第23話朝はいつでも大騒ぎ? 2
全員休憩室に移動完了!いつもと一緒で僕の隣には、お父さんとは違ってニコニコ顔のお母さんが座ります。ソファーにドカッっと座るのはお父さん。大きく溜息ついてる。お疲れなんだね。
「とうしゃん、だいじょぶでしゅか?おはなしながくて、ちゅかれまちたか?ゆっくりしゅるでしゅよ。」
「ぷっ。ハハハハハ。」
アンソニーお兄ちゃんが何でか笑い出しました。続いてお母さんとジョシュアお兄ちゃんも。何で?僕、お父さん心配したのに。何で皆んな笑うのさ。アンソニーお兄ちゃんが説明してくれたけど、よく分かんない。
父さんは話が長くて、疲れたんじゃないから、心配しなくて大丈夫なんだって。それよりも僕の、新しい友達のお話しようねって。
よく分からないまま、また、お話が始まります。
「で、ユーキ、お前は妖精に、粉をかけて貰えなくても、妖精の言葉が分かるんだな。本当だな?」
「はいでしゅ!」
「そうか…。まあ、それはどうにかなるか…。これでもたまに粉かけてもらって、喋ってる奴はいるからな。」
なんかお父さんが、ぶつぶつ言ってるけど、そっか。粉って、皆んなが妖精さんとお話しするのに、大切な粉なんだね。僕、粉なくてもおしゃべり出来るから、楽ちんだね。
「問題なのは、契約したことか。アシェル、妖精と契約した奴は何年ぶりだ?」
「そうですね。100年ぶりといったところですか。100年前の英雄ガルトスが最後ですね。」
英雄ガルトス。何かカッコイイ名前が出て来た!後で聞いてみよう。
お父さんが教えてくれたのは、妖精さんの言葉が、粉がなくても分かる人は、今この世界には誰もいないってこと。ディル達にも聞いたけど、もし、そういう人間が居れば、楽しい事、変わってる事が大好きな妖精さんは、テレパシーですぐに伝えてくるって。
「ユーキは変わってるし、きっと面白いはず!オレには分かる!」
変わってるって…、僕普通だよ。この世界に来て、お父さん達と家族になって、マシロ達とお友達になっただけだし。ね、別に変じゃないでしょ。そしてもちろん、ディル達は、
「え?夜すぐに皆んなに連絡したよ。もしかしたら会いに来る奴、居るかもね。」
早いね。もう他の妖精さんに伝えたって。2人の言葉を、お父さんに伝えると、お父さんまたガックリしてました。
「…よし、妖精の事は取りあえず分かった。それはどうにかなるだろう。で、次にだ。その生き物は精霊なんだな?精霊が人の前に現れたのはいつぶりだ、アシェル?」
「そうですね。やっぱり100年くらいですか。それも、見た見ないで揉めたのが、最後のはずです。」
「…そうか。で、マシロ。お前この精霊が何の精霊か、分かっているんだろう。私も大体予想は付いているが。」
「ああ、まあな。」
マシロがいろいろお話してくれました。マシロは、歳がね1000歳を超えてて、お父さん達がさっき言ってた、英雄ガルトスのこと、知ってるんだって。それと100年前の精霊は、人間の見間違いでした。
それからマシロが、今までに会ったことのある、精霊さんは3匹で、1匹目は800年前の火の精霊さん、2匹目は500年前の水の精霊さん、3匹目は200年前の風の精霊さんだって。
おお、マシロそんなに生きてるんだ。そのマシロがまだ3度しか会えないなんて、精霊さん、いつもどこで遊んでるのかな?
「会った精霊が言っていた。この種類の精霊には、精霊仲間でさえなかなか会えんらしい。しかも姿もそれぞれ違う。今回はこういう姿だ。そしてその力は未知数、どれほどの力を秘めているか分からない、というのが出会った精霊の説明だった。」
「で、その種類は?」
「カーバンクル、お前達が伝説と呼んでいる存在。」
お父さんはまたガックリ。伝説かあ。またなんか、カッコイイ言葉が出てきたよ。僕がわくわくしてたら、まだましろのシルフィーの紹介、終わってなかったみたい。
「の、子供で、まだ何の力も持っていない。そうだな、今使える力は契約を結んだユーキの危険を察知したり、空を飛んだりする事くらいか。そこら辺の魔獣とたいして変わらん。それどころか、どの魔獣よりも弱いだろうな。」
「は?弱くない?え?だって伝説のカーバンクルなんだろう。」
お父さんは、またまたびっくりしたお顔してます。
「だから、子供だと言っているだろう。全然魔力を感じんからな。まあ、子供だからそんなに心配する事もあるまい。ただ、珍しいと言うだけだ。」
シルフィー弱いんだって。だから怪我しちゃったんだね。弱い者いじめいけないのに。よし、これからは僕が、守ってあげるからね。…多分大丈夫。マシロもいるしね。
「そうか子供か、それは良かった…、て、なるか!お前の感覚で言われても、安心出来るわけないだろう。」
お父さんは頭をガシガシしてから、お母さんとアシェルと、何か話してます。そのお顔がとっても怒ってるみたいで少し怖かったよ。
僕がかってにお友達作ったから怒ってるんだ。でも、僕頑張ってシルフィー守るよ。マシロだって、ディルとリュカだって。だって大切な友達だもん。
「ユーキ少し自分の部屋で待っていなさい!絶対に部屋から出ないように。アンソニー、ジョシュア、お前達が相手をしろ。取りあえず私達は、これからの対応を考える!」
「我も残っていいか。いい考えがあるのだ。」
「分かった。」
僕はお父さんに近付いて、お父さんのズボン引っ張ります。お父さんの顔は怖いままです。
「とうしゃん、ごめんしゃい。おともだちちゅくりまちた。とうしゃんに、いわなかったから、おこってましゅか?ぼくが、ディルもリュカもシルフィーも、まもりましゅ。だからバイバイいやでしゅ。ごめんしゃい。」
僕が謝ると、お父さんは少し慌てて、笑いながら僕の頭を撫でてくれました。
「ああ、お父さん怒ってるんじゃないんだ。たくさん友達出来たから、ちょっとビックリしてな。これからお父さん、ユーキ達がずっと友達でいられるように考えるから、少し待っててほしいんだ。」
怒ってるんじゃないって分かって少し安心。皆んなで僕のお部屋へ戻りました。
部屋で待ってる時、アンソニーお兄ちゃんが、お父さんは能天気で単純だから、今頃落ち着いて、今度は逆に、珍しい生き物に会えたって喜んでると思うよって、言ってました。
僕のお友達、お父さんもお母さんも、皆んなが、お友達になれて良かったねって、言って貰えたらいいな。
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