第267話モリオンと同じ力?

 ルトブル達が戦いに行っちゃってから、何回もお部屋揺れたり、大きな音がしたり、アーク君ずっとアンソニーお兄ちゃんに抱っこです。スージーちゃんは人魚さんのロレリナさんにずっと抱っこだよ。ロレリナさんはずっとスージーちゃん達の側に居てくれる人で、アメリアみたいな人なんだって。

 僕はお父さんに抱っこしてもらって、お膝の上で今お絵かきしてます。大きな音がしたりお部屋が揺れたら、すぐにお父さんにピッタッてくっつくの。

 ディル達は僕の周りにみんな居るよ。お肩に乗ってお膝に乗って頭に乗って、ホプリンは僕の腕にくっついてます。


 モリオンは変な感じがしたのルトブルに知らせに行ってから、ずっと周りのこと調べてくれてます。


「大丈夫だからねユーキ。僕ちゃんと調べてるから。危ないと思ったらすぐにルトブルに知らせるよ」


「キミルも!」


「オレは具合悪くなったり怪我したら、すぐに治してやるぞ!」


「ボクは暗くなっちゃったらすぐに明るくするからね」


「僕はユーキから離れない」


『僕も!』


 みんなありがとう。よし! 僕もルトブル達応援しなくちゃ。マシロ達もお母さん達もみんな応援。僕はちょっとだけお父さんから下りて、みんなを応援します。


 でも、遊んだり応援したり、スージーちゃんとアーク君とお話したり、いろいろなことしてたけど、ルトブル達帰って来ません。くろにゃんも戦いが終わったってお知らせに来てくれないの。みんな大丈夫かな。疲れてないかな。

 

 僕心配です。だからもう1度応援しようと思ったんだ。そしてら急にモリオンが僕の頭の上から飛びました。


「これ…なんかおかしい!? どんどん近づいてくる! 僕ルトブル呼んでくる!」


 そう言って、すぐに黒い丸に消えちゃいました。それからすぐでした。僕達が居るお部屋、なんかとっても薄い色の黒いモヤモヤみたいなのが出て来ました。

 お父さんとジョシュアお兄ちゃんが剣を持って立って、そしたらロレリナさんがお父さんにコソコソお話しに行きました。


「あちらに隠し扉が。もし何かあればそこから逃げられます」


「分かりました」


 お話が終わったロレリナさんが、スージーちゃんのお手て繋いでアーク君抱っこしてお部屋の壁の方に行きます。僕もアンソニーお兄ちゃんと一緒に、壁の方に行きました。壁の方に移動したアンソニーお兄ちゃんも剣を持ちます。

 

 だんだん、だんだん、黒いモヤモヤが濃くなって来ました。それからパチパチ、パチパチって音もして、たまにキラキラ光が出るの。リュカが雷の魔法かもって言いました。明るくなるのはリュカの光の魔法と似てるけど、全然違う魔法なんだって。


 その時、モリオン達が戻って来ました。ルトブルとアルマンドさんが一緒です。みんなお部屋の中見て、とっても怖いお顔になりました。アルマンドさんがドアから廊下見たけど、廊下も黒いモヤモヤとパチパチ雷が出てるみたいです。


「ルトブルこれ闇の力だよ。僕には分かる。でも、なんかおかしいんだ」


「どうおかしい?」


「これはもともとある僕やくろにゃんみたいな闇の力じゃないよ。新しく作った闇の力なのかも」


「新しい力?」


 よく分かんないけど、モリオンのお顔とっても怖いです。僕こんなに怖いお顔してるモリオン初めて見ました。

 

 ルトブルがお話しやめて、みんなに結界張ってくれます。1人ずつ結界張って、それから全員が入る結界張りました。結界のスレスレにお父さんとジョシュアお兄ちゃん、ルトブルとアルマンドさんが立ちます。


 少ししてお城の中が少しザワザワ、ザワザワ、バァンッ!! バシュっ!! みたいな音が聞こえて来ました。それから人の声もいっぱいです。みんななんて言ってるか分かんないけど、怒ってるみたい。

 アルマンドさんがロレリナさんに、壁の中に入れって言いました。


「先に中へ。中が安全か確認を」


「はい!」


 ロレリナさんが壁のところ、いろんなところを触ります。そしたら壁がぐぐぐぐってドアみたいに開きました。僕ビックリして他にもドアあるのかなと思って、真似して壁触ります。そしてらアルマンドさんが困ったお顔して笑って、他にはいドアはないぞって。なんだ残念。僕もやってみたかったな。


