第20話夜の出会い 2
光の中の人は、僕が前に読んだ、絵本の中に出てくる、妖精さんと同じでした。
「ようせいしゃんでしゅか?ちいしゃくて、おはねもキラキラで、おようふくも、かわいいでしゅね。はじめまちて。」
僕がそう言ったら、妖精さん達、不思議なお顔してました。
「ん?オレ言葉が分かるようになる粉、この子供にかけたっけ?最初に声かけた時に、普通に返事されたから忘れてたぜ。」
「へえ、やっぱりキミ面白いね。キミがこのお家に来た時、ボク達お庭にいたんだ。キミからすごく綺麗な光が出てて、太陽みたいに暖かかったから、他の人間と違うと思ったんだ。だから、話しかけるの待ってたんだよ。」
「他のみんなは、話すのやめとけって止めたんだけどな、オレたちはお前変わってるから、絶対面白いって言ったんだ。やっぱりそうだった。」
普通は妖精さんとお話出来ないみたいです。じゃあ、お話しできて僕達ラッキーだね。
僕は自己紹介して妖精さんに、明かりが欲しいって言いました。じゃないとワンちゃんが、どこお怪我してるか分からないから。
「明かりならボクだけど…、ちょっと待ってて。」
薄い黄色の洋服を着た妖精さんが、緑の洋服を着た妖精さんを連れて、お部屋の隅っこに飛んで行きました。何か話し合ってるみたい。さっき手伝ってくれるって、言ってなかったっけ?もしかしてダメなのかな?早くこのワンちゃん?の悪いところ見つけて、手当てしてあげないといけないのに。
少しして、お話し合い終わったみたい。どうかな、手伝ってくれるかな?2人は僕の所まで戻ってくると、それぞれが僕の両方の肩に止まりました。
「なあ、お前、ユーキだっけ。」
「そうでしゅ。あかりくれましゅか?」
「あのさキミ、ボク達名前教えるから、契約しない?そしたら、明かり点けてあげるよ。」
「けいやくでしゅか?それってマシロといっしょでしゅか、おともだちになってくれるでしゅか?」
「そう、オレ達、お前のこと気に入った、友達になってやるよ。」
2人が説明してくれます。妖精さんは誰かとお友達になると、たくさんの力を使うことが、出来るようになるんだって。でも契約するには、妖精さんがホントに契約したいと思った時だけ。契約すると、友達になれて、ずっと一緒にいられるんだって。
「お前達、本当に良いのか?契約は自分達からは、簡単には破棄出来ん。縛られるということだぞ。」
「いいんだ。だってユーキ面白そうだし。それに、お前が契約してるってことは、悪い奴じゃないっんだろ。」
「お前とはなんだ。我にはマシロという主からもらった立派な名前が…。」
「それはどうでもいいけど、ボク達、誰かと契約しないと、生まれた場所から動けないからね。そんなのつまらないよ。だからいいんだ。」
「いいでしゅか、おともだち?」
よく分からない話してる。お友達いいのかな?早くお友達になって、このワンちゃん?助けなくちゃ。早く早く!
「おお、友達な。いいか名前教えるから、ちゃんと呼べよ。オレはディル。」
「ボクはリュカだよ。」
「ディル、リュカ、おともだちになってくだしゃい。」
僕は2人にお辞儀しました。そしたらね2人がちょっとだけ、フワッて光りました。光はすぐ消えちゃって、でも何かさっきの2人と違うような気がします。
「よし契約できたぞ。オレたち見てみろ、さっきより光が強くなってるだろ。」
そう言われて、よく見てみたら、ほんとにさっきよりも、キラキラが強くなってました。ちゃんとお友達になれたって、証拠なんだって。
「さあ、明るくするからね。その子の怪我を確認して、助けてあげよう。」
リュカが両手を前に出して、何かごにょごにょ言うと、リュカを真ん中にして、部屋の中が明るくなった。すごいね。お昼みたいに、とっても明るいよ。
さあ、このワンちゃん?の怪我、見てあげないとね。と、思ってワンちゃん?、もういいやワンちゃんで、そばに行こうと思って気が付きました。
そうだった。今僕ベッドから下りてたんだった。僕小さから、ベッドに上がるの大変。大変じゃなくて上れません。下りるのは簡単だったのに。落ちるだけだったから。
僕はマシロにお願いして、ベッドの上に上げてもらいます。マシロが僕の襟首くわえて、ベッドに乗せてくれました。もう移動するのこれで良いんじゃないかな。僕のお洋服咥えてもらって、ぷらぷらしながら運んでもらうの。そっちの方が僕が歩くより、早そうだよ。
そして僕は、ワンちゃんに近寄ります。ワンちゃん全然動かない。寝ちゃってるみたいです。そっとワンちゃんの周りから怪我の確認。羽よし!体よし!しっぽよし!前足よし!頭よし!顔よし!顔?さっきは暗くて気づかなかったけど、ワンちゃんのオデコのところに、虹色の石がくっ付いてた。キラキラ光ってとっても綺麗。
最後は足。足は…、あった。足に、何かで切られたみたいな、大きな傷がありました。痛そうな傷です。
「マシロ、きじゅがあったでしゅよ。とってもいたしょう、かわいしょでしゅ。」
「誰か呼んでくるのは良いが…、大騒ぎになりそうだな…。まあ、妖精と契約しただけで、もう騒ぎの原因はあるのだが…。」
マシロがブツブツ、よく分からないこと言ってる。もう、今は、そんなの時間ないのに。早く治してあげなくちゃ。
「ぼく、とうしゃん、よんできましゅ。まっててくだしゃいワンちゃん。」
「主、先程からワンちゃんと言ってるが、こやつは…。」
マシロが何か言ってる途中で、ディルが話に入ってきました。
「ユーキ、オレが治してやれるぞ!オレは癒しの力が使えるからな。ユーキと契約したから、このくらいの傷、すぐに治せるぞ!」
「ほんとでしゅか!。おねがいでしゅ。!」
「何でお前達は、さっきから我の言葉をさえぎるんだ!」
今はマシロの話、聞いてられないよ。お怪我治すんだから。
今度はディルが、両手を前に出して、何かごにゃごにゃ言って、そしたらワンちゃんをふわっと、透明な緑色の光が包んだよ。僕はじっと、その様子を見てます。
「ふわわ、しゅごいです!きじゅが、なおりました!」
ワンちゃんの足の傷が、綺麗に治りました。ディル凄いね。他にお怪我がないか、もう1度確認。
「ディルもリュカも、しゅごいでしゅね!ワンちゃん、もうだいじょぶでしゅよ。ありがとうでしゅ。」
「おう!」
「良かったね。」
皆んなで喜んでたら、モゾモゾ。あっ、ワンちゃん起きそう!
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