第199話魔力とお友達になろう!!
何回も聞いたのに何も言ってくれないの。だからお父さんの方見たら、お父さんびっくりお顔のまま固まっちゃってました。オクタビオも。アシェルも少し固まってたけどすぐに元に戻ってお父さんに話かけました。
「旦那様。ユーキ様に答えませんと。」
「はっ!! あ、ああ。そうだな。」
「我が説明してやる。お前達驚きすぎではないか? 虹色の石のことを知っているはずだろう。」
エシェットが近づいてきて色のこと教えてくれました。僕はいろんな魔法がたくさん上手に出来るんだって。お父さん達みたいにちょっとだけ出来る魔法はなくて、全部上手に出来るんだって。おおおおおお!! やったぁ~! 僕たくさん魔法が上手に出来るんだ! アシェルに玉渡してディル達と万歳です。
「ウイリアム様から話は聞いていましたが、まさか本当に虹色に光るなんて思いませんでした。」
「私も流石にほとんどの色が現れるなど思わなかった。将来出現するかも知れないが、今はまだ3種類くらいかと。」
次にオクタビオが出したのは、赤とキラキラしてるのと薄い緑の魔力石でした。とっても小さい魔力石だよ。初めて魔力石を使う時は小さい石で練習するんだって。大きい石は使うの難しくて魔法失敗しちゃうみたい。僕は小さいから他の初めて魔力石練習する子よりも、もっともっと小さい石だよ。
「ユーキ君。どの石を使う? 前に光は使った事あるんだよね。」
うん。僕初めて魔力石持ったとき勝手に光っちゃったの。お父さんと初めて会ったときだよね。
「じゃあ他の石で魔法やってみる?」
「はいでしゅ!」
僕は赤い石と薄い緑の石を見ました。火と風です。どっちの魔法が良いかなぁ。僕がなかなか選べなかったら、お父さんが風の魔力石にしなさいって。え~、何でお父さんが選ぶの。僕が選びたいのに。僕がプンプンしてたらお父さんが絶対風だって。もう! 僕はもっとプンプンです。
「小さい魔力石だ。ちょっと魔法が使えるだけだが、やるのはユーキだからな。もし大きな火の魔法でも使ってみろ。火事になって家が燃えたら敵わん。」
「そうですね。まだ風の方が安全でしょう。」
僕が石持つ前に、オクタビオが僕1人で魔力を流す方法を教えてくれます。僕、いつもマシロやエシェットに手伝ってもらってるから。マシロ達の魔力の真似してお胸にあったかい魔力溜めるの。
オクタビオが教えてくれたの魔力にお願いするんだって。僕の中にある魔力に魔力少し貸してくださいって。それから自分の魔力とお友達になるの。これからずっと大人になっても魔力使うでしょう。だから自分の魔力とお友達の方が絶対いいよって。
そっか。ずっと一緒だもんね。お友達の方が良いよ。
お友達の挨拶したら、次は自分の魔力とコップの事考えるんだって。コップにね魔力入れるの考えるの。たくさん使いたい時はコップにいっぱい。ちょっとの時はコップに少しだけ魔力入れるの。オクタビオは大人だからたくさん魔力使っても大丈夫。でも僕小さいから僕はコップがちょうどいい魔力の量なんだって。
オクタビオが小さいコップ出して、半分より少ないところ指差しました。
「いいユーキ君。これくらい魔力を溜めるんだよ。魔力があったかいのは知ってるんだよね。そのあったかいのをコップにこれだけね。最初は1人でやってみようね。もし出来なかったらマシロ達に手伝ってもらおう。1人で出来なくても大丈夫だからね。みんな最初はたくさん失敗するんだから。ハロルドなんか4つの季節全部失敗したんだよ。馬鹿だよね…。何であれだけ練習して出来ないかな…。」
1番最後お話した時、オクタビオさん、ニッて変なお顔してました。僕の横でディル達もオクタビオさんみたいな変なお顔してたよ。それからコソコソお話です。
「なあなあ。魔法ならオレ達の方がきっと上手いよな。」
「そうだね。」
「だからキミルのわたぼこ攻撃交わせないんだね。」
「もっと魔法突撃増やそっか。」
全部聞こえなかったけどこんなお話。突撃のお話してる? 新しい突撃考えるのかな。魔法の練習終わったら僕も一緒に考えよう。
最初は石持つ前に魔力を溜める練習です。僕1人で頑張ります。最初は僕の魔力にこんにちわから。
