第151話夢から脱出
う~ん。どうやって魔法使えばいいのかな?お父さんは言う通りにすれば良いって言ったけど。僕は黒い魔力石を見つめました。いつもはマシロかエシェットがお手伝いしてくれるけど、今日はお手伝いしてくれないのかな?
あっ、それよりもマシロ立ち上がってるけど、ディルにお怪我を治すのもお願いしないと。やる事たくさん。とっても忙しい。僕はディルの方を見ながら、
「とうしゃん、マシロおけがなおしゅでしゅ。」
「ユーキ、しっかり魔力石を見なさい。マシロは大丈夫だから。まずは敵を倒さないと。」
でもって言う僕にお父さんが怒ります。
「ちゃんと言うこと聞きなさい。ユーキは言うこと聞かない悪い子なのか。」
ふぇ、今日のお父さん怖い…。怒られてもう1度黒服さんの方を見ます。
「いいか。その魔力石に、ユーキの全てをあげるってお願いするんだ。出来るだろう。」
僕の全部?僕何も持ってないよ?僕が何も言わないでいたら、お父さんはそのまま説明を続けます。何かね、この石を使うには、僕の持ってる魔力が全部いるんだって。僕が全部魔力あげるって言うと、魔力石にその力が入って、後は僕が何もしなくても、魔法を使ってくれるみたい。お願いするだけなら、ちゃんと僕でも出来るね。
でも僕の魔力全部あげちゃっていいのかな?後でまた魔法使えるよね。だって僕これからまだまだお友達になりたいし、お父さんやお母さんみんなと、冒険にも行きたいし。大丈夫だよね。
僕がそう聞いたら、いつもと同じの、でもなんか違う優しいお顔で、大丈夫だよって。よし!お父さんが言うなら大丈夫。僕はしっかり前を見て、魔力石を握りました。そして。
「ぼくのまりょくあ………。」
「ユーキィー!!」
え?誰?僕今、大事なことするところなのに。僕が全部言い終わる前に、誰かが僕のこと呼びました。あれ?この声モリオン?パッて呼ばれた方見たら、黒い丸ができてて、中からモリオンが飛び出して来ました。それでとってもスピードが出てて、僕のお顔にバシッィィィってぶつかりました。
「いちゃい!!」
「ごめんごめんねユーキ、勢いつき過ぎちゃった。急いで来たからさ。」
へへへってモリオンが笑ってます。もう、痛かったんだよ。それにモリオンが3人になっちゃって僕考えちゃったよ。どのモリオンが本物?
モリオンはキョロキョロして最後に僕の握ってる魔力石見ました。
「アッーそれだ!!ユーキそれ悪い人達が持ってる魔力石だよ。離して離して。」
そう言って僕の手から魔力石とって、後ろにいたお父さんの方に投げちゃいました。それからここが何処なのか教えてくれました。ここは僕の夢の中で、あの黒服さん達が僕のこと仲間にしようとして、この夢見せてるんだって。これは闇の力が見せてる夢。だからすぐに悪い夢なのがわかって、モリオン僕のこと助けに来てくれたって。
僕びっくりして、お父さん達から急いで離れました。あっちの黒服さん達は絶対悪い人、今まで僕と一緒にいたお父さん達も悪い人。でも、今来たモリオンは本当のモリオン?もう、僕分かんないよ。今まで一緒にいたお父さん達の方のお母さんが話しかけてきました。
「ユーキちゃん、そのモリオンは偽物よ。早く離れてお母さんの方に来て!」
「誰?僕会ったことないよね。」
そういえばモリオンとお母さん会ったことないよね。地下にいた時も戻って来た時もお母さん居なかった。ん?でもあれは夢で…、あれ違うこれが夢なんだっけ?僕はもっと分かんなくなっちゃってオロオロです。
「そうだ!」
モリオンは僕の肩に乗ったまま、何か小さい声で言いました。それからへへへって笑います。
「どう?動けないでしょう。」
お父さん達は何か気づいたみたい。それでなんかフンフン言ってます。何してるの?
