第204話花がたくさん咲く季節の可愛いパーティー

次の日は練習お休みです。みんなお仕事だから。僕はお母さんとお洋服の準備です。今度街でパーティーがあるの。花がたくさん咲く季節のパーティーだよ。僕みたいに小さい子はみんなで花がたくさん咲く季節の可愛いお洋服着て、街をみんなで行進するんだって。この前、芋虫さんの他にもお洋服買ったでしょう。パーティーのお洋服買ったんだよ。


 それでね僕、パーティーの日にだけ着るの?って聞いたんだ。芋虫が1番好きだけど、このお洋服も好き。パーティーの日に着るって言ったから、パーティーしか着ちゃいけないと思ったの。そしたらいつでも着ていいんだけど、でも初めて着る日はパーティーの時が良いんだって。パーティーの前に何回も着て壊れちゃったら、パーティーまでにお洋服直せないから。あと6回寝たらパーティーだよ。


「じゃあユーキちゃん、お洋服両方とも着てみましょう。それで確認が終わったらすぐにクローゼットにしまいましょうね。」


 パーティー楽しみだね。だってお花の形したクッキーとか、お花そのまま使ったお菓子とかいっぱい配るんだって。それから他にも食べ物たくさん。おもちゃもだよ。マシロに大きなカバン持ってもらわなきゃ。それにルトブル達にも。


 お昼までこっちのお洋服着て、お昼のご飯が終わったら次のお洋服着ます。どっちともちょっと大きいお洋服だけど大丈夫。やっぱりとっても可愛いお洋服だよ。


「うん。ちょうど良いわね。可愛いわユーキちゃん。これでお洋服のチェックはお終いよ。汚れないうちに脱いでしまいましょう。」


 僕脱いでる時いいこと思いついたんだ。パーティーが終わったらこのお洋服で遊べるよ。シルフィーやキミル、モリオンもおんなじお洋服だし。そうだ! ディル達もお洋服は着れないけど、これなら大丈夫! ふへへへへ…。楽しみ! 


 ふう、やっと6回寝たよ。今日はパーティーの日。僕、朝早くに目が覚めちゃったの。お母さんとお父さん起こして、今日のパーティーの準備です。


「こんなに早く起きて、これはまた、帰るときにぐっすりなパターンだな。」


「しょうがないわよ。昨日からだいぶソワソワしてたもの。昨日よく時間通りに寝られたと思ったもの。」


 僕がお部屋でパーティー嬉しくて、あっちこっち走り回ってたら、アメリアがご飯呼びに来てくれました。僕が早く起きるって分かってたんだって。だから朝ご飯早く用意してくれたの。僕はタタタタってご飯食べるお部屋に走ります。途中で2回くらい転びそうになっちゃってお父さんに怒られちゃった。

 ご飯のお部屋に行ったらじいじとばあばが居ました。でもハロルド達居ません。ハロルド達はもうお仕事に行っちゃったんだって。今日はお店通りでお仕事みたい。


 ご飯食べてたら、女の子妖精さん達からディルとリュカに連絡がきました。


「うん。ボク達まだ家にいるよ。うん、うん。分かった。じゃあ待ってるね。」


「ユーキパーティー行くの待っててくれって。あいつら良いもの持ってきてくれるぞ。すぐ来るって言ってたぞ。」


 良いもの何だろう? 僕ご飯食べ終わって、お昼まで着るお洋服着て待ってました。玄関で待ってたら、妖精さん達がゾロゾロ窓から入ってきたよ。みんなにおはようします。女の子妖精さん達が僕のお洋服見て可愛いって拍手してくれました。それから男の子妖精さん達に早くって言ってます。

 男の子妖精さん達袋持ってました。3人の妖精さんが何か掴んで良いよって言いました。袋持ってた妖精達が袋はなします。中から出てきたの、お花の輪っかでした。この前持って帰ったお花の輪っか。それを僕の頭の上に乗っけてくれます。


「ほらユーキ、もっと可愛くなったわ。」


「私達の思った通り。今日人間達がパーティーするの思い出して、きっとユーキは可愛い格好するから、このお花の冠あればもっと可愛くなると思ったのよ。」


「頑張って作ったのよ。ユーキにプレゼント。」


 僕は玄関のちょっと近くに置いてある鏡のところに行きました。


「かわいいでしゅう!! ありがとでしゅう!!」


 僕のお洋服にピッタリ。ありがとう妖精さん!! 僕達みんなで喜んでたら、後ろでお父さん達がコソコソお話してました。何話してるか分かんなかったけど、きっと妖精さんがこんな可愛いお花の冠作ってくれて凄いってお話してるんだよね。


