第117話さあ、出発です!

「じゃあ、後のこと頼む。」


「お気をつけて、行ってらっしゃいませ。ユーキ様、楽しんできてくださいね。」


「うゆう…。おみやげ、かってくるでしゅよ…。いってきましゅでしゅう…。」


 馬車が動き始めて、僕は窓からアシェルとアメリア、皆んなにバイバイです。いよいよボルフィス王国に出発です。昨日の夜なかなか眠れなくて、僕今とっても眠たいです。でも、行ってきますはちゃんと言わなくちゃね。門が見えなくなるまでバイバイして、馬車の中に戻ります。お父さんに抱っこしてもらって、もう1度…。


「はや、もう寝たの?!」


「昨日全然眠れなかったからな。まあ、当分同じような道だし、ゆっくり寝かせてやろう。何か面白い物があれば、起こしてやればいい。それにそっちのチビ組も、眠そうだからな。」


 僕の周りで、シルフィー達もお眠です。皆んな僕と一緒に昨日夜遅くまで、わいわいしてたから。それじゃあ、おやすみなさい。


 僕が起きたのは、お昼ちょっと前でした。お父さんが休憩だって起こしてくれて、窓からお外見たら、街みたいな所に居ました。初めて見る街。とっても小さい街です。ここはね、僕達みたいにお出かけしたり、冒険者の人達が休憩したりする場所なんだって。それ以外の人達も居るみたい。


 馬車から降りて、ご飯食べるお店に入りました。今日のお昼ご飯はミールでした。食べるの難しい、おうどんみたいなやつ。美味しいけどちょっと苦手です。お父さんに、この前みたいにお椀にとってもらって、1本ずつ、ツルツル食べました。


「あら、忘れちゃってたわ。洋服にミールのスープが。」


 お母さんがそう言ったから、お洋服見てみたら、お洋服のいろんな所にスープの跡がついてました。


「おお~…。」


「しょうがないから、今日泊まる宿でどうにかしよう。代わりはたくさん持ってきてるんだろう。」


「ええ。もちろん。」


 今日の僕のお洋服、いつものお洋服と違うんだよ。なんかお外に行く時のお洋服で、いつもよりちょっとカッコいいんだ。でも今は、スープで模様が出来ちゃったよ。

 お母さんが、今からじゃあ遅いけど、ないよりはマシだわって言って、ハンカチを僕の首と襟のところに挟んできました。それからもツルツルすべるミールと戦いながら、お昼ご飯終わり!ちょっと休憩して、また馬車に乗りました。


 マシロとくろにゃんは、また馬車の横を歩いてます。エシェットはマシロに乗っかって、馬車のこと守ってくれてます。疲れたら言ってね。じいじ達の馬車は、まだ乗れるからね。マシロは小さくなれて、エシェットは人の姿だし、くろにゃんは…。うん大丈夫。ちょっと満杯になっちゃうかもだけど。


 馬車の中でおやつの時間になったから、今日のおやつは、僕のカバンに入れておいたお菓子を、皆んなで分けて食べました。今日のおやつはクッキーです。


「オレ、このクッキー好き。」


「ボクも。」


「僕、何でも好き。」


「僕も全部好き。僕、ユーキとお友達になれて、よかった!」


 今日のクッキーは、お家の料理人さんが作ってくれたクッキーなんだよ。街で1番美味しいんだ。

 僕達ばっかり食べちゃダメダメ。お外のマシロ達には、どうやってお菓子あげようかな?エシェットは食べられるかも知れないけど、2人は歩いたまま?

 僕は窓からお外見て、2人に聞いてみました。そしたらね、投げてくれって。えー、大丈夫?落としたりしない?せっかく作ってくれたクッキー、落とさないでね。言われたとおり、クッキー投げました。くろにゃんは、さっと飛んでパクってクッキーを食べました。マシロとエシェットは…。


「キャッキャッキャッ!」


 僕は2人をみて、とっても喜んじゃった。だってね凄いんだよ。マシロがくるって1回転して、パクってクッキー食べて、エシェットも一緒にくるってでんぐり返りのジャンプして、口にクッキー入れて、マシロにまた乗っかったんだ。僕は窓から体出して、足をバタバタ。


「こら、窓から乗り出すんじゃない!危ないだろう。それに馬車が微妙に揺れる。それと、2人も目立つことするんじゃない!まったく。くろにゃんみたいにマシロは普通にキャッチして食べろ。エシェットも、マシロに座ったまま食べるんだ。」


 怒られちゃったけど、今度また見せてもらおう。僕達だけだったら、見ても大丈夫だよね。

 おやつ食べて、エシェットは飽きてきたって言って、じいじ達の馬車に乗りました。僕はお昼寝です。今度はお母さんに抱っこしてもらいました。お母さん、柔らかくてあったかくて、気持ちいいんだ。お父さんはなんかちょっと硬いけど、包まれて寝てる感じ?それにお母さんと一緒で、とってもあったかくて気持ちいいんだよ。


 お昼寝から起きて、たまにおトイレとかで少し休憩して、夕方にちょっと小さい街に着きました。今日はここでお泊まりするんだって。この街には、お泊まりするお宿がいっぱいあって、旅してる人達がいっぱいです。お店は少なかったです。

 先に僕とお兄ちゃん達、お母さんとばあばでお宿に入りました。お父さん達は、馬車を預けに行きました。


 お部屋は3つで、皆んなで別れてお泊まりです。お部屋でお父さん待ってたら、お父さんが荷物を運んで来てくれました。今日の夜着るお洋服とか入ってるカバンです。僕はシルフィーとおんなじうさぎさんのかっこうしました。それから、夜のご飯を食べに行って、その後は、お兄ちゃん達と少しだけ遊びました。


「ほらいくぞ!」


「きゃああああでしゅう!!」


 ジョシュアお兄ちゃんが、僕達に枕当てようとします。楽しいんだよ。騒ぐと他の人達に怒られちゃうから、エシェットが結界張ってくれました。僕は枕投げても、絶対飛ばないからね。だから僕はシルフィーと一緒にマシロに乗って、それからディルとリュカとキミルが枕持ちます。それをマシロがしっぽで飛ばします。


「そっちでしゅよ!」


「うおっとっと!なかなかやるなあ。よし今度はこっちの番だ!」


「にげるでしゅう!!」


 とっても楽しかったよ。せっかく楽しいかったけど、お父さんが明日も朝早くから移動だからって、今日は遊びはお終い。もうお休みの時間だって、迎えにきました。僕がしょんぼりしてたら、明日も遊んでくれるって。2人にお休みなさいして、お部屋に戻りました。


 歯磨きして、おトイレに行って、ベッドに入りました。お母さんに、お母さんが用意してくれた絵本読んでもらって、僕はその途中で寝ちゃいました。明日も楽しみ。皆んなでお出かけ、楽しいね。

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