第275話ボロボロ、バラバラのシーサーペント

 僕はニコニコお母さんにギュッてお母さんのお洋服掴みながら、お部屋の中ぐるっと見ました。お部屋の中ぐちゃぐちゃです。こんなにぐちゃぐちゃにしちゃって、それにお母さんやみんなにもお怪我や意地悪して、ジュード達ダメダメです。


 僕がそう言ったら、お兄ちゃん達がプッて笑いました。その時、ハロルド達がお部屋に入って来たの。ハロルドとオクタビオとタイドス。あれ? 何でここに居るんだろう。お家でお留守番でしょう?


「兄貴! 今までどこも凄い風が吹いてたが、一体何が…!」


 ハロルドが喋ってる途中なのに、シルフィーとホプリンがハロルドのお顔に突撃しました。僕突撃って言ってないよ。2人が突撃してる間にリュカがね、


「ほんとあいつら最悪だよね。こんなにお部屋ボロボロにしちゃって。ジュードとセオドリアは今どこに居るかちょっと分かんないけど、他の悪い人魚達は捕まえたりしてるみたいだから、後でみんなでお仕置きしに行こうよ」


 うん。それが良いね。みんなでお仕置き。マシロ達にまたたくさんお仕置き見せてもらおう! あっ、そうだ! じぃじとばぁばにもお仕置きみせてあげよう。投げるお仕置きと、ボヨンボヨンのお仕置きどっちもが良いなぁ。

 突撃が終わって、2人が僕の所に戻って来ます。


「な、何なんだ? 一体俺が何を」


「ハロルドその話しは後でする。今は他にも『海の死神』の人魚が残って居るかもしれない。まずは街に出て確認だ。お義父さんそれで良いですね」


「ああ。わしも部下を連れて街に行く。ケイラは屋敷の方を頼む」


 みんながバタバタお部屋から出て行っちゃいました。お部屋に残ったのは僕とお母さんとお兄ちゃん達とマシロ達。僕のことお母さんがマシロの上に乗せました。お母さんもばぁばのお手伝いするから、お兄ちゃん達と僕達がお泊りしてるお部屋に戻っててって。


「戻ったぞ」


 僕達がお部屋から出ようとしたとき、エシェット達がみんな戻って来ました。エシェットとルトブルが一緒に攻撃したから、シーサーペントボロボロになって、海の上に浮かんでるってお母さんにお話してたよ。それにねルトブルがシーサーペントはなかなか美味しいから、せっかくボロボロになって運びやすいから、回収したらどうだって。


「ルトブル、たべた?」


「ああ昔な。きっとユーキも美味しいと言うぞ」


 お話し聞いてたお母さんがハッとしたお顔して、窓からお外見ました。


「ここからじゃ見えないわよね…。ルトブルが持って行ったのって、この前のと同じ魔力の塊よね。私倒れてて見てないけれど、エシェットもあの魔力の塊でシーサーペントを攻撃したの?」


「そうだな」


「………大丈夫だったの? 確かに奴らのせいで港はかなり破壊されていたけれど」


「一応結界は張った。まぁ気になるのなら、後でルトブルにでも直してもらうと良い」


 エシェットニコニコです。お母さんは小さく溜め息吐いて、それから僕の頭なでなでしてお部屋から出て行っちゃいました。

 僕達もお部屋から出て、お泊まりのお部屋に移動です。

 

 じぃじのお家、いろいろな所がボロボロです。前に僕のお家も街もボロボロになった時とおんなじ。あっでもね、ボルフィスのお城の時よりもボロボロじゃないよ。お城の時は階段とか僕歩けなかったでしょう。今はマシロに乗ってるけど、マシロから下りても僕1人で歩けるもん。


 お部屋について中に入ったら、お部屋の中はちょっとだけ物が倒れたり、ごちゃごちゃになってたけど、でもベッドもテーブルもお椅子も壊れてなくて、すぐに使えました。ベッドの上に置いてあった、僕の大切なうさぎさんとルーリアのぬいぐるみも、綺麗なまんまです。良かったぁ。

 お兄ちゃんにベッドの上に乗っけてもらって、みんなでごろごろです。お兄ちゃん達は荷物の確認してます。


 ふって小さな棚の方見たら、アシェルが作ってくれたピュイちゃんの卵が入ってた籠が。ベッドから下りて卵見に行きます。エシェットに籠とってもらって中見たら、綺麗に半分こに卵が割れてました。


『たまごとってもかたかったの。でもピュイちゃんがんばったの』


 頑張ったピュイちゃんの頭なでなでです。


「主、グリフォンの卵はとても珍しい物だ。そのまま綺麗にとっておくと良い」


 うん。そうだね。このまま籠に入れて飾っておこう。珍しい卵だけど、だってピュイちゃんが入ってた卵だもん。ずっとみんな一緒だったもんね。僕捨てたりしないよ。


 卵見たピュイちゃんが、そうだったって言って、僕の頭の上に乗りました。僕の頭はモリオンのだよって怒ってます。それで2人でぎゅうぎゅう僕の頭に乗るから、髪の毛がボサボサです。


