第200話お家がボロボロ、お庭もボロボロ
全然強い風止まんないし、大きな音も止まらないの。僕こわくなっちゃった。
「ふわわっ!! マシロ!! こわいでしゅう! とうしゃん!!」
「主! 大丈夫だ! もうすぐ終わる! そのまま我の下でじっとしていろ! エシェットどうだ?」
「大丈夫全て結界を張った。間に合わない物もあったがな。」
エシェットの声が聞こえて風も音もしなくなりました。少しだけもそもそ動いたらマシロがまだ動くなって。それからエシェットがみんなに結界張ってくれたって教えてくれました。でもお外はまだ風が強いから動いちゃダメだって。
僕ちゃんとマシロの下でじっとしてたよ。ちょっとしてマシロがもう大丈夫だって。僕マシロの足の所からお顔だけ出しました。結界に砂とか草とかいっぱい付いてて、お外が見えません。横向いたらキミル達がくろにゃんの下から出てきました。本当にマシロから出て大丈夫なんだね。僕はマシロから出てお父さんに駆け寄って抱きつきました。
「とうしゃん!!」
「ユーキ大丈夫か? 怪我しなかったか?」
お父さんが僕のお体いろいろなところ確認します。マシロが守ってくれたから僕平気だよ。僕が怪我してないの確認してお父さんが抱っこしてくれました。そしたらお家の方からお母さんの大きな声が聞こえたよ。
「あなた! 何があったの?! これはエシェットの結界ね! 家、かなり大変なことになっているのだけれど!」
「悪いがもう少し様子を見てから外に出る! 怪我人が居ないか確認してくれ!」
「分かったわ! 気を付けてね!」
お母さんの声が聞こえなくなりました。僕はお父さんにぎゅうって抱きついたまま。だって音、とっても怖かったんだもん。この前のエシェットとルトブルの大きな光の玉の魔法の時は、ちゃんと見てたから怖くなかったの。でも今のは何も見えなくて怖かったんだ。
少し待っても砂も草も増えなかったから、そろそろお外に出ようってお父さんが言いました。最初にアシェルがお外に出て、それからオクタビオが出て周りを確認してくるって。大丈夫だったら僕達結界のお外に出るんだ。すぐにアシェルの声がしました。
「旦那様! 大丈夫ですがユーキ様は下されないようお願いします。ガラスや木などを踏んで怪我をする可能性があります!」
「分かった!」
僕は抱っこのまま結界のお外に出ました。お外はもう風吹いてませんでした。結界はとっても汚れててお外見えなくなってたけど、お外は何も飛んでないからちゃんと見えます。それでね。
お家のガラスが全部割れちゃってて、壁にギザギザの線がついてました。それから壁に木が刺さってたり、お家のいろんな所が壊れちゃってたんだ。それからお父さんの肩から後ろ見たら、木が途中から折れてたり、全部倒れてる木もありました。あと綺麗なお花がたくさん咲いてたのにそれも無くなってたの。お父さんねおでこのところしわしわになって、そのあと溜め息です。
「ユーキの魔法は凄いな。」
エシェットがそう言いました。そうだ! 僕の風の魔法。風がブワアッて。僕お家もお庭もたくさん壊しちゃった…。どうしよう。お父さん壊れたの見てとっても怒ってるからおでこしわしわで溜め息なのかも。ちゃんとごめんんさいしなきゃ。
お父さんから下りようとしたけど、危ないからダメって。だから抱っこのまま頭だけペコってしました。
「とおしゃん、ごめんしゃい。ぼくまほう、たくしゃんこわちちゃった…。ごめんしゃい…。」
僕がごめんなさいしたらお父さんが頭なでなでしてくれました。それでおでこのしわしわなくなっていつもの僕の好きなお父さんのお顔です。
「ユーキは魔力の練習してただけだ。わざとじゃない。お父さん怒ってないぞ。そんなにしょんぼりしなくていい。」
良かった。お父さん怒ってないって。お話してたらアシェルとオクタビオが近づいてきました。
「そうですよユーキ様。誰も怒ってなどおりません。旦那様も最初はお部屋を爆発させたり、屋根を吹き飛ばしたりしていましたからね。」
「おい! 言わなくてもいいだろう。」
お父さんも壊しちゃったの? そっか僕とおんなじだね。でも…、僕魔法好きだけど、もうあんまり練習したくないなぁ。だってまた壊れるのやだもん。マシロ達が魔法使ってくれないかなぁ。僕が魔力わたしてマシロ達が魔法使うの。この前みたいに。
そう考えてたら、お父さんが僕が魔法練習しないとダメって言ったの。僕考えてたと思ってたけどお話してた? そしたらお父さん僕のお顔見て考えてたこと分かったんだって。う~ん、でも…。
「ユーキ君。今魔法使った時、コップに入れた魔力は、僕が言ったこのくらいまで入れた?」
オクタビオに聞かれて、僕ちょっとだけ、ちょっとだけ多く入っちゃったて、どのくらい入れたか言いました。それ見てオクタビオが何か考えてます。
今日はおうちとかお庭とか直さないといけないから練習は終わりです。あのね玄関とか玄関ホールとか、別のお部屋や壁は壊れてなかったの。アシェルが1階から3階まで、壊れてるのは僕達が見た所だけだからすぐに直りますよって言ってました。明日の朝までに直っちゃうみたい。良かったぁ。
でも、壁もお窓も端っこから端っこまで壊れちゃってたのに、朝までに直っちゃうんだって。凄いね。あっ、でも。前にマシロとアメリアがケンカしちゃって僕のお部屋壊しちゃったとき、夜までにお部屋直ったよね。誰がそんなに早く直してくれるのかな? 後でちょっとだけ見てもいいかな?
