第219話真っ暗な原因
「ユーキいいか。我の言うことをよく聞くのだぞ。リュカもモリオンもディルもだぞ。他の者はユーキ達の邪魔にならないようにするんだ。良いな。」
「はいでしゅ!」
「「「は~い!」」」
「「「キュイキュイ」」」
エシェットがこれからすること説明します。
このお部屋の真っ暗はとってもいっぱいで、とっても危ない真っ暗。だからリュカとモリオンが一緒に真っ暗消すんだって。エシェットが立ってる所の右側がリュカが消す真っ暗。左側がモリオンです。
それでリュカ達が真っ暗無くしたら、そこに倒れてる人達をディルが元気にします。僕はマシロに乗って、リュカ達の魔法が弱くなったら魔力渡すんだよ。
エシェットとルトブルは、お城真っ暗にしちゃった悪い人が、僕達攻撃してくるかも知れないから、結界張って僕達守ってくれます。
「エシェット、どの辺にあの人や国王陛下がいらっしゃるか分かるの?」
「ああ。だいたいはな。」
「先に陛下の方を祓えないかしら。」
「それは無理だろう。これの原因となっている闇の力を使ったと思われる人間がウイリアム達の側に居るのだ。まっすぐそこへ進んでしまえば、我らがまた闇に囲まれかねない。それだけ原因の力が強いんだ。」
リュカとモリオンがそれぞれ移動して魔法使い始めました。真ん中から反対の方向に2人が真っ暗消しながら飛んでいきます。
どんどん進む2人。僕ちょっと不思議です。だって真っ暗なお部屋ね、2人がいっぱい飛んでるのに、なかなかお部屋の端っこまで行かないんだよ。どんどん飛んで行っちゃうの。やっと止まった2人。凄く遠くに居ます。お母さんにお部屋のこと聞いたら、僕のお家のご飯食べるお部屋が何10個も、ここのお部屋に入っちゃうくらい大きいお部屋って教えてくれました。ふわわ。
そんなに大きなお部屋があるんだね。お城には大きいお部屋がいっぱいあるけど、ここのお部屋が1番大きいお部屋です。
向こうの方から2人が近づいてきます。やっと2人が戻ってきたら、僕の魔力ちょうだいって。もっとたくさん魔力ないとダメって言いました。僕すぐに2人に魔力渡します。エシェットがさっきよりも魔力多く渡しても良いって言ったから、全部コップから魔力が溢れるくらい溜めました。
それを何回もやって、やっと今お部屋の半分くらいまできました。倒れてる人達はディルが元気にして、真っ暗がなくなった壁の方にエシェットがポンポン投げて寝かせます。ポヨンポヨンの結界クッションがあるから、エシェットがポンポン投げてもお怪我しません。投げた時にたまに結界クッションから落ちちゃうけど大丈夫だって。ちょっとして倒れてる人達見たら、小さなお山が何個も出来てました。エシェットがね、
「大丈夫だ。重なってても2人くらいだ。あれならば問題ない。それよりも人数が多い。全部きちんと寝かせてたら邪魔になる。」
って言ってました。
お部屋はとってもカッコいいお部屋だったよ。カッコいいカーテンでしょう。光の魔力石置くカッコいい入れ物でしょう。騎士さん達の石で出来てるお人形でしょう。それから床がとってもキラキラしてて、僕が歩くとお靴がツルツル滑って面白いの。あとねとってもとっても大きな窓と、お部屋の中に上に上がれる階段があって、上がった所にお椅子がたくさんありました。
どんどん進んで行くと、急にエシェットがみんなに止まれって言いました。
「やはりウイリアム達の所へ行く前に現れたか。」
そう言ったの。そしたらね真っ暗の中から、真っ黒な塊が出てきました。気持ち悪い真っ黒い塊です。僕マシロにギュッてくっつきました。リュカ達も僕達の方に戻ってきます。
「あれが今回の原因だ。」
「原因って、あの塊が何かエシェットは分かるの?」
「あの塊は人間だぞ。闇に支配されたな。モリオン1度あの闇の塊を祓ってみてくれ。どうせリュカと2人で祓わなければダメだが、オリビア達には先に原因を見せておいた方が良いだろう。」
「分かった!」
モリオンが光って真っ黒い塊が少しだけ薄くなった気がします。
「ありゃりゃ、今の1回だけ魔力使っただけなのに、ユーキにもらった魔力無くなっちゃったよ。あれ祓うにはもっとたくさん魔力貰わないとダメかも。」
そんなに強い真っ黒なの? 僕がモリオンに魔力渡そうととしたら、