「旦那様あれは…。」


「しまった…。仕方ないここは作り物で通そう。今日はパーティー、ほかの子供達も作り物の珍しい花を洋服に飾っているはずだ。本物と分からないようにすればどうにかなるだろう。まさか妖精達があんな物作ってくるとは油断した。」


 お花の冠もらって、僕の格好はもっと完璧です。僕はお父さんとお母さんの手を引っ張って歩き始めます。早く行かなきゃ。子供の行進、僕ねリク君と行進するの。その後は2人でお菓子たくさん貰うんだ。おもちゃも。

 行進は街の入り口から始まって、街の中ぐるっと行進。最後にお店通り最後まで行進して終わりなんだよ。だからリク君のお家まで行って、リク君と街の入り口に行くの。


「ふおおお! ふおおおおお!! ちょうちょしゃんとようしぇいしゃんいっぱいですしゅう!!」


 お店通りに着いたら、蝶々さんと妖精さんがいっぱい。あのね今日行進するみんな、蝶々さんか妖精さんのお洋服着てるの。僕も蝶々さんのお洋服着てるんだよ。背中にちゃんと蝶々さんのお羽も付いてるの。リュックみたいに腕を輪っかに入れるとお羽が背中にくっつくんだ。それから頭には蝶々さんのクルンクルンしてる触覚も付けてるよ。昨日触覚って教えてもらったの。お花の冠の間からクルンクルンて出したんだ。

 それから女の子はスカートで、男の子は…、スカートみたいなズボン! ちょっとヒラヒラしてるの。


 あとねあとね、シルフィーも蝶々さんの格好してるし、リュカ達は頭に触覚付けてるんだ。リュカ達はクロエさん達姿が見えないでしょう。僕がこのくらいって大きさ教えてあげたの。そしたら触覚作ってくれたんだ。リュカ達ピッタリだって。みんなで蝶々さんの格好嬉しいね!


「わあ! 楽しそう!」


「ユーキボク達行くね。また今度遊ぼうね!」


「さあ、お菓子もらいに行こう!」


「バイバイ!」


 妖精さん達みんな飛んでっちゃいました。うん、また遊ぼうね!


 僕達はすぐにリク君のお家に行きます。リク君のお家に着いて大きな声でリク君呼びました。


「リクくん、きたでしゅよ! おはよでしゅう!!」


『ユーキの声だ! 母ちゃんユーキ来た!』 お家の中からリク君の声が聞こえて、バタバタバタって音も聞こえました。それからバンッっていってドアが開きました。お家からリクくんが出てきます。


「ユーキおはよう! ちゃんと洋服着てきたか!」


「リクくん、おはよでしゅう………。???」


 ん? 何んか違う。リク君も背中にお羽付いてるけど、なんか僕のと違うの。それにお洋服の色も、ピンクとか黄色とかじゃないの。茶色とか黒のお洋服。


「ほらみなさい。ユーキ君考え込んじゃったじゃない。ユーキ君おはよう。今日はよろしくね。」


 リク君のお母さんが出てきました。それで教えてくれたの。リク君のお洋服蝶々さんじゃなかったんだ。ガなんだって。今日は蝶々さんと妖精さんのお洋服じゃないの? リク君もリク君のお友達もみんなガのお洋服なんだって。


「だって、蝶々よりもガの方がカッコいいだろう。オレ可愛いよりカッコいいが良いぞ!」


「ユーキちゃん。本当はユーキちゃんが着てるお洋服が、今日みんなが着るお洋服なのよ。もう、この子ったら、絶対ガにするんだって譲らないのよ。」


「良いじゃない。たまにはこういうのも。好きなお洋服着た方がパーティー楽しいでしょう。さあ、門の入り口に行きましょう。」


 みんなで入り口に行きました。入り口は蝶々さんと妖精さんの子供でいっぱい。行進、行進! 走ってみんなの後ろに並ぼうとしたらお父さんにお洋服掴まれました。

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