『ユーキ、ぼくとおともだち!』


 あっそうだね! まだお友達になって下さいやってない。ちゃんとお友達にならなくちゃ。

 僕魔力さんにお願いして魔力溜めようとしました。でもマシロとエシェットとルトブルがダメって言ったの。何で? 僕ブーブーです。ピュイちゃんもブーブー。ディル達もブーブー。みんなでブーブー。

 どうしてお友達ダメなの? 僕達ピュイちゃんが生まれてくるの楽しみにしてたのに! それにピュイちゃん凄いんだよ。僕に着いてた変な首輪外してくれたり、エシェット達が魔法使えなかったの使えるようにしてくれたり。


「主覚えているか? オリビアの怪我を治しとき、ディルに魔力をたくさん流して、フラフラしなかったか?」


 魔力流したとき? うんとねぇ~。僕お母さんのお怪我治してたときのこと思い出します。

 ディルに呼ばれて魔力流してって言われて、だから僕たくさん魔力流して。そのあとちょっとフラフラしてお父さんが抱っこしてくれて…。あっ、フラフラしてた。フラフラの後は良く覚えてないけど。


「今主の中で、魔力は少し休みたいと思っているはずだ。主も疲れたときは昼寝をするだろう。魔力も昼寝する時間だ。だから昼寝が終わるまで少し待つんだ」


 そっか。魔力さん疲れてるんだ。じゃあダメダメだね。僕もお昼寝のときエシェットが煩いの嫌だもん。僕が寝てるときエシェットが何処かに行ってて帰ってきて、たまに煩くするの。だから僕起きちゃって、眠いのに起きると僕嫌な気持ちになるんだよ。

 だから魔力さんお昼寝してるのに起こすのはダメダメだね。


「魔力の昼寝が終わったら我が主に教える。そうしたら友達になると良い」


 今はお友達になれないから、僕達おもちゃやぬいぐるみとか壊れてないか調べることにしました。みんなでベッドの上で確認です。後ろでお兄ちゃん達がお話してました。


「マシロうまい事言うね」


「今主に魔力の負担はまずいからな。これ以上魔力を使えば、落ち着いているとはいえどうなるか分からん」


「そうだね。ジョシュア悪いんだけど、あっちの休憩室にチョコミが居るらしいから、とってきてあげてくれる?」


「おう」


 うさぎさんとルーリアのぬいぐるみは大丈夫だったけど、他のは壊れてるかもしれない。もし壊れてたら、アシェルに直してもらおう。

 あっ、そうだ! アルマンドさんのお城で貰ったおもちゃ、後でお父さんが良いって言ったら、くろにゃんかモリオンに取りに行ってもらわなきゃ。イルンさんがね僕に貸してくれたおもちゃ持って帰って良いって。だからボールとかお絵かきのお道具とか、ちゃんと取りに行かないとダメダメです。


 モリオンが出してくれたおもちゃとぬいぐるみ、お部屋に置いてあったおもちゃとぬいぐるみ、みんなで分けて確認します。


「おい、持ってきたぞって…」


「しぃ~、まさかこんなに真剣にチェックするとはね。せっかく持ってきてもらったけど、チェックが終わるまで待ってよう」


 みんなで分けて確認したからすぐに終わりました。モリオンが持っててくれたやつは全部綺麗なまんまでした。でも、お部屋に置いてあったおままごとのお道具とか、ちょっと壊れちゃったのがあって、お椀が半分に割れちゃってたり、コップが上の方が割れちゃってたり、直してもらわないとダメダメです。


「アシェルにおねがいしゅるでしゅ」


『アシェルボクまだあってないの』


 あれ? アシェル今どこに居るのかな?


「アシェルならまだちょっと帰ってこないだろうから、僕が壊れたの集めて箱にしまっておくから、ユーキ達はチョコミにただいましたら?」


 ジョシュアお兄ちゃんが、チョコミの入ってる入れ物持って立ってました。


「チョコミ!!」


 お兄ちゃんが床に入れ物置いてくれて、みんなで周りに座ります。貝の中に入ってたチョコミ。ちょっとずつ貝から出てきて、入れ物の中歩き始めました。


「チョコミただいまでしゅ! えとえと、あたらちいともだちでしゅ! ピュイちゃんでしゅ!」


『ボク、ピュイちゃんなの。よろしくね!』


 チョコミにお兄ちゃんがどっかからご飯持ってきてくれて、みんなでそれを順番にあげます。

 ご飯あげてたらねお父さんがバタバタバタッてお部屋に入ってきました。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る