「あっ!!」
ってお母さんが大きな声出したの。僕ちょっとビックリしちゃったよ。お母さん見たらお兄ちゃんもお母さんと同じ所見てます。だから僕もそっち見ました。お母さん達真っ黒見てたんだけど、あれ? 真っ黒い塊の中に何か見える。じぃーってよく見たら真っ黒の塊の中に、偽物ぶた獣人さんが居ました。黒いお顔してて僕達のこと睨んでてでもお顔は笑ってるの。気持ち悪いお顔してます。
「あの男が今回、この出来事を引き起こした原因だ。奴の体の中から闇の魔力石の力を感じる。魔力石ではないな…。そうなる前の原石といったところか。とにかくその男はその石の原石を自分の体内に取り込んでいる。力は相当なものだ。が、原石自体はとても小さい物だからな、飲み込みでもしたんだろう。」
「落としてやる…、落としてやる…、全員落としてやる…。」
落としてやる? 何を? 偽物さんが変なことずっとブツブツ言ってます。それしか言わないんだよ。
「そういうこと。どうせ死刑にされるなら皆巻き込んでってところね。いやになっちゃうわ。自分のしたこと棚に上げて、私達に復讐しようだなんて。私達の部屋の闇が強かったのは、きっとユーキちゃんに目をつけていたからでしょうね。」
お母さんブツブツだけでいろいろ分かったって。凄いね。僕全然分かんない。
エシェットが僕にたくさん魔力溜めろって。えっとねたくさん! コップじゃなくて大きな入れ物に溜めろって。お父さんが僕お出かけした時に、お顔洗うのにお水たくさん入れてくれる入れ物くらいだって。それくらいあれば1回であの偽物さんについてる真っ黒取れるみたいです。それから偽物さんの真っ黒取れば、お父さん達助けるのも簡単になるはずだから、偽物さんとその後ろの真っ暗も一緒に消せってリュカ達に言いました。
僕たくさん魔力溜めて2人に流しました。そしたら今までで1番キラキラって2人が光りました。2人が偽物さんの前に飛んでいきます。
「よし行くよモリオン!」
「うん! 魔力全開だよ!」
2人がピカッ!!って光ります。リュカは真っ白いとっても明るい光で、モリオンは黒いけどキラキラ光ってる黒です。
偽物さんさんが2人の光で、頭を押さえて、
「ガアァァァァァァッ!!」
凄い大きな声出しました。どんどん偽物さんの真っ黒が消えていきます。それから後ろの真っ暗も。真っ暗が消えてく所にお父さんが見えました。
「とうしゃん!!」
僕お父さんの所行こうとしたけど、エシェットが全部真っ暗なくなるまでダメって。それからあの偽物さんの真っ黒も。そうしないとまた僕達が真っ暗に襲われちゃうって。早くお父さん元気にしたいのに…。
「最後!!」
「これで魔力も終わり! またユーキに魔力貰わなきゃ。せーの!!」
光がパァッて、お部屋の中端っこから端っこまで明るくなりました。バタンって偽者さんが倒れます。全然動きません。偽者さんの後ろ見たらお部屋なのに階段があって、階段の上に王様じいじとサルバドールさんが倒れてました。それからその隣にシャーナが頭ブンブン振りながら立ってます。階段の下にお父さんが居るんだ。
急いでお父さんの所に行きます。お父さんって言っても全然お父さん起きてくれません。ディルがお部屋で倒れてる人達全員に元気になる魔法使います。シャーナはそれですぐに元気になったよ。王様じいじもサルバドールさんも他の人達ももう大丈夫だって。でも…。お父さんだけダメって。元気になってないって。
「1番奴の近くに居たせいか? かなり闇に取り込まれてしまっているな。身体的にも精神的にも。これはユーキの時のようにモリオンに精神に入ってしまった闇をとって連れ戻してもらうしか方法はない。しかしこの闇の力…。」
「とうしゃん…。ふえ…、とうしゃんおきて…。」
僕寂しくなっちゃった。お母さんに抱っこしてもらたら、涙がポロポロです。どうしてお父さん起きてくれないの。起きていつもみたいに肩車して、抱っこして僕のことポンポンして。
エシェットが僕の所に来て言いました。
「ユーキならウイリアムを助けられるぞ。元気にできる。ユーキとリュカ、モリオンとディル、全員が一緒にウイリアムの中に入れば。」
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