「僕は闇の精霊。闇の力の源だよ。お前達を支配するなんて簡単だよ。いくら魔力石の力があの悪い連中にとっても強くったって、もっと強くなくちゃ僕を止められないよ。」
今モリオンが小さな声で言ったのは、悪い人達が使った闇の力を止める言葉なんだって。闇の魔力石で出来た偽物のお父さん達、動けなくなっちゃいました。それからすぐサァーって消えちゃいました。
「きえちゃったでしゅ?!」
「うん。闇に戻っただけだよ。ほらあっちも。」
黒服さん達もサァーって消えちゃいました。モリオンが、さっき僕があのまま全部あげるって言ってたら大変だったって。僕は闇の力で死んじゃってたかも知れないんだって。大変!僕死んじゃうところだった。モリオン助けてくれてありがとう。
「モリオン、ぼく、ほんとはねちゃってる?おきるのどしたらいいでしゅか?」
「大丈夫僕について来て。すぐに起きられるよ。ディルもリュカも待ってるからね。早く戻って、それから外の悪い奴らもやっつけちゃおう!それでお菓子食べようよ!」
「はいでしゅ!!」
僕とモリオンは2人で手を挙げて、おっー!!ってしました。
モリオンがまた何か言いました。僕とモリオンの前に黒い丸が現れました。2人でその丸に入ります。
「着いたよ~。」
え?何処に?何も見ないんだけど。
「モリオンなの?ユーキは大丈夫?」
「モリオン!ユーキ起きたのか?オレ達全然見えないって言っただろ!」
「リュカ?ディル?」
「ユーキ起きた!!良かった。心配したんだよ。」
「ふう。慌てたぜ!」
モリオンが言ってた通り、僕やっぱり寝ちゃって夢見てたんだね。モリオンはすぐにこの変な闇からもで出るよって。そう言った途端、真っ暗がなくなって、周りが少しだけ明るくなりました。でもやっぱり暗いけど。リュカやディルやモリオンのことはちゃんと見えるよ。ここさっきまでいたお城の上の所だよね。
「ユーキ!!」
僕のこと呼ぶ声にビクッてなっちゃった。振り返ったら、後ろにマシロ達やお兄ちゃん達、サルバドールさん達が居ました。お兄ちゃん達が走って来て僕のこと抱きしめます。
「ユーキ良かった。大丈夫?具合悪くない?!」
「怪我とかしてないよな。ふう、あ〜ドキドキした。」
「ユーキ様、ご無事で。」
マシロ達もすぐに僕のそばに来てくれました。お顔をすりすりです。うん。このすりすりが本物。それにお兄ちゃん達の笑ってるお顔も。さっきまでの違う感じがしません。本物のマシロ達にお兄ちゃん達です。
「ふぇぇぇ…。わああああああん!!」
僕安心したら、また怖くなっちゃった。だってもしかしたらもう会えなかったかも知れないんだもん。僕はお兄ちゃんと、マシロにくっついて泣いちゃいました。
「何だ、何が起きた?!」
わぁわぁ泣いてる僕。そんな僕を黒服さん2人が、驚いたお顔して見てます。たぶん驚いたお顔。僕涙であんまり良く分かんない。2人が驚いてる時、モリオンが僕の肩から飛びました。それでねエシェットの所に行って、
「もう、エシェットってけっこう弱いんだね。僕大丈夫だと思ってたよ。」
エシェットとモリオンがケンカ始めちゃいました。その間も黒服さん達は、くそっくそって言いながら何かやってます。みんないろんなことやってるんだ。
「殿下これは一体…。」
「何だろうね。確かにユーキ君が無事だったのはいい事なんだけどね。」
エシェット達のケンカ見てたら、僕泣き止んじゃった。だって2人ともケンカ終わらないんだもん。それにそんなにケンカしてたら、あの黒服さん達、攻撃してきたら大変だよ。ん?攻撃?そう言えばさっきから黒服さん達、くそっくそって言ってるだけ攻撃してこないね?
プンプン怒りながらモリオンが僕の所に戻ってきました。エシェットはぶつぶつ言ってます。ケンカ終わり?
「ユーキ!エシェット僕が寝てたせいだって言うんだよ!僕だって疲れてたのに。それに外に出たの初めてだったから。」
「闇に取り込まれたことくらい、すぐに気づかなくてどうする!」
またケンカ始まっちゃった…。お兄ちゃん達のが怒って、マシロも怒って大騒ぎになっちゃったよ。う〜ん。僕も混ぜてもらおうかな。僕1人だけ騒げてない。
「ぼくも!!まざるでしゅ!!」
「ユーキ様、今は大人しくしていて下さい。まだ敵がいるのですよ。何故か攻撃してきませんが?」
うん。いつもの感じ。僕やっぱりこれがいい。あの夢のお父さん達はやっぱり偽物。でも何で僕の魔力欲しかったんだろうね。僕、まだまだ何にも出来ないのにね?
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