第52話マシロの忠告。そして森の外へ。
「で、お前は何者だ。確かに強い人間なら、殺気を出して、相手を止めることも出来る。だが、お前のは、その殺気だけで人を殺すことが出来るものだ。しかも黒服だけを止めるなんて、そんな高等な事を出来る者はいない。たとえ最上級の冒険者であってもだ。」
僕はお話よく分からないけど、何かお父さん怒ってない?ダメだよ。僕達を湖に泊めてくれて、お父さん達に会うの手伝ってくれた、大切な友達なんだから。
僕は一生懸命、お父さんにエシェットが、僕達を助けてくれた事、説明しました。
「ユーキがこれだけ懐いているんだから、悪い奴じゃない事は分かった。ユーキ達に手を貸してくれた事、それに関しては礼を言う。ありがとう。」
お父さんがお辞儀しました。エシェットはうんうんと、頷いてます。でもお礼を言ってるお父さんの顔は、まだちょっと怖い顔。
よし!ここは僕がエシェットの良いところ、教えてあげなくちゃ!あと、お友達になった事もね。
「とうしゃん、エシェットは、ボクのおともだちで、それで…。」
「待て、主。その事で、我から先に言うことがある。」
マシロに止められちゃいました。何かこの頃、皆んな僕のこと待てとか、ダメだとか言うよね。どうしてなの?
僕はほっぺを膨らませます。ディルがほっぺ突いて、ほっぺは元通り。ちょっとディル、僕怒ってるんだから邪魔しないでよ。そしたらクスクス笑う声が。お父さん達が笑ってた。オリバーさん達まで。
「ブー。もうぼく、プンプンでしゅ!みんなきらいなっちゃうでしゅよ!」
わるいわるいって言うお父さん、僕の頭を撫でながらまだ笑ってるよ。もう!!
「はー可愛い。で、マシロ何だ?」
「いや、なあー、ちょっと忠告をな。それに、ここではあまり、このおじさんの話はしない方が良いと思うぞ。」
マシロは、お父さん達にこのまま、お家に帰るのか聞きました。そしたら、森の近くの街に、泊まるお家あったんだって。でも僕が突然見つかったから、別のお家に行かないとダメだって。僕とマシロ達が増えたから。
それを思い出したお父さん、マシューさんに、急いで泊まるお家見つけて来いって言いました。マシューさんも慌てて、先に行くって言って、お馬に乗って行っちゃいました。
あとね、すぐにはお家帰れないんだって。たくさんお仕事あるから、ちょっとの間、街にお泊りするって。
やったー!新しい街だ!僕遊んでもいいかなぁ?さっきまでプンプンしてた僕は、もうニコニコです。
「で、忠告って言うのは?」
「ああ。その前に、このおじさんの話は、これから行く所で、お前達だけの時の話した方が良い。ここは他人の目がありすぎる。」
「連れて行けってことか?」
「そうだ。そしてここからが忠告だ。どんな事を聞いても、驚かんようにな。多分だが、お前達が思っているよりも、これは規格外の事になる。心の準備をしておけ。」
「そんなにか?心の準備が必要な程のことなのか。ん?そう言えばさっき、ユーキは友達って言いかけてなかったか?もしかして、それに関係あるのか?」
マシロは黙っちゃった。そして僕の顔見て、はあ~ってため息。
「友達って言ったって、この男の人と、友達になっただけなんだろ?」
何も言わないマシロ。お父さんは何かとっても汗かいてる。
お母さんがあらそうなのって言って、エシェットの話は、街のお家に着いてからになりました。いや、ちょっと待てって言うお父さんをその場に残して、僕達は他の騎士さんのいる場所に戻ります。
いつの間にか、黒服の人達は皆んな、同じ場所に集められてて、そのほかに、たくさんの箱が置いてありました。それから、たくさん袋も。
このお荷物は、大切な物だから、全部街に運ばないとダメなんだって。でもお馬さん全部運べないから、街からお手伝いの人達が来てくれるみたいです。その人達が来るまで、ザクスさん達が、ここに残るんだって。僕達は先に、街に行きます。
だからまた後で、街で会おうってザクスさんが。思い切り頭を撫でてくれました。
「バイバーイでしゅ!」
新しい街に出発です。
夜までに街に着くってお父さんが。僕は今、お父さんと一緒に、お馬さんに乗ってます。だって今は、お父さんと離れたくないんだもん。
森の中、僕はシルフィーに教えてもらった、木の実の事を、お父さんに教えます。よくたくさん覚えたなって、褒めてくれました。お土産の木の実の事を言ったら、とっても喜んでくれました。
マシロ達が黒い森って言ってた通り、森の中はとっても暗くて、奥の方は黒って感じです。今まで木の上、マシロが走ってくれたし、下走る時もマシロとっても早いから、暗い感じしなかったんだ。
でもこれだと、ほんとに迷子になっちゃうね。僕1人だったら、絶対迷子だよ!
そう言ったら、お父さん笑って、自信たっぷりな顔して何言ってるって。
街に行く前に、ちょっとだけ休憩。その休憩の時。
「お、忘れるところだった。ほらユーキちょっと立て。」
何だろうって思ってたら、お父さんが自分の腰から、おもちゃの剣を外しました。
「ぼくのけん!!」
お父さんが僕の腰に付けてくれます。付けてもらった僕は、腰に手をつけて、かっこいいポーズ!
「はは、また小さな騎士の復活だな。それとも冒険者か?」
僕ね、冒険者にもなりたいし、お父さんみたいな騎士にもなりたいんだ。どっちもカッコイイもんね。
街に向かって、すぐに出発です。だんだんと木がなくなってきました。もうすぐ森から出られます。
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