 ロレリナさんが中に入って行きます。僕はスージーちゃんとアーク君とお手て繋いで、ロレリナさんが戻ってくるの待ちました。

 ちょっとして戻って来たロレリナさん。とっても怖いお顔してて、すぐにアルマンドさんの所に行って、何かお話してます。お話し聞いたアルマンドさんが今度はお父さんとルトブルにお話しです。


「何故こうなったのか…。結界は完璧だったのに。スージー達を先に外へ。別の避難の場所に移動します。スージー達を先に行かせるのは、念のためです。ユーキ様を先に行かせてもしものことがあれば…」


「良いのか?」


「私が巻き込んだ。これくらい考えるのは当たり前です」


「そうか。ルトブルどう思う」


「それで良い。早く動いたほうが良いだろう」


 ロレリナさんがスージーちゃんとアーク君と壁の中に入って行きました。僕達はロレリナさん達が別のお部屋に着いたら教えてくれるから、そしたらアルマンドさん達と壁の中に入ります。特別な石があって、その石が黄色に光ると行って良くて、赤く光ると行っちゃダメなんだって。


 石が光の待ってる間、ルトブルが変なお顔して、もう1度結界を張るって言いました。僕達の周りに結界張って、壁のところにも結界を張ります。それからまた変な顔しました。


「おい、お前は魔力阻害を受けない筈だな」


「はい」


「我の結界が不安定になっている。この前程ではないが、阻害を受けているぞ」


「まさかそんな」


 ルトブル達がお話してる時でした。壁のところにあった石が光始めました。みんなで何色に光るか見てたら、どんどん赤色になっていきます。それ見てアルマンドさんがドアを閉めました。赤ってダメダメなんでしょう? スージーちゃんやアーク君はどうしたの? ドア閉めたら戻ってこれないよ。

 アルマンドさんが壁を触ると、ドアがなくなって元の壁に戻っちゃいました。


 それからルトブルがもっとみんなに集まれって言ったから、みんなで部屋の端っこに集まります。さっきまでお部屋の半分くらいに結界張ってたけど、それ以外にもう1つ、小さい結界を張りました。この小さい結界は、大きな結界よりも強い結界なんだって。


「アルマンド。我はさっきから子供達の気配を確認していたが、あの3人以外気配を感じない。反対側にはお前の仲間と、奴らの感覚が少しだけしていたが、それもよく分からなくなった。やはり魔力阻害を受けているぞ」


「なぜ…今までこんなことは」


「!!!」


 モリオンがまた急に飛んで、ドアの方睨みます。


「変なのくる!! ルトブル危ないよ! 逃げよう!」


 いつもみたいにモリオンが、黒い丸を僕達の前に出します。でもすぐに黒い丸が小さくなって消えそうになっちゃいました。薄い色の黒い丸になって、モリオンが驚いてもう1度黒い丸を出します。

 何回やっても黒い丸が薄くなっちゃって、モリオン泣きそうなお顔になっちゃいました。僕はモリオンのこと抱きしめます。


「何で、さっきまでできたのに。アルマンドがドア壁に戻すまではちゃんと魔力使えたんだよ」


 モリオンがそう言ったときでした。お部屋の大きい方の結界がぐにゃってなったの。上の方からぐにゃぐにゃぐにゃって。すぐにルトブルが直すけど、直してもすぐにまたぐにゃって。


 よく見たら、黒いもモヤモヤも雷のパチパチもさっきより増えてます。僕モリオン抱きしめたままお兄ちゃんのお洋服掴みました。ディル達もギュッて僕の所に集まります。

 少しして、モヤモヤとパチパチがドアの所に集まり始めました。


「来るぞ!」


 ルトブルが叫んだのと、ドアが粉々に壊れるの一緒でした。

 ドアから1人の男の人が入ってきます。男の人の周りを黒いモヤモヤとパチパチが包んでて、男の人が近づいてくると、ルトブルの張ってくれた結界がぐにゃってなります。大きい方の結界だけじゃなくて、小さい方の結界も少しだけぐにゃってなっちゃいます。


「やっと見つけたぞ。かなり多くの結界が張ってあったからな。見つけるのと入ってくるのに苦労した」


 赤い目をしてて、変なお顔で笑ってます。僕が夢の中で会った、あの偽物さん達の笑ってるお顔にそっくりです。あの男の人絶対悪い人だ。お父さん達も戦う格好します。

 男の人がお部屋の真ん中くらいまで歩いてくると、大きな結界無くなっちゃいました。ルトブルは大きな結界やめてもう1つ小さな結界作ります。

 アンソニーお兄ちゃんが、僕の前に立ちました。


 男の人はお部屋の中ぐるっと全部見て、それからルトブルやアルマンドさんお兄ちゃん達を見ます。最後に僕のことを見てニヤッと笑いました。



 





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