第195話お花と美味しい美味しいモラ
「まだかな、まだかなぁ。」
「そんなにソワソワするのなら先に行くか?」
「だめでしゅよエシェット。みんなでいくでしゅ。みんなでおでかけ。」
僕は玄関ホールでお父さん達が来るの待ってます。今日はみんなでお花見にいくんだもんね。僕だけ先に行くのはダメダメだよ。
僕は今日はねこさんの格好です。それからうさぎさんのカバン。アメリアが昨日、たくさんお菓子入れておいてくれたんだ。
僕準備バッチリなのに、なかなかお父さん達が来てくれません。
「なんだ。もういるのか?」
最初に来たのはハロルド達。ハロルド達の格好は街の人達と一緒です。あのねハロルド達、この頃お父さんさん達とおんなじ格好してたの。ちょっと格好お洋服。冒険者さんのお仕事じゃなくて、お父さん達のお仕事のお手伝いしてたから。格好お洋服より今のお洋服の方が似合ってるね。
ハロルド達のあとにお父さん達が階段を降りてきました。アシェルとアメリアも今日はお仕事の格好じゃありません。
「よし行くぞ。モリオン頼む。」
「任せて!」
僕はお父さんにマシロに乗っけってもらって、モリオンの魔法待ちます。モリオンがすぐに黒い丸作ってくれました。黒い丸を通ってすぐに目を開けます。
「ふおお、ふおおおお!! しゅごいでしゅう!!」
お花畑とお花が咲いてる木がいっぱいでした。お花畑は昨日キミルが咲かせ直してくれたお花畑とおんなじみたいなの。とっても可愛いお花ばっかり。木に咲いてるお花は白色とピンクのお花。全部の木に咲いてるんだよ。ルトブルが1つお花摘んでくれました。花びらがねわたぼこみたいのがついててもふもふしてるの。可愛いねぇ。
「ここは。あの場所か? キミルにモリオン、お前達こんな所まで来てたのか。よく来れたな。」
「キミル達、最初エシェットに連れて来てもらったんだよ。1度くればモリオンにいつでも連れて来てもらえるもん。ねぇ~。」
「ねぇ~。」
「やっぱりお前が絡んでたか。」
「ここは綺麗な花が咲くのを知っていたからな。お前も知っているようだしな。」
「はぁ。まあこれは良しとするか。花を見に来ただけだしな。知ってる人々も居るし。ハロルド、お前達久しぶりだろう。その見えてる短剣以外にも、隠して剣を持って来ているんだろう。見張りを頼む。」
「何だバレてたのか。」
「お前達の考えそうなことだ。」
なかなかお話終わらないお父さん達は知らないもんね。みんなで1番お花が咲いてる所に行きます。お花の所には蝶々とかカエルさんとか、たくさん虫さんもいたよ。あったかくなったから、みんなお外に出て来たんだって。
湖もあってそこには綺麗な色の鳥さん達もたくさんいるんだよ。大きい鳥さんもいっぱいだけど、小さい鳥さんもいっぱい。赤ちゃん鳥さんです。花がたくさん咲く季節は赤ちゃんもたくさん生まれる季節なんだって。
あのねあのね、今日はちゃんとグリフォンの卵も一緒だよ。卵の中からちゃんと可愛いお花見えてるよね。グリフォンの赤ちゃんはまだまだ生まれないみたいだけど…。早くあいたいなぁ。
可愛い赤ちゃん、お父さんにも見てもらおうと思って、チラッてお父さん達の方見たら、お父さんとマシロが何かしてました。あとくろにゃんも。マシロ達が木を登ってジャンプしてます。何してるのかな?
それでお昼になって、みんなでアメリアが持って来てくれたお昼ご飯食べようとしたんだ。そしたらお父さんが別のところでお昼ご飯食べて、またここに戻ってこようって言ったんだ。アメリアのご飯はモリオンに持っててもらえば腐らないから大丈夫だからって。
くろにゃんが黒い丸を作ります。みんなでまた移動です。着いた所は、お花が咲いてない木ばっかりの所でした。
「ここから少し行った所に街があるんだ。そこでお昼ご飯を食べるんだぞ。とってもおいしいご飯だからな。ユーキもみんなもきっと喜ぶぞ。」
お父さんが言った通り、少し歩いたら街が見えて来ました。あれ? この匂い。ご飯の匂い。まだ街についてないのに、とってもいい匂いがするよ。
それで街に入ってびっくりです。カージナルはいろいろなお店があるけど、この街はご飯ばっかり売ってるんだ。
「この街の名前はリフレーン。この季節だけ、食べ物ばっかり売ってる街なんだぞ。さあ、お父さんが好きなご飯食べられるお店に行こう。あそこは魔獣も入れるからな。」
お父さんが連れて行ってくれたお店はレストランみたいな所でした。僕達は1番奥の机の所に座ります。1番大きな机のある所だよ。
お父さんがみんなのご飯注文して待ちます。何かな、何かな。美味しいご飯ないかな。足をぶらんぶらんして待ちます。
ご飯はすぐに運ばれてきました。運ばれてきたのはミールでした。でもいつもと違う感じ。いつもはお肉とお野菜が入ってるんだ。美味しいんだけど、お野菜取るの大変。それでいつもお父さんとお母さんが怒るの…。でも今日はお肉と、白とピンクの丸い物が入ってます。お父さんがお椀にミールと丸いの入れてくれます。
お箸でツンツン。ぷにぷにしてる?
