第118話雪が積もったよ!
次の日も朝早くから、王国に向かって移動です。今日はねじいじ達と一緒に馬車に乗りました。ばあばが絵本読んでくれたよ。それでお昼食べてまた移動。お昼寝してからもずっと移動。あとどのくらいしたら、王国に着くのかなあ?
「じいじ、あとどのくらいでしゅか?きょうのよるでしゅか?」
「どのくらい…?ああ、王国までか。そうじゃのう、あと8日くらいかのう。」
8日?1、2、3の8?まだまだたくさん?!僕すぐ着くんだと思ってたよ。王国ってそんなに遠いんだね。お菓子大丈夫かな?お兄ちゃんが言ってたとおり、ちゃんと途中で買えるかな。ちょっと心配。
そう言えば王国ってどんな所かな?僕はじいじに聞いてみました。じいじが教えてくれたのは、王国はとっても大きい街なんだって。僕達の住んでるカージナルの街が8個くらい入っちゃう街です。街が8個。本当に大きい。人もたくさんいて、お店もたくさんあって、1番大きい冒険者ギルドと、商業ギルドがあります。僕のお家くらい大きいギルドなんだって。見てみたい!中に入れなくても、外から見るだけなら良いよね。
あとね何と、お城があるんだって。お城!!絵本でしか見たことなかったお城!僕はさっきばあばに読んでもらった絵本の中から、お城の絵の描いてある絵本を開いて、じいじにそれを見せました。
「じいじ、おしろこれ?」
絵本のお城は、真っ白で、キラキラした飾りがたくさんついてて、とってもカッコいいお城です。じいじがそれ見て、色が違うって言いました。
「お城の色は綺麗な明るい青じゃな。キラキラしてるのは一緒じゃぞ。」
「ふわわ、ふわわ、おしろ。ぼくおしろみたいでしゅう。」
「ちゃんと見れるから、安心しなさい。それにもっと楽しいことがあるはずじゃ。でも、それは王国に行ってからのお楽しみじゃ。」
お城見るよりも楽しいこと?何だろう?僕ワクワクが止まりません。馬車の中でジャンプしちゃいました。馬車が揺れます。じいじが慌てて僕のこと抱っこしました。
「これこれ、馬車の中で跳ねてはダメじゃ。」
そう言われたけど、抱っこされても、足をぶらぶら止められません。暴れる僕をじいじはずっと抱っこしてました。だってお城に、それよりも楽しいことだよ。早く着かないかなあ。
「いや、参ったのう。」
「貴方が余計なこと言うからよ。もっと楽しいことがあるなんて言うから。」
僕はワクワクしたまま、馬車の窓からお外を見ました。マシロ達にお菓子投げてあげながら、お家からずっと降ってる雪を見ます。大きくてふわふわな雪が、どんどん降ってきます。道や草原には、少しだけ雪が積もってきたんだよ。
「マシロ、しゃむくないでしゅか?」
「ああ、我らは慣れている。大丈夫だ。それよりも馬車の中が寒くなる。早く入れ。」
「はーいでしゅう。」
後で何かあったかい物、用意してあげよう。何が良いかな。あったかい飲み物?それともお洋服?マシロ達が着られるお洋服あるかな?マントとか?馬車の中はね、魔力石であったかくしてるから寒くないんだ。シルフィーなんか、ずっと寝ちゃってる。ディル達はなんか3人で、お話合いしてます。王国に行ったら、何して遊ぶか考えてるみたい。
僕は足をぶらぶらさせたまま、きょうお泊まりするお宿に着きました。
今日は僕が泊まるお部屋に、お兄ちゃん達が来てくれました。今日は枕投げはなしです。お兄ちゃんが枕が硬いから今日はダメだって。残念。だから一緒に折り紙しました。アンソニーお兄ちゃんもジョシュアお兄ちゃんも、折り紙へたなんだあ。一緒にうさぎさん作ったのに、アンソニーお兄ちゃんはお顔の形が三角になっちゃって、ジョシュアお兄ちゃんはお耳が1つしかないの。うさぎさんじゃないよそれ。
