第51話お父さんの友達と、とっても強いお母さん
僕は元気になって、泣き止んだから、ノアさんのお手伝い開始です。
ノアさんは魔力石と薬草で。僕はディルにお願いして、騎士さんのお怪我を治します。オリバーさんが言ってたみたいに、凄くひどいお怪我の人はいなかったけど、それでも、やっぱりちょっと傷が大きい人もいたから、その人達はディルが治しました。
僕のお家の騎士さん達は驚いてなかったけど、他のお家の人達はディルがお怪我治してあげたら驚いてた。
マシロが、普通妖精は、たまに人と話すだけで、絶対こんな事、お怪我治したりしないんだって教えてくれました。
「ボク達、楽しいと思った人間以外、近付かないんだ。わざわざ他人を助けたりしないよ。だって、僕達に関係ないもん。」
て、リュカが。僕はいつも一緒に居て、遊んだりご飯食べたり寝たり、わいわいしてるから気付かなかったけど、妖精さんって、僕以外にはそんななんだね。
皆んなのお怪我が治って、僕はまた、お父さんに抱っこです。やっぱりお父さんの抱っこが1番です。抱っこされてたら、背の高い、他の騎士さんよりカッコイイお洋服を着た人が、お父さんに声を掛けて来ました。
「ウイリアム、良かったな。息子が無事で。」
「ああ。それにしても今回は本当に助かった。恩に着る。ユーキこの人はな。」
お父さんが、男の人の自己紹介してくれました。男の人は、お父さんのお友達で、居なくなった僕のこと、お父さんと一緒に探してくれたんだって。お友達のおかげで、早く僕とお父さん会えたんだって。だからちゃんとありがとう言いなさいって。あと、自己紹介も。そっか。僕がお家に帰る前に、お父さんに会えたの、この男の人のおかげなんだね。ならちゃんと言わなくちゃ。
「えっと、ぼくのなまえは、勇輝でしゅ。2しゃいでしゅ。ぼく、しゃがしてくれて、ありがとでしゅ。」
抱っこされてるから、頭だけこてんって、お辞儀しました。
「おお、ちゃんと言えて偉いな。ずいぶんしっかりした2歳だ。俺の名前はザクスだ。カージナルから近い、小さな街に住んでるんだ。よろしくな。」
「ザクシュしゃんでしゅか?よろしくでしゅ。」
「………。」
ん?ザクスさん、急に黙っちゃった。僕変な事言った?
「なあ、ウイリアム。これ連れて帰ってもいいか?ザクシュって、この可愛い顔で言われたらな。なあ、いいか?ああ、可愛い。」
「バカ言うな。こんな可愛いユーキをやるわけないだろう。」
「それは残念。ハハハハハッ。」
ザクスさんが、そうだって言って、誰か呼びました。その人に何か言って、またその人はどっか行っちゃいました。ちょっとして戻ってくると、手に小さな袋持ってました。ザクスさんがそれを受け取ります。
「ユーキほら。プレゼントだ。」
お父さんを見ると、頷いてくれたから、ザクスさんから袋を貰いました。
「中身はお菓子だ。俺はお菓子が好きだからな。いつも持ち歩いてるんだ。ユーキにあげよう。」
「ふおお、おかしでしゅか!ありがとでしゅ!とうしゃん、とうしゃん!」
お父さんは、分かった分かったって言って、僕をザクスさんに渡します。僕はザクスさんにギュウって抱きついて、もう1回ありがとうしました。
「うん。ユーキやっぱり連れて帰ろう。」
ザクスさんが歩き始めたて、お父さんがザクスさんの頭を、思い切り叩きました。バシッて、凄い音してた。
「痛いなあ、もう少し手加減しろよ。」
「ふん、お前は自分の仕事が残ってるだろう。行った行った。」
ザクスさんは笑いながら、また後でなって言って、他の騎士さんのとこに行っちゃった。まったく油断も隙もないってお父さんが。
その後、僕達はマシロの所へ移動しました。お怪我治すの終わるまで、マシロ達は大きな木の下で、待っててくれました。マシロにただいまって言ったら、のそっと起き上がりました。
お父さんが、ここに来た時のこと、ここで何があって、どんな人が居たか、何か言われたことなかったか、マシロに聞きます。僕だと、上手に説明出来ないから。
なので僕は、貰ったお菓子の袋をゴソゴソ。それからモグモグです。うん。お菓子とっても美味しい!
マシロのお話聞いたお母さんが、僕にそんな酷い事したなんて、もっとお仕置きすれば良かったって、とっても怒ってます。アメリアも、うんうんって頷いてる。
そうだ!上から見たお母さん達、凄く強かったね。
「かあしゃん。かあしゃんは、とってもちゅよいでしゅね。びっくりしたでしゅよ。」
「…ユーキちゃん見てたの?」
あれ、お母さんどうしたの?何かびっくりした顔してる。
「ぼくうえから、みてまちた。とってもしゅごかったでしゅ。くろふくのひと、どんどんやっちゅけて、カッコイイでしゅ!」
あの時のお母さん、ほんとカッコよかった。僕はあの時の事思い出して、ニコニコです。でもお母さん、びっくりなお顔のままです。どうして?
「ユーキちゃんは、女の人戦うの好き?優しくてお淑やかな、お母さんの方が良いんじゃない?」
僕が考えてるの気付いて、お父さんが、お淑やかなの説明してくれました。
お母さん、何でそんな事思ったのかな?
「ぼく、やさしくて、ちゅよくて、カッコイイかあしゃん、だいしゅきでしゅよ。もっとみたかったでしゅ。」
そう言うと、お母さんの顔がどんどん笑顔に。
「あなた。今の聞いたわよね。私これから自分の仕事、もっと頑張るわよ。」
今度はお父さんが嫌そうな顔してます。お母さんのお仕事って何かな?やっぱり戦うのお仕事?あれ、でもいつもお家に居るよね。いつお仕事してるのかな。お家に帰ったら聞いてみよう。
お母さんはその後も、マシロの話を聞いてる時も、ずっと嬉しそうにしてました。それにアメリアも。
お話が終わる頃、それまでシルフィーを抱っこして、木の下で座ってたエシェットが、こっちに歩いてきました。
「次は、お前に話を聞く番だな。」
「ああ、何でも聞いてくれ。」
そうだ。お友達になった事、まだ言ってなかった。新しいお友達。お父さん友達どんどん作って良いって、言ったもんね。お父さん喜んでくれるかな~。
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