「こんにちわでしゅ。ユーキでしゅ。えっとおともだちになってくだしゃい。よろちくでしゅ。」
僕ちゃんとお辞儀したよ。
「はは、何も声に出さなくても良いんだが。まあ可愛いから良いか。」
「旦那様、ユーキ様は真剣なのですよ。」
「分かっている。そんなに睨むな。ほら静かにするぞ。」
お父さんもアシェルも静かにだよ。僕挨拶してるんだから。お辞儀終わって、うん、挨拶終わり。ちゃんとお友達大丈夫かな? おしゃべり出来ないから分かんないや。マシロの方見たら、マシロがコクンって頷きました。マシロがうんって言ったから大丈夫だね。
よし次! 次はコップ考えるんだよね。コップ、コップ。僕はオクタビオの持ってるコップ見ました。小さいコップを考えます。うんコップは大丈夫。あとはコップに少しだけ魔力を入れるんだよね。
僕はあったかい魔力のこと考えます。魔力さん、魔力ちょっとだけ貸してください。うんとねコップにちょっとだけだよ。ずっとお願いして魔力コップに入れようとしたんだけど、全然あったかい魔力いつもみたいに出てきてくれません。
「おねがいだめでしゅう…。」
僕しょぼんです。お友達ダメだったのかな。マシロが僕のお顔スリスリしてくれました。
「主。主はまだ小さい。もしかしたら主だけでは危ないと思って、魔力が我らに手伝えと言っているのかも知れないぞ。我もエシェットも皆、主の魔力と友達になり、一緒にやってみよう。」
「みんなおともだち?」
「そうだ。今日は我がお友達になろう。別の日はエシェットその次はルトブルだ。そうやって友達になってゆけば良い。さあ、我は主の魔力と友達になるぞ。」
マシロが僕にお辞儀しました。心の中で挨拶したんだって。それで僕のお顔もう1度スリスリです。マシロはいつも魔力使う時手伝ってくれるから、もうお友達のはずだよね? ん? ちゃんとご挨拶してなかったのかな。挨拶したからこれで本当のお友達。魔力さん僕に魔力貸してくれるかな? 僕ももう1回お願いです。
あっ!! マシロがスリスリしてくれたらお胸があったかくなったよ。ありがとうマシロ、魔力さん。うんとうんと魔力をコップに入れて…、およ? オクタビオが言ってた所よりもちょっと多くなっちゃった。う~ん。いいや!!
「できたでしゅ!!」
「そう? じゃあ石渡すからね。石に魔力流すんだよ。流すのは分かる?」
「はいでしゅ!!」
「うん。いい返事。じゃあ渡すよ。」
オクタビオが僕の手の上に風の魔力石置いてくれました。僕それギュッて握ります。僕のお手て小さいけどギュッて握れるくらい魔力石小さいんだよ。
コップに入れてた魔力をそっとそっと石に流します。石の方に魔力がどんどん移動してそれでね…。
魔力が全部僕の中から出て行ったら、石からフワッて風が来たの。パッてオクタビオ見たらオクタビオ、ニコって笑ってくれたんだ。でもそのあとすぐ。
『ビュウゥゥゥゥゥゥッ!!』
「ふわわ!!」
「何だ!!」
オクタビオがお顔腕で守って、踏ん張ってます。僕は。
「ふわあぁぁぁぁぁぁ!!」
僕飛ばされそうになっちゃって、マシロがしっぽで包んでくれて助けてくれます。飛ばされそうになったとき、石離しちゃったよ。
あのね石からとってもとぉ~ても強い風が吹いたんだ。マシロはしっぽから今度は前足で自分の下に僕のこと入れました。足の間からお外見たらディルとリュカはルトブルが掴んで飛ばされないようにしてくれてました。キミルとモリオンはくろにゃんの耳掴んでて、くろにゃんが痛がって僕みたいに自分の下に2人を入れました。シルフィーはエシェットが抱っこしてくれたよ。お父さん達はしゃがんで飛ばされないようにしてます。
魔力石はどこに行っちゃったのかな? 探してもどこにもないんだ。でも風が吹いてるから魔法まだ終わってないみたい。僕持ってないのに。チラチラ周り見てたら、『ガッシャアァァァァン!!』『バリンッ!!』ていう、割れる音が聞こえたんだ。それから、『バリバリバリッ!!』『ドッガァ~ンッ!!』ていう大きな音も聞こえたんだ。
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