までどこに居たの?

 とっても嬉しいけど、お怪我してないかちゃんと確認しなくちゃ。僕アシェルのお体いろんなところ見ます。でも抱っこして貰ってるから背中とか見えない…。


「アシェル、おけがちてないでしゅか? いちゃいところない?」


「大丈夫ですよ。ユーキ様もお怪我はありませんか?」


「はいでしゅ! ぼくはとってもげんきでしゅ! でもいまは、たくしゃんまりょくながちたから、ちょっとだけおやしゅみ」


 そう言ったらアシェルが一瞬だけ怖いお顔したみたいに見えたの。あれ? よくお顔見ます。今はいつものニコニコアシェルです。


「そうですか。ユーキ様はとっても頑張られたのですね」


 アシェルが僕の頭なでなでしてくれます。えへへへ。


 本当はもっとアシェルとお話ししたかったけど、アシェルもお父さん達と一緒で、まだまだたくさんお仕事です。だからすぐにお部屋から出て行っちゃいました。ちょっとだけしょぼん。アシェルねお部屋から出て行くとき、なんかボソボソ言ってました。


「オリビア様にあのような怪我を負わせ、ユーキ様をこのような状態にした輩は、今はどの地下牢に収容されていますかね…ブツブツ」


 アシェルお仕事大変そう…よし! みんなで頑張れの応援! 応援が終わったら僕もお手伝いの続きです。でもさっき何で怖い顔したのかな?


 それからもミリアさんが運んでくる石をどんどん分けました。箱も石もいっぱいです。こんなにたくさん石持ってたの? 

 箱の中のぞいて最後の1個です。最後は大丈夫な石。最後の石を箱に入れました。


「これでとりあえず終わりね。ありがとうユーキちゃん。ユーキちゃんのおかげで早くお仕事終わったわ」


 僕のお手伝い終わりです。僕達お手伝い頑張ったから、後でばぁばがお菓子くれるって。でも今は料理人さんもみんなお仕事だから後でねって。マシロやディル達の形したクッキー作ってくれるって言いました。ふおぉぉぉ! とっても楽しみ!


 もう夜のご飯の時間だけど、お父さんもお母さんもまだまだお仕事です。今日の夜のご飯はサンドウィッチ。さっき使用人さんが運んで来てくれました。お魚さんが入ってるサンドウィッチだよ。


 それを食べてチョコミと遊んで、お休みなさいの時間です。お兄ちゃん達と一緒にベッドに入ります。でも…。


「にいしゃん、あちゅいでしゅ~」


「ああそうか。いつもは母さんが居るから。僕もできるかな? 僕もまだ微調整がね…とりあえずやってみよう」


 お兄ちゃんがブツブツ言ったあと、氷の魔法石を出してきてそれに魔力を流しました。そしたらお部屋の中がヒヤァ~ってだんだん涼しくなってきました。それでどんどん寒くなってきたの。僕毛布の中に潜ります。ディル達も寒いって。


「ああ、ごめんごめん。やっぱりやり過ぎちゃうんだよね僕。ちょっと待ってて」


 お部屋から出て行く音がして、少ししてばぁばの声が聞こえました。それから相変わらずねとか、どうしてやり過ぎちゃうのかしらって声がしてから、だんだんと寒くなくなってきました。

 僕達みんなで毛布からお顔出します。今は暑くなくて寒くなくて丁度良いくらいになりました。横向いたらばぁばとお兄ちゃんが立ってて、ばぁばが氷の魔力石持ってます。ばぁばが丁度よくしてくれたんだって。みんなでばぁばにありがとうです。


「それにしても、アンソニー。あなたそんなだから先生に怒られるのよ。魔力の調整が大雑把過ぎてやり過ぎだって」


 おおざっぱ? なぁにそれ? あのねアンソニーお兄ちゃんも僕とおんなじなんだってジョシュアお兄ちゃんが教えてくれました。僕はコップに魔力入れ過ぎちゃうでしょう。お兄ちゃんはコップの練習はもうしないけど、時々魔力石に流し過ぎちゃうんだって。お兄ちゃんと一緒…ふへへへへへ。