「相変わらずね貴方達。ユーキちゃんの方がとっても上手だわ。誰に似たのかしら。」
「え?それはもちろん、ねえジョシュア。」
「ああ、父さんに似たんだよ。父さんだって、折り紙破壊的じゃん。」
「はかいてき?」
「ああ、下手ってこと。父さんも折り紙下手なんだ。俺達より酷いんじゃない。」
ジョシュアお兄ちゃんがそう言った時、お父さんがお部屋に戻ってきました。僕はお父さんにも折り紙してもらいました。お父さんは何かとっても嫌なお顔しながら、折り紙してました。それでね、うさぎさん出来たんだけど…。
「………おしゃるしゃん?」
「ぷっ!」
「確かに、くくくっ。」
「貴方も相変わらずね。はあ。」
お父さんのうさぎさん、おさるさんそっくりでした。耳が横に小さくついてて、お顔が丸いの。お父さんはおさるさん作ったんだって言ってました。ん?うさぎさんは?お父さんにうさぎさん作ってって言ったけど、お父さんの折り紙、おさるさんで終わっちゃいました。
朝起きて、朝ごはん食べて、今日のお洋服に着替えました。それでね朝まだお外見てなかったんだけど、エシェットが窓からお外見て、
「夜にだいぶ積もったな。」
そう言ってたから、僕抱っこしてもらって、お外見たんだ。そしたらお外、たくさん雪が積もってました。
「ふわわ、ふわわわ、とうしゃんとうしゃん!おそといきたいでしゅ!」
「ちょっとだけだぞ。すぐ出発だからな。」
お父さんと皆んなで1階に降りて、ドアに向かいます。ドアが開いてて、僕はお外に向かって走り出しました。
「こら、走るな!」
お父さんの声と僕がお外に出るの、一緒くらいでした。僕ドアの段になってる所で、足引っ掛けちゃいました。それでそのまま転んで、雪の上にズサーッて、転んじゃいました。
「ユーキ!!」
お父さんが立たせてくれます。
「ふえ…、おかお、ちゅめちゃい…、おひざ、いたいでしゅう…。」
「あ~も~。服がびしょびしょだ。まだ降ったばっかりで、湿った雪だったからな。それに、足擦り剥いてるじゃないか。だから走るなって言ってるだろ。部屋に戻るぞ。」
ドア出てすぐは、小さなお屋根がついてたから雪なくて、ズボンめくったらお膝擦り剥いちゃってました。痛い…。お父さんに抱っこされて、お部屋に戻りました。集まってたお母さん達がびっくりしたお顔します。
「どうしたのユーキちゃん!膝擦り剥いてるじゃない。ディル早く治してあげて。」
「ドア出てすぐ転んだんだ。すまないが洋服も用意してくれ、びしょびしょだ。」
ディルにお怪我治してもらって、お洋服のお着替えして。お父さんに怒られちゃった。うう、ごめんなさい。少しの間、雪で遊ぶの禁止になっちゃった…。今度からもう少し静かに走らなくちゃ。ん?何かこの前もおんなじこと言ったっけ?まあいいか。今度から気をつけよう。
馬車に乗ってまた出発です。大人しく遊ぼう。足元にクッション置いてもらったから、それに座って、皆んなでおままごとします。そうすれば、座るところも使って遊べるでしょう。
「みんな、ごはんでしゅよ。ならんでくだしゃい!」
皆んなのお皿やコップに、折り紙で作った、お魚や、お野菜を入れていきます。おままごとしてると、すぐに時間が過ぎちゃいます。それにいつも一緒に遊べないお父さんも一緒に遊べるから、僕、馬車好きだよ。馬車はどんどん進んで行きます。
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