第31話リク君と遊ぼう!
お家に来て、5回目の週が過ぎたよ。
お兄ちゃんが教えてくれたのは、この世界の日にちのこと。1日目から6日目まであって、それを繰り返すんだって。それでそれを25回繰り返すと、季節が変わるんだって。季節は4つあって、花がたくさん咲く季節、とっても暑い季節、たくさんお野菜が採る季節、雪が降って寒い季節の4つ。前の世界と同じだね。
そして今は、お野菜がたくさん取れる季節です。
この日はリク君がお母さんと一緒に、お家に遊びに来てくれました。
「リクくんこんにちはでしゅ!これ、ボールかってもらったでしゅ!いっしょあしょびましょ。」
「おう。遊びに来たぞ、ゆーき!」
「いらっしゃいアニータ。来てくれてありがとう。」
今日は、リク君のお家のお店はお休みです。だから朝からリク君と、いっぱい遊べます。初めて、お友達と遊べます。
リク君の腰を見ると、剣がちゃんと付いていました。
「リクくん、しょのけん、かしてくれるでしゅか?」
「あ、これな、やっぱりオレ、父ちゃんに買ってもらった大事な剣だから、貸してやれないんだ。」
「ダメでしゅか…。」
楽しみにしていた僕は、ちょっとしょんぼりです。そしたらリク君のお母さんが、何でアンタは、紛らわしい言い方するのって、リク君の頭を叩きました。バシッて、凄い音してました。僕思わず、ビクってしちゃった。でもリク君、何ともないみたい。頭掻いてます。
「ユーキちゃん、しょんぼりしちゃったじゃない。ごめんねユーキちゃん。ほらリク。ちゃんと渡しなさい。」
「はい!」
リク君が自分の鞄から、ごそごそ何か出しました。木の剣のおもちゃです。それを僕に渡してきました。
「父ちゃんが、ユーキにプレゼントだって。それユーキの剣だぞ。」
「ふわわわわ、ぼくのけんでしゅか?ありがとでしゅ!」
僕の剣です。プレゼント貰いました!
「あら悪いわね。お父さんにお礼言っておいて。おやつにケーキ焼いたの。全部食べ切れないだろうから、それお礼の代わりに持って帰って。」
貰った剣で早速遊びます。
リク君はとっても上手に、剣を木に当てます。お父さんが冒険者で、剣の使い方を教えてくれるんだって。そう言えば僕のお父さん、もう少し大きくなったら教えてくれるって言ってた。
「まだ教えて貰えないのか?じゃあオレが少し教えてやるよ。」
「!!、ありがとでしゅ!」
「あんまり変な事教えないでよ、怪我したら大変だから。」
「大丈夫。小さい子が教える事なんて、大した事じゃないわよ。」
リク君が教えてくれたのは、剣の持ち方と、振り方でした。リク君をマネして一生懸命練習します。でもね、すぐ疲れちゃった。初めてだし、小さい僕には剣はやっぱりまだダメみたい。
お母さんに腰に剣を付けてもらって、格好だけは、お父さんみたいにして貰いました。どう似合う?
ちょっと休んで、今度はボール遊びです。これもリク君はとっても上手。僕はたまに蹴るの失敗しちゃうけど、リク君は失敗しないで、まっすぐボールが転がります。
むう…。僕頑張って練習したのに。何かヤダ!
お砂遊びならと思って、今度はお砂場でお山を作ったけど、僕の砂のお山は、リク君のお山の、半分くらいの大きさ…。
僕はしょんぼりです。全然ダメダメです。
「リク、アンタねえ~、全く手加減しないんだから。」
お母さんが僕を抱っこしてくれました。
「気にしないでねリク君、アニータも。ほらユーキちゃん元気出して。ユーキちゃんはまだ、小さいんだから、これから大きくなったら、リク君みたいに、いろいろ出来るようになるからね。」
「むう…、はいでしゅ…。」
「じゃあ、楽しい気分になるように、おやつにしましょうか?」
「おやちゅ!!」
今日のおやつは、お母さんが作ってくれたケーキ!嬉しいなあー。僕はおやつだけで楽しい気持ちになっちゃいます。だってお母さんの作ってくれるおやつ、美味しいんだもん。
今日のケーキはショートケーキみたいな奴。ケーキの上には苺じゃなくてチルの実がのっかってるよ。
そうそうチルの実はやっぱりリンゴでした。この前食べた時、とっても美味しくて喜んでたら、お外に遊びに行った時、必ずチルの実をお土産に買ってくれます。
ケーキをこぼさないように、少しずつ食べます。食べてたらね、リク君が自分のケーキの上に乗ってるチルの実を、僕のケーキの上にのっけてくれました。
「オレ兄ちゃんだからな、それやるよ。」
「ふわわ、ありがとでしゅ!」
そんな僕達を見てお母さんが笑ってました。
「ほらねアニータ、子供なんてこんなものよ。すぐ仲直り。」
「本当ね。でもこのケーキ本当美味しいわね。これどうやって作ったの?」
「それはね…。」
ケーキは食べ終わったけど、お母さんたちのお喋りはなかなか止まりません。リク君が何かモゾモゾしてます。何だろう?それからいつもの元気な声じゃなくて、ちょっと小さな声でお話してきました。
「なあユーキ、お願いがあるんだけどいいか?」
「なんでしゅか?」
リク君のお願いは、マシロに乗っけて欲しいってお願いでした。僕は良いけど、マシロはどうかな?僕の隣で伏せしてたマシロに声をかけます。
「マシロ、リクくんのってもいいでしゅか?」
「…主と一緒ならばな。」
「リクくん、ぼくといっしょいいでしゅか?しょしたら、のれましゅよ。」
「本当か、やったー!」
2人でマシロに乗ります。僕は一生懸命よじ登らないといけないのに、リク君はひょいってマシロに乗りました。うう…。もう少し大きかったらリク君みたいに乗れるのに。きっと乗れるはずだよ。
「リク君、ユーキちゃんまだ少ししか乗れないから、支えてあげてね。」
「任せて!」
僕ね少しの間なら、マシロに乗って移動できるようになったんだよ。お家の端っこから端っこまで!すごいでしょ。あんまり長く乗ると、転がっちゃうけど…。毎日練習してるんだ!
「すごいな、ふわふわで気持ちいい!」
「マシロは、とってももふもふで、マシロベッドなんでしゅよ。」
「マシロベッド?」
マシロと遊んでるうちに、もう夕方です。リク君が帰る時間になっちゃいました。もっと遊びたいな…。
「ユーキちゃん、また今度、お店がお休みの時に、遊びに来るからね。」
「ユーキ、楽しかったな。また遊ぼうな!」
「うん!あそぶでしゅ!」
また遊ぶお約束して、バイバイです。今度はいつ遊べるのかな?早く遊べたらいいなあ。その時は、何して遊ぼうかな?その時までに、剣もボールもお砂遊びも、練習しておかなくちゃ。門まで一緒に行って、お見送りです。
「じゃな!」
「バイバーイでしゅ!」
リク君達が見えなくなって、僕達もお家に入ります。
初めてお友達と遊んで、楽しいことばっかりでした。でも、ちょっとだけ、ダメダメな事もあったけど。でも、ほんとに楽しかったよ。お父さん達に何して遊んだか、教えてあげなくちゃ!
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