「何だその笑い方。まぁでも兄弟って感じで良いな」


「ジョシュアあなたもですよ。剣の訓練のとき、基本の素振りなのに余計な技の練習して、隣で訓練してるお友達弾き飛ばしたでしょう。オリビアから聞きましたよ」


「あれは、う~ん。俺もユーキと同じか?」


 今度はアンソニーお兄ちゃんが教えてくれました。ジョシュアお兄ちゃんも僕とおんなじです。僕剣の練習すると、お父さんのほうに剣が飛んで行っちゃって、お父さんのコップ割れちゃうでしょう。ジョシュアお兄ちゃんは練習のとき、難しいけどカッコいい剣の振り方練習してて、剣が隣で練習してるお兄ちゃんの友達の方に飛んで行っちゃって、お友達が剣に当たって飛んじゃったんだって。これもお兄ちゃんと一緒…ふへへへへへ。


「にいしゃんといっちょ、うれちいなぁ」


「僕はちょっと複雑だよ。はぁ、もっと練習しなきゃ」


 お兄ちゃんがベッドに入ってきて、ばぁばにおやすみなさいして、僕ニコニコのまま寝ました。


 次の日起きたらお母さんがお部屋に居て、僕とっても嬉しくてすぐにお母さんにお膝抱っこです。お母さんもお父さんもみんな、今日もとっても忙しいから朝しか一緒に居られないんだって。だから僕が起きるまで待っててくれたの。

 

 朝ご飯食べてお母さんに頑張れの応援して、今日はどんなお手伝いしようかな。お母さんが僕が行っていいのは、ばぁばがいるときはばぁばのお部屋。あとは僕のお遊びのお部屋ってお約束しました。


 お遊びのお部屋壊れてないかな? 今日は最初にお遊びのお部屋に行きます。ジョシュアお兄ちゃんはお父さんのお手伝いに行っちゃったからアンソニーお兄ちゃんとお部屋に行きました。ピュイちゃんにお遊びのお部屋まだ見せてないもん。卵の中から見てたけど、ちゃんとまだみてないでしょ。


 お部屋に入ってすぐに、僕の大好きなの発見です。ドルンのぬいぐるみが机に置いてありました。ドルン買って貰ったときお母さんが、僕のドルンのぬいぐるみって分かるように、青いリボンをぬいぐるみに付けてくれたの。机の上のドルンのぬいぐるみ、青いリボンが付いてるから僕のドルンだよ。

 ぎゅうってぬいぐるみ抱きしめます。良かったぁ、海に落ちてなくて。


 お部屋の中はちょっとだけ汚れてて物が倒れてたから、それをお片付けしてから、ピュイちゃんに紹介です。あのね。じぃじのお家のお遊びのお部屋に、キミルのお花のプール作って貰ったの。お花いっぱいあるし、綺麗なお花じぃじ達にも見せたかったから作って貰ったんだよ。


『いいにおいなの。ピュイちゃんこれすき!』


 ピュイちゃんも喜んでくれました。お家に帰っでも遊べるからね。


 お部屋の紹介が終わってお昼食べてお昼寝。ちゃんとお昼寝してお体元気にしないと、ピュイちゃんとお友達になれないってマシロが言いました。だからたくさんお昼寝です。でもたくさんお昼寝したのに、まだお友達ダメみたいです。僕は元気なのに魔力さんはまだまだお休みしないとダメダメなんだって。あとどれくらいお休みしたら良いのかなぁ?


 お昼寝のあとはまたまた石を分けるお手伝いです。でも今日は箱2つだけだったから、すぐにお手伝い終わりました。分けてる途中でばぁばが、別のお仕事があるからちょっとだけお部屋から居なくなるけど待っててねって。

 ばぁばが戻って来たのは、おやつの時間です。お部屋に入ってきたばぁばは透明なお椀持ってました。

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