第112話やっぱりすごいキミルには、このお菓子あげるよ
お父さんに呼ばれて、皆んなでお父さんの所に。お父さん、僕とキミルにお願いがあるんだって。
お頭が壊しちゃったこの森、さっきの洞窟の所みたいに、木を生やして欲しいんだって。森がないと驚いちゃう人がたくさんいるし、ここに住んでる魔獣達も住むところが少なくなっちゃって困っちゃうって。そうだよね。僕もびっくりしちゃったもん。それに、皆んなお家がないのはダメダメです。お家は大切。
「キミル。森、なおしぇましゅか?」
「うん、大丈夫だよ。ユーキが側に居てくれるから。」
キミルがそう言って、すぐにポワッて光り始めました。それから洞窟の所みたいに、地面が揺れて、木が生え始めました。どんどん、どんどん木が生えていきます。ボボボボボッて。キミルやっぱり凄いね。あっという間に森のなくなっちゃってた所が、元に戻りました。僕やディル達はやっぱり、頭の上で拍手です。シルフィーは跳ね回ってます。
「しゅごいでしゅ!キミルしゅごいでしゅう!」
僕達の後ろで、じいじ達が驚いてました。
「これは何とも…、さすが精霊じゃな。」
「何だこれ、規格外過ぎるだろう。」
「さすがユーキちゃんのお友達ね!」
森が元に戻って、お父さんはマシロに乗って、ザクスさんはルドックに乗って、木の上から森の確認です。お父さん達はすぐ戻ってきて完璧だって。
確認が終わって、僕達はお家に帰りました。森の魔獣、喜んでくれるといいなぁ。キミルが直してくれたんだもん。きっと良いお家が見つかるはずだよ。
お家に帰って、待っててくれたお兄ちゃん達に、森のお話しました。お話するお父さんのお顔は、とってもニコニコです。お話が終わってから何回もキミルにありがとうって言ってました。
「さすが精霊だね。ていうか僕はユーキが心配だよ。どれだけすごい友達ばっかり作るのさ。」
「え~、良いじゃんか。なんか俺も誰かと契約したくなってきたな。」
「ちょっとジョシュア、契約はいいけど、その契約魔獣使って、トレーニングのパワーアップしようとかしてるなら止めてよね。ただでさえ今のトレーニングも暑苦しいんだから。」
お兄ちゃん達が言い合い始めちゃったよ。それをゲンコツでお母さんが止めました。ゴツンって凄い音がしてたよ。とっても痛そう。僕怒られるときおやつなしも嫌だけど、アレも嫌だな。痛いのやだ。
アシェルが皆んなのお茶を、もう1度用意してくれました。ホットミルクを飲んでる時、ザクスさんが騎士さんを呼んで、その騎士さんが袋を持ってきてくれました。あの袋は!僕はタタタッてザクスさんに近づきました。
「ユーキ、すぐに用意出来たのはコレだけなんだが。頑張ったユーキに俺からご褒美だ。」
「ありがとでしゅう!!」
またまたお菓子貰っちゃいました。お菓子たくさん!嬉しいなあ嬉しいなあ。僕は床に座って、アシェルから貰った新しいお菓子と、今貰ったお菓子を全部床に広げました。
「ふおお、ふおおお!!こんなたくしゃん!」
シルフィー達も一緒にバンザイです。皆んなでちゃんと分けて食べるよ。だって皆んな頑張ったもんね。そうだ。キミルお野菜のおせんべい好きかな?後で聞いてみよう。お母さんが食べるのは明日にしなさいって。歯磨きしに行きましょうって言いました。僕、もう少し皆んなといたいな。せっかくお家に帰って来たし、皆んなここに居るのに。
「かあしゃん。もうしゅこしいっしょ、だめでしゅか?」
「うーん。じゃあ、歯磨きだけして戻って来ましょう。そしたらいつでも眠れるし。ね。さあ、行きましょう。」
お母さんと一緒に歯磨きして、すぐに戻ってきました。誰も僕のお菓子食べてないよね。お菓子確認です。それからライ達のお口も。後はゴミとか…。うん大丈夫そう。皆んなで明日どれ食べるか相談です。僕は最初にキミルに、野菜おせんべいのこと聞きました。今、アシェル居ないから今のうちです。アシェル居たらすぐに見つかっちゃうもん。
「キミル、おやさいおしぇんべい、たべましゅか?おいちいでしゅよ。」
「野菜?うん。僕大好きだよ。くれるのありがとう!」
良かったこれで大丈夫。じゃあこれはキミルね。僕はキミルの前にお菓子を置きます。それからもどんどんお菓子を分けていきます。全員で7人だから、たくさんお菓子もらえて良かった、少なかったらケンカになっちゃうよ。でもねエシェットがたくさんお菓子取ろうとしたんだ。
「だめでしゅよ。みんないっしょでしゅ。」
「そうだそうだ!」
「あ、そう言えばエシェット、あの森の事だけど。」
リュカがそう言ったら、エシェットがすって、ほとんどのお菓子戻して来たんだ。
「エシェットどうしたでしゅか?」
「いやなに、我は今よく考えたらあまりお腹が空いていない。明日のおやつは別にあるだろうから、今日のはユーキ達で分けるといい。」
変なエシェット?本当にいらないの?じゃあ、僕達でちゃんと分けようね。エシェットの分のお菓子を分けて、これで最後。ちょうどいい位に、お菓子を分ける事が出来ました。おやつの時間が楽しみだね。早くおやつにならないかな。皆んなでニコニコです。
(ウイリアム視点)
「あなた。」
オリビアに呼ばれ、オリビアが見ている方を見る。そこには前へ後ろへグラグラ揺れているユーキが。近づくと手には、自分の分のお菓子の入った袋を握り締めていた。そんなユーキを抱き上げる。袋は握ったままだ。
「父さん母さんザクス、悪いんだが、少し待っていてくれ。ユーキを寝かせてくる。」
「私は今日はこれで失礼します。ユーキちゃんに付いててあげたいから。もしかして途中で目を覚まして、泣いちゃうかも知れないから。まだ、この間の黒服達の影響が残ってるのに、今回またこんなことに。」
「ああ、付いていてあげなさい。後のことはワシらに任せてくれればいい。」
2人で部屋を出て、私達の寝室に向かう。マシロ達もちゃんと後ろからついてきた。寝室に入り、ユーキをベッドに寝かせて、布団をかける準備をしている間に、オリビアが洋服を着替えた。そしてユーキの隣に潜り込むと、寝ているユーキを抱きしめた。
「良かった。本当によかったわ。」
「ああ、本当に。」
私はユーキの頭を軽く撫でたあと、部屋を出ようとした。
「あなた、起きたらルオンがどうなったか、ちゃんと教えてね。」
「ああ、分かってる。おやすみ。」
父さん達の所へ戻る。やっとホッとした。ユーキは今私達の所にいる。起きたらまた、いろいろやらかすんだろうが、今はそれが嬉しい。ユーキが側にいるって思えるからな。あの可愛い顔をしながら、今度はどんなやらかしをするんだか。私は思わず小さく笑ってしまった。
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