第113話お酒は怖い
目が覚めたら、隣にお母さんがいました。
「おはようユーキちゃん。ぐっすり眠れたみたいね。」
周りを見て、もう1度お母さんを見て、そっか僕、お家に帰って来たんだね。まだ洞窟にいるんだと思っちゃったよ。
「おはよでしゅう。みんなもおはよでしゅ!」
マシロがお鼻で、ホッペをツンツンしてくれます。エシェットは頭撫でてくれたし、シルフィー達は僕の周りに集まりました。ルドックも1番後から寄ってきて、マシロの後ろにお座りしました。全員ちゃんといます。僕のお友達たくさん。嬉しいね。
「さあ、お顔洗ってお着替えしましょうね。」
朝の準備がちょうど終わったとき、アメリアじゃないメイドさんが、僕達のこと、呼びに来てくれました。アメリアはお仕事が忙しくて今日は来れないんだって。アメリアいつも忙しい。僕まだたくさんお菓子持ってるし、いつも忙しくて頑張ってるアメリアにあとであげに行こう。そうだ。アシェルにもあげよう!2人ともきっと喜ぶよね。
ご飯食べるお部屋に行ったんだけど、ばあばしかいませんでした。皆んなもうお仕事行っちゃったのかな?僕はばあばに駆け寄ります。
「ばあば、おはよでしゅ!」
「おはようユーキちゃん。元気で良かったわ。」
ばあばが僕の頭なでなでしてくれます。えへへへ。
「おはようございます。あのウイリアム達は?」
「それなのよね。さあ、ユーキちゃん。お父さん達起こしに行きましょう。」
3人で休憩のお部屋に行きます。お部屋の前に立ったけど、声とかぜんぜんしません。ほんとに皆んなここに居るのかな?
お母さんがドアをバンッて開けました。皆んなで中をのぞきます。のぞいた途端でした。僕とマシロ達全員で、お部屋から急いで離れました。何かねえ、ムワッて感じの匂い。とっても臭いの。その匂いのせいで、お部屋に入れません。マシロ達はお鼻を前足で押さえて、ディル達はお鼻を摘んでます。僕も。
「くちゃい!!くちゃいでしゅう。」
これ何の匂い?ほんとに臭いよ。お母さんとばあばは気にせず、お部屋に入って行っちゃいました。それで、中から大きな声が聞こえてきました。
「何なのこれは、いったいどれだけ飲んだんですか!!」
「まったく、他の人達はまだ、働いてるんですよ!それなのに貴方達ときたら!!」
「アンソニー、まあ、貴方は良いけれど、ジョシュアは飲んでないでしょうね!!」
2人の声だけが聞こえます。お父さん達の声はしないけど居るんだよね?少しの間、お母さんさん達の怒ってる声が聞こえてたけど、それが静かになって、お部屋から誰かが出てきました。最初に出てきたのはじいじで次にお父さん、それからザクスさん、次にお兄ちゃん2人、最後にお母さん達です。お父さん達は、とっても具合の悪そうなお顔して頭を押さえながら、いててててって言って、お部屋から出てきました。お兄ちゃんたちは、あ~眠いって、とっても眠そうなお顔してます。
「としゃん、みんな、あたまいたいでしゅか?だいじょぶでしゅか?」
お鼻を摘んだまま、心配で近づこうとしたんだけど、それでも臭くて側に行けません。うう~、何でこんな臭いの?お父さん達がお部屋から出てきて、マシロ達はもっと離れちゃいました。頭痛いならディルに治してもらおうと思ったのに、これじゃあ治してあげられないよ。
「本当に臭いわね。さっさとお風呂に入ってきて、話はそれからよ。」
「ここの部屋の換気と掃除をたのまないとねえ。ユーキちゃん、ばあばとご飯のお部屋に行ってましょうね。このお部屋は、綺麗になって臭い匂いがなくなるまで、入れないからね。」
「はーいでしゅ。皆んな行くでしゅよ。」
ううっとか、いてててとか言ってるお父さん達は、お風呂のほうに歩いていきます。お母さんはメイドさんを呼び止めて、何か頼んでました。僕達はばあばとご飯のお部屋に移動です。少ししてお母さんも戻ってきました。
お父さん達を待ってる間に僕達は朝ご飯です。朝ご飯?朝ご飯じゃなかったです。お昼ご飯でした。ゆっくりお家ご飯。とっても美味しいです。そうだ。今日はもらったお菓子おやつに食べるんだった。あれ?お菓子の袋はどこだっけ?お母さんに聞いたら、ベッドの隣の机に置いてあるって。
ご飯食べ終わって、すぐに取りに行きました。それからご飯のお部屋に戻ってきたら、お父さん達がいました。さっきの臭い匂いしません。お父さんに駆け寄ります。ピタッて止まりました。近づいたらやっぱり臭かったです。この匂い嫌い。僕はお母さんのほうに行きます。
「くちゃいでしゅう。なんでしゅか?このにおい?」
「これはね、お酒の匂いよ。」
「おしゃけでしゅか…。くちゃいでしゅ。どうちてこんなののむでしゅか?」
お酒ってこんなに臭かったけ?お父さんいつも飲んでるけど、こんな匂い1度もしなかったよ。アシェルだってお酒大好きで、アシェルのお部屋にはお酒があるけど、アシェルのお部屋の前、こんな匂いしないのに。
「ユーキちゃんにはまだまだお酒は早いものね。大人の人はこれが大好きなのよ。嫌いな人もいるけどね。いつもはね、少ししか飲まないから、あんまり匂いしないの。でも飲み過ぎるとほら、臭くなっちゃって、お父さん達みたいに頭が痛くなったり、気持ち悪くなったりするの。だから飲み過ぎちゃダメなのよ。あれは飲み過ぎた罰。だから放って置きましょう。ディルも治さなくて良いからね。」
具合悪いのは罰なんだって。そっかあ。じゃあしょうがないね。でも飲み過ぎただけなのに罰なんて、僕もジュース飲む時とか気をつけなくちゃ。お父さん達がウンウン唸ってます。
リュカがお父さん達の周りぐるぐる回ってたんだけど、何か面白い事、思い出したって。それでディルを連れてお父さん達の所に行って、言葉の分かるようになる粉をかけました。それから耳元に行って、
「わあああああ!!」
って大きな声で叫びました。そしたらお父さんが、
「ぐあああ、やめてくれえ~。」
そう言って耳を塞ぎました。2人はじいじとザクスさんにも同じ事しました。やっぱり2人とも止めてくれって叫んでます。どうしたのかなって思ってたら、お兄ちゃんが教えてくれました。何かお酒飲んで頭痛くなったときに、大きな声とか音とか聞くと、もっと頭が痛くなるんだって。
「あら、丁度いいお仕置きじゃない。」
お母さんにそう言われて、シルフィー達も参加です。そのあと少しの間、お父さん達の叫び声を聞いてました。皆んなが静かにした後、お父さん達机に倒れてました。リュカに何で頭が痛くなる事知ってたか聞いたら、
「ユーキと友達になる前、街のお酒飲むお店で、こういう人達たくさん居たから、悪戯してたんだ。面白かったよねディル。」
「ああ、たまに逃げようとして、ドアに顔ぶつけて気絶してたよな。」
「………。」
僕大人になっても、お酒飲まないようにしよう。
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