「いいかユーキ。その丸いの食べる時は、ちょっとずつ食べるんだぞ。熱いしたくさん口に入れると食べにくくて、喉に引っかかったら大変だからな。息が出来なくなってしまうんだ。」
おお…。なんか凄く大変な食べ物なんだね。よし気をつけてちょっとずつちょっとずつ。僕は丸いのちょっとかじります。
「もぐもぐ………。!!!」
「どうだ?」
「おもち!!」
「おもち? これはモラって言う、もちもちしてとっても美味しい食べ物だぞ。後で別のモラも出てくるからな。さあ、食べてしまおう。」
お餅のおうどん、じゃなくてモラのミール。とっても美味しくて、すぐに全部食べちゃいました。すぐに食べちゃったんだけど、食べ終わったの1番最後です。僕1つは全部食べられないから、いつもお父さんと分けっこなんだ。食べるの少ないけど、でもミールはツルツルで食べにくいから、僕いつも1番最後に食べ終わるの。
お店の人がお椀片付けて、次に出てきたのはお団子でした。パクってひと口食べたら中から甘い蜂蜜が出てきました。
「みゃあぁぁぁぁぁぁ!! おいちいでしゅう!!」
僕とっても美味しくて足をバタバタ。椅子がガッタンガッタンって大きな音がしました。
「ほら落ち着け。喉に引っかかるぞまったく。だが…。これだけ喜んでもらえたら良かった。」
「そうね。ほらユーキちゃん、ちゃんとお座りして食べましょうね。」
モラとっても美味しくてたくさん食べちゃったよ。ディル達もたくさん食べてたよ。それでみんなでとっても悩んじゃいました。だってたくさん食べたからお腹いっぱい。どうしよう。おやつ食べられるかな?
さっき移動した木の所に戻って、またお花の咲いてる所に戻りました。いっぱい動いて、いっぱい遊んだら、お腹いっぱいだったのが大丈夫になりました。良かったぁ。お菓子食べられる。アメリアにミルク用意してもらってみんなでおやつです。
ハロルドが隣に座って、ディル達のお菓子取ろうとして、わたぼこ攻撃されてました。
「こんな森の中で、ゆっくりおやつを食べるのはユーキ達くらいだろうな。こんな姿を見たら、ここが森の中だと言うことを忘れそうだ。それにしてもこうも魔獣が出てこないものか?」
「何を心配している。ウイリアム、我らが何もしていないと思っているのか。主のために威圧しているに決まっているだろう。鳥など主の喜ぶ生き物以外、まあまあ強い魔獣には近づいてきた時点で、威圧し近寄らせないようにしているのだ。」
「………そうか。はぁ~。」
たくさん遊んで帰る時間になりました。僕とっても眠いです。立っててもこっくりこっくり。お父さんのお洋服掴みます。
「とうしゃ…、ねみゅい…。」
「だろうな。あれだけはしゃげばな。ほら抱っこしてやる。」
「今日はこのまま寝ちゃいそうね。本当はお風呂に入ってもらいたかったのだけど。」
「仕方ないさ。朝1番で入れよう。さあ、帰るぞ。」
僕はお父さんに抱っこしてもらって、ディル達はマシロやくろにゃんに乗っかってもう寝てます。ふへへ。今日とっても楽しかったなぁ。またみんなで来たいね。
「昨日、あれだけの騒ぎだったからどうなるかと思ってたが、ユーキは相変わらずだったな。俺はあの攻撃受けたしな。」
「お前は何でお菓子とってんだ。攻撃されても文句は言えないだろう。なあオクタビオ。…オクタビオ?」
「あ、ああそうだね。」
「何だ?」
「………。」
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