第214話悪い人はブタ獣人さん?
「とうしゃん、わるいひとちゅかまえまちたか?」
「ああ。全員捕まえたぞ。」
「わるいひとたち、じゅうじんしゃんでちた。このまえホプリンたちみたいえにいなかったでしゅ。」
「獣人? 何のことだ?」
だって捕まってる悪い人たちみんな、丸いちょっと大きなお鼻で、ほっぺもプクって膨れててお顔全部が丸いんだよ。ブタさんみたいにはだ色じゃなくて赤色だけど。それに体も丸くてゴロゴロって転がりそう。お耳は僕とおんなじだけど…。だからブタの獣人さんでしょう? ってお父さんに言ったんだ。
そしたらね、周りでクスクス笑ってた騎士さん達が、ワハハハハッて大きな声で笑い始めたんだ。怒ってたリアムさんとマシューさんもガハハハハって笑ったよ。オリバーさんとノアさんはちょっとだけ笑ってたけど。それにね、お父さんも凄く笑ったんだ。
「ユーキ、くくっ、それはブタに失礼だ、ハハハハッ」
何でみんな笑うの? だってブタの獣人さんの説明しただけだよ? それにブタに失礼って何? 僕が考えてたら、
「何だとクソガキが! ブタだと!!」
怒鳴ってた人達が僕の事見ながらもっと怒鳴ってきました。僕ビクッてしてお父さんにギュッて抱きつきます。エシェットが1番前で1番怒鳴ってる人の所に行って前に立ちました。すぐに怒鳴ってた人がバタリって倒れます。エシェットが何かしたみたい。その倒れてる人見て、他の怒鳴ってた人達が静かになります。
倒れた人は騎士さん達4人で持ち上げてどこかに運んで行きました。あれ? お鼻がさっきより大きくなってる。他の静かになった人達はおしゃべりしないで、別の騎士さん達がどこかに連れていきました。
お父さん達がお仕事のお部屋に行って、お母さんもじいじもみんな集まりました。それでさっきみたいに僕ブタ獣人さんのお話したんだ。そしてらじいじも凄く笑って、お母さんは困ったお顔して笑ったの。
エシェットが僕の頭なでなでしながらお話してきました。
「ユーキ彼奴らは普通の人間だ。捕まえに行ったときあまりにも煩かったものでな。静かにさせるためにああしたのだ。早くユーキの元へ帰りたかったからな。」
う? 何で静かにするのにお顔が丸くなるの?
「そうだな。ユーキ我はこうやったのだ。」
エシェットが僕のほっぺたちょっとだけそっと触ります。
「奴等にはもう少し強く触ったが、でも奴等はこの触るのが嫌いなのだ。だから触られないように静かになった。」
え~。僕なでなでとか好きだよ。マシロやディル達もなでなでしてあげると喜ぶし。悪い人達変なのぉ。でも、静かになって、早く帰ってこれたから良かったね。僕、頑張って捕まえてくれたエシェットとくろにゃんなでなでしてあげました。
お母さん達がコソコソお話してます。
「ちょっと触っただけって…。あなた、エシェットはユーキちゃんに触ったときよりもかなり強く触ったみたいね。」
「はは。それはもう手の動きが見えないくらいにはな。さて、ユーキお出かけの準備だ。」
「およ? おでかけでしゅか?」
「ああそうだ。明日からボルフィスに行くんだ。私達はくろにゃんにボルフィスに連れて行ってもらうから、この前みたいに馬車で遊ぶ物はそんなにいらないが、あっちで遊ぶ物がいるだろう。」
ふおお! ボルフィスにお出かけ! いろいろ準備しなくちゃ! おもちゃに絵本にそれからそれから。
僕急いでお部屋から飛び出します。みんなも僕にくっついて廊下に出て、タタタタタッて走ります。後ろでお父さんが走るなって怒ってました。あのね、お遊びのお部屋に着くまでに2回転びそうになっちゃった。だからマシロが僕のお洋服咥えて運んでくれました。えへへへへ。失敗失敗。でも僕が走るよりもマシロが運んでくれた方が早いんだよ。
みんなで何持っていくか相談です。相談してたらジョシュアお兄ちゃんがきました。この前はアンソニーお兄ちゃんが持っていく物、いろいろ教えてくれたの。今日はジョシュアお兄ちゃんです。
「今回はそんなに長くボルフィスに居ないって言ってるから、そうだな。この前とおんなじくらいか、それかもっと少なくてもいいと思うぞ。」
って。だからねこの前みたいに1つずつおもちゃ持っていく事にしました。モリオンがね全部しまって持っていってくれるって言ったんだけど、たくさんおもちゃ出しても全部遊べないかも知れないし、ボルフィスでおもちゃ買って貰えるかも。だからおもちゃ1つずつにしました。それから絵本はう〜ん、5冊だけ!
