第130話森の異変?

 今日は、きのう王様がご用事あって、お茶会出来なかったから、お昼ご飯とお茶会いっしょにします。お城の料理人さん、マシロ達にもたくさんご飯とおやつ作ってくれたんだ。マシロ達のご飯は、机に並んでます。


 今日お茶会に来てる人は、王様とサルバドールさんとシャーナと、それからエイムさんの家族と、ソルイじいじの家族。皆んなじいじの昔からのお友達なんだって。じいじもお友達たくさん。僕と一緒だね。


 僕はお母さんにケーキお皿にとってもらって、僕専用の椅子に座りました。皆んな立って食べてるんだもん。僕立ちながら食べられない。絶対溢しちゃう。

 僕の周りにディル達が集まって来ました。僕が王様に皆んなの好きな食べ物言ったから、王様ちゃんと料理人さんに伝えてくれたんだ。


「おいちいでしゅね。」


「オレ、こういうのは毎日でもいいな。いっつも好きな物、たくさん食べられるし。」


「ディルはいつも、好きなものしか食べてないじゃない。」


「僕はユーキと一緒なら、何でもいい。」


 皆んなどんどん食べ物持ってくるから、僕の周り皆んなのお菓子だらけで、僕ね、自分のお菓子取れなくなっちゃった。マシロにお願いして、僕のお菓子とケーキ、カゴに入れて運んで貰いました。ケーキたくさん。お菓子たくさん。僕もディルと一緒で、毎日これがいいな。


 お腹がいっぱいになって、ちゃんと僕ご馳走さましました。そしたらエイムさんのお家の奥さんとお話ししてたお母さんが、僕の方見て、困った顔して笑ってました。それからこっちに来て、


「どうしてもお顔に、お絵かきになっちゃうわね。」


 って。王様もサルバドールさんも皆んな、僕の事見て笑ってます。どしたの。


「ユーキ、ケーキでお顔お絵かきになってるよ。」


「本当、いつもどうやって食べれば、そんな顔全体にクリームが付くんだろうな?」


 お兄ちゃん達は皆んなよりもたくさん笑ってます。だってお顔に付いちゃうんだもん。僕ちゃんと食べてるのに。お兄ちゃん達笑い過ぎだよ。お母さんにお顔拭いてもらってるけど、僕はほっぺた膨らませてぶーぶーです。


「ほらユーキちゃん、ほっぺ元に戻して、ちゃんとお顔拭けないわ。」


「我が奴らも同じにしてやろう。まあ、汚れはしないが、だいぶ冷えるんじゃないか。」


 エシェットがそう言ったら、突然窓が開いて、雪がフワワって入ってきました。その雪がお兄ちゃん達のお顔の周りクルクル回って、クルクル雪がなくなったらお兄ちゃん達のお顔、雪だるまみたいになってました。お目々とお口とお鼻だけ出てるの。


「ゆきだるまでしゅう!!きゃっきゃっきゃっ!」


「な、何これ冷たい!!」


「わあああ、早くお風呂お風呂!!」


 お兄ちゃん達がお部屋から慌てて出て行きました。お父さんはエシェットの事怒ったけど、王様もサルバドールさんもとっても笑ってました。他の人達も。僕の事笑ったからいけないんだよ。お顔拭いてもらってる僕は、頭の上で拍手です。


「そうよね。笑い過ぎよね。ユーキちゃんわざとお顔に付けてる訳じゃないもの。」


 お兄ちゃん達が戻ってきたのは、ずっと後でした。なかなか雪が取れなくて、大変だったって。もう僕の事笑わないでね。笑ったらエシェットに雪だるまにして貰うからね。


 お茶会が終わる時にね、エイムさんが僕達にプレゼントがあるって。使用人さんが僕達に袋を持って来てくれました。何だろう。ディル達にもくれたんだ。開けて良いよって言われたから、リボンとって中を見ます。中にはしわしわな木の実がたくさん入ってました。しわしわで萎んじゃってるの。エイムさんが食べてみてって。1つお口の中に入れます。


「ふわわ、グミみたいでしゅ。あまくておいちいでしゅう。」


「それは木の実を乾燥させて作ったお菓子ですよ。雪の季節は木の実が少ないですからね、たくさんお野菜を採る季節に、たくさん木の実を採っておいて、乾燥させてお菓子にして、木の実が食べられない時にこうやって食べるんですよ。昨日お店通りに行った時買っておいたんです。私からのプレゼントです。」


「ありがとでしゅう!!」


 ボルフィスの近くにある森や林には、いつもたくさんの木の実が出来るんだって。だからいろんな種類の木の実採ってお菓子にして、お店で売るみたい。王様がたくさんお野菜が採れる季節に遊びに来れば、木の実の収穫祭りで遊べるって。僕収穫祭り来たい。お父さんに後で相談しなくちゃ。


「あっ!!しまった!」


 突然サルバドールさんが大きな声でそう言いました。それから頭くしゃくしゃ掻いてます。どしたの?