玄関ホールでお父さんの抱っこから下りたら、お母さんが階段走って下りて来て、僕のこと抱っこしてギュウゥゥゥってしてきました。
「ユーキちゃん怪我しなかった? お母さん心配しちゃったわ。」
ギュウゥゥゥがとっても苦しいの。
「か、かあしゃん、くりゅちでしゅう。」
「はっ?! ああごめんなさい。ユーキちゃんよくお顔見せて。」
お母さんもお父さんみたいに僕がお怪我してないか確認です。お母さんが僕のお怪我確認してたらハロルドとタイドスが階段から下りて来ました。多分ハロルド達。ズボンが2人がいつも着てるやつだったから。だってお母さん前にいたから足しか見えなかったの。
あれ? なんか変? ちょっとだけふらふらしてるみたい? 僕背伸びして、お母さんの体からお顔だけひょこって出したの。ディル達も真似して、僕の後ろから覗いたよ。階段下りて来たのやっぱりハロルド達でした。
ハロルド達見て僕ビックリです。
「ふおお?! おもちろいでしゅ! キャキャキャッ!!」
「何だ何だ!」
「何あれ!」
「うん。面白い。」
「ぷぷっ、キミルあれ面白いから好き。モリオンは?」
「僕も面白い! 何であんな髪の毛してるの?」
みんなで2人の所に行って、周りをぐるぐる回ります。あのねあのね、ハロルドもタイドスも髪の毛がぼうぼうなの。全部上に上がっててなんかねぇ、スッキリって感じなの。いつもと違う髪型です。いつ変えたのかな? どうしたらピンッて髪の毛なるの?
僕真似して髪の毛上にあげます。
「ユーキこうだぜっ!」
「こっちを上げて…。」
「ユーキちゃん。ハロルド達はあの髪型、好きでしてるのではないのよ。」
お母さんが困ったお顔して笑ってます。僕も真似したくてみんなで僕の髪の毛を持ち上げました。う~ん。すぐに元に戻っちゃう。上手く出来ないや。僕達が髪の毛で遊んでたら、ハロルド達がガクって階段に座ったよ。
「参った。窓からユーキ達の練習見てたら凄い風が襲って来て、俺達すぐに窓から離れたんだぞ。それで部屋の隅で風が治まるの待ってたら、部屋の中吹いてた風が何でだか俺達を襲って来たんだ。どこに逃げても風が追いかけてくるし。最後は風に捕まって髪の毛がこんな事に。」
そのお話聞いてたエシェットが小さなお声で僕達にお話して来ました。
「どうやら上手くいったらしい。あれは我がやったのだ。面白かっただろう。前に他の魔獣が強い風で毛が立っていたのを思い出したのだ。」
内緒だぞってエシェットが。あれエシェットがやってくれたの。ふへへ。ありがとう。
僕達はお片付けの邪魔しちゃダメダメだから、お遊びのお部屋に行ってなさいって言われたの。僕お手伝いしたかったけど、ガラスがいっぱいだからダメだって。
だから夜のご飯までお部屋に居ました。それでね夜ご飯できたってアメリアが呼びに来てくれたんだけど、
「ユーキ様?! 何故そのような事に!!」
って叫びました。どしたの?
******************
いつもご愛読いただきありがとうございます。
何と、ユーキを書き始めて、今日で特別編を除く本編が、200話を迎えることができました!!
書き始めた当初はこんなに長く続くとは思っていなかったのですが、まさかの200話を迎えることができ、とても嬉しく思っています。これもいつも応援してくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございますm(_ _)m
これかも皆様に楽しんでいただける様に、頑張って行こうと思います。これからもよろしくお願いします。
ユーキ「ありがと、ごじゃいましゅう。これからもよろちくでしゅう(*≧∀≦*)」
一同「よろしくお願いします!!」
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