「なぁなぁユーキ、これ持ってこうぜ。」
「うゆ?」
ディルとリュカが魔法石持ってきました。
「水の魔法石。王様にユーキが魔法使うの見せようよ。せっかく練習したんだもん。」
王様にサルバドールさんにエイムさんにみんなびっくりするかな? よし! 持って行こう。モリオンに石も持ってもらいます。これで準備は完璧です。うさぎさんとルーリアのぬいぐるみはこの前みたいに抱っこして持っていくんだ。
次の日、玄関ホールで1番でお父さん達待ってたら、オリバーさん達が来ました。オリバーさん達もボルフィスに行くんだって。一緒に遊びに行くの? ふおお、嬉しいなぁ。でも僕とっても喜んでたのに、オリバーさん達は馬車でボルフィスまで行くんだって。
「くろにゃんいるでしゅ。しゅぐちゅくでしゅよ? みんないっしょがいいでしゅ。」
「ふふ、そうですね。でもいろいろ用意があるので、我々は馬車でボルフィスに行くんです。でもそうですね。帰りは一緒にくろにゃんで帰ってきましょう。ね?」
う~ん。帰りは一緒。約束だよ。お父さんが階段から降りてきてオリバーさん達と何かお話して、すぐにオリバーさん達行っちゃいました。
みんなが玄関ホールに集まったからボルフィスに出発です。くろにゃんが黒い丸作ります。お父さんが1番最初に丸を通って次にじいじ。お兄ちゃん達が通って、次が僕達とお母さんだよ。お母さんとお手て繋いでピョンッてジャンプして丸を通ります。
目を開けたら、僕達がお泊まりしたお城のお部屋でした。お父さんがエイムさん呼んでくるから待ってなさいって言ってお部屋から出ていきます。
「かあしゃん、またおしろにおとまりでしゅか?」
「そうよ。このお部屋にお泊まりよ。」
「やったでしゅう!!」
またお城にお泊まりできるんだって。やったね! みんなでお部屋の中グルグルです。
「こらユーキ! 走るんじゃない!」
すぐに帰ってきたお父さんにお洋服掴まれてぶらんぶらんです。
「ふふ。ユーキ君こんにちは。ボルフィスへ、お城へようこそ。」
エイムさんが僕にお手て振ってくれます。だからね僕ぶらんぶらんしながら両方のお手て振って挨拶です。
「それでは皆様、各自お部屋へご案内致します。荷物の整理が終わりましたら談話室へお連れいたします。」
このお部屋にはお父さんとお母さんと僕達がお泊まりするの。お兄ちゃん達は別のお部屋なんだ。お父さん達がお部屋にどんどん荷物置いていきます。僕はルトブルに抱っこしてもらって窓からお外見ました。
「おお~。じぇんぶなおってるでしゅう。」
街のお家も壁も、僕達が帰るときに直ってなかったところ全部直ってました。
すぐにお父さん達の準備終わりです。お父さんいつもよりもっとカッコいいお洋服着てます。お母さんはきれいなお洋服です。僕はあのキツキツでゴワゴワのお洋服着なかったよ。それにねカッコいいお洋服も。王様が見せて欲しいお洋服があるんだって。あのね僕達のお揃いのうさぎさんのお洋服。お揃いで着てるのが見たいって。
みんなでうさぎさんに変身です。クロエさんホプリンのうさぎさんのお洋服作ってくれたんだ。1日で作っちゃったんだよ。凄いねぇ。ホプリンもうさぎさんのお洋服ピッタリ。とっても可愛いです。あとね他のルーリアにはうさぎさんのお耳作ってくれたんだ。ルーリア達、悪い人達のお仕置き終わったら森に行っちゃうけど、お家に遊びに来たときとかつけられるようにって。
みんなのお着替え終わったとき、ちょうどエイムさんが僕達迎えに来ました。
「これはまた。話に聞いていた通りとても可愛いですね。では皆様ご移動願います。」
お部屋から出たらじいじ達もお着替えして立ってました。みんなでお話するお部屋に移動します。僕達とお母さんが1番後ろ歩きます。歩くとお尻のおしっぽがフリフリ、フリフリ。みんなでフリフリです。ディル達は飛んでるのに真似してフリフリです。
「バタンッ!」
「うゆ? いまおとちたでしゅか? バタンッて。」
「気のせいよ。さあちゃんと前向いて歩きましょうね。」
お母さんが僕のお手て引っ張ります。でもね。
「バタァーンッ!」
ほら音するよ。後ろ見ようとしたんだけど、お母さん引っ張るから歩かないとダメダメで見れません。見たいのに見れない。う~、何の音だろう。
「なあなあ兄さん、このまま歩いたらメイドみんな倒れるんじゃないか?」
「何人倒れるか賭ける?」
「じゃあ負けた方は、今度の母さんの訓練の相手になること。それでどうだ?」
「うん。それでいいよ。」
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