「この前の森の事をすっかり忘れていた。エシェットにシャーナ、君達が倒してしまった木がそのままの状態だぞ。ユーキ君に直せると聞いていたから油断して、すっかり忘れてしまっていた。」


 この前エシェット達がケンカして、森の木倒しちゃったけど、そう言えば直さないで帰って来たよね。あれから森に行ってないっけ?うんと、雪で遊んで、お菓子買いに行って、それからお茶会して…。ほんとだ!森直してない!早く直しに行かなきゃ!


 まだ暗くなる前だから、マシロ達に乗って行けばすぐに行って帰って来れるからって、すぐに出発する事になりました。そしたら王様も行くって言って、皆んなに止められてました。王様キミルが森を直すの見たいんだって。どうしてもついて行くならって、エシェットとシャーナがドラゴンになって、皆んなを連れて行ってくれる事になりました。結界張ってサッて飛べば、皆んなに見つからないで森に行けるからって。


 エシェットには僕とマシロ達と、お父さんとお兄ちゃん達が乗って、シャーナには王様とサルバドールさんとエイムさんが乗りました。お兄ちゃん達も見たいって。なんかとっても人が多いね。

 でも僕はドラゴンエシェットに乗れて大興奮です。


「ドラゴンでしゅう!ドラゴンエシェットでしゅう!うれちいでしゅう!!」


「こら、暴れるんじゃない!」


 エシェットが結界張って、バッて飛びました。それでねドラゴンエシェットに乗れて、とっても嬉しかったんだけど、すぐに森に着いちゃいました。もっと乗りたかったのに、残念。お父さんに何でお家からボルフィスに来るとき、エシェットに乗らなかったのって聞いたんだ。乗ったり降りたりする時、誰かに見られちゃうかも知れないし、結界張ってても、あんまり早く移動するのは、僕達のお体にはいけない事なんだって。お体が疲れちゃうんだって。そっかあ。今も早すぎて、お外全然見れなかったもんね。お外、シュシュシュシュッて、白いのが見えてるだけだったもん。早すぎてお体が疲れちゃうんだ。


 エシェット達が倒しちゃった木の所について、王様達がそれ見て、やり過ぎだって2人のこと怒ってました。僕はキミルに直してってお願いして、キミルが直そうとした時、エイムさんが止めて来ました。


「どうしたのじゃエイム。早くせねば日が暮れてしまう。」


「木の倒れている所、あちら半分から向こうを見てください。様子がおかしいです。」


 皆んなでエイムさんが言った方に移動します。そしたら雪の上にたくさんの大きな足跡がありました。1番大きい足跡に僕入ってみました。僕が3人くらい入っちゃうくらい大きいんだ。すぐにお父さんが僕の事足跡から出して、お兄ちゃん達の所に行ってなさいって言いました。僕はマシロ達とお兄ちゃんの所に行きました。皆んな驚いたお顔してます。


「何だこれは。こんな大型の魔獣など、この森にはいないはず。しかもこんなにたくさんの種類の足跡があるなど、考えられん。それにこの間ここに来たばかりなのに。」


「どういう事じゃ。一体何が起きたんじゃ。今日の森の修復は中止じゃ。調査しなければならん。」


 何か皆んな慌ててるけど、どうしたんだろう。森には魔獣たくさんいるんでしょう?マシロが教えてくれました。こういう小さい森には、こんなに大きな足してる魔獣居ないんだって。前に僕達がいた、黒い森には居るみたい。だからここにこの足跡があるのはおかしいんだって。


 すぐにお城に帰ることになりました。来た時と同じです。ドラゴンエシェットに乗って、すぐにお城につきました。王様もサルバドールさんもお父さんも、皆んなとっても慌ててます。

 今日はねお茶会でたくさんご飯食べたから、夜のご飯ないから、皆んなでお部屋で遊んでなさいって。だからお兄ちゃん達とマシロ達と一緒に、たくさん遊びました。

 でも、夜寝る時はね、お父さん戻って来ませんでした。お仕事だって。さっきの森、調べに行く用意するんだって。そう言えばさっきの大きい足の魔獣って、どんな魔獣なのかな?

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