第19話

楓とシリウスブラックは近くの喫茶店に寄ることになり俺は二人の後ろについて歩く。


「へぇー、二本松さんはアグニと幼馴染なのですね」


「そうなの。嫌でも義鑑の行動とか考えも分かってしまうんだよね」


キャキャと笑顔をたたてえ実に楽しそうにしている。と思いだが、雰囲気が・・・醸し出すものは違った。よく見ないと気づけないが牽制けんせいしている。視線が言葉の質問や返答に、

情報を得ようと語るに落ちるを狙う猛禽類のような雰囲気が。


(か、考えすぎたよなぁ。いくらなんでも・・・ほら、こうして

笑顔でいるわけだし。

いつもの楓なら俺の話を愚痴か馬鹿にするのもいつものシリウスブラックが

物々ものものしい言葉づかいをしないのも俺の気のせいだ)


暗中模索が海千山千うみせんやませんと見せる幻覚ようなものと俺はそう捉えることにした。

そして―――事件は喫茶店で起きた。


「アグニはわたしの前世の宿敵にして夫婦めおとだ!

貴様のような女郎めろうはヴァルハラではなくヘルヘルムに落ちて女王ヘルのさばくがよい!!」


「誰が女郎よ!だれが・・・どうして北欧神話ほくおうしんわの話をするのよ。いつの時代の人なのよ。現代人じゃなくタイムリープしたじゃないの」


対面に座る二人が睨み合って、そう言い放ったのだ・・・数分前の会話はどこにいった。


「飛躍しすぎて俺はびっくりだよ!

と、ともかく目立っているから落ち着いてくれ二人ともぉぉぉ!!」


突然、俺と思い出話へとなっていき次第に自慢話となり挙げ句に否定して悪化して等々こうなった。

神よ貴様はとんでもな事をした。

そう天に突くように心で叫んだ。

ヒートアップした二人はぐぬぬっともはや狂犬そのものみたいに唸り睨み合いが続く。よし逃げようなんて選択できないかな?


「え、えーと仲良くしようよ。

ほら先まで楽しく話していたわけだし。いきなりケンカなんてよくないぞ。後々、苦労するぞ」


飛躍して展開についてこれず、争うような流れになったことに戸惑いながらも俺は仲介する。二人は俺へ見る。楓は半眼でシリウスブラックは笑顔の対極的であった。


「そもそも、あんたが変な女の子に会ったからでしょう」


「どうして避難!?」


しかりアグニとは運命的に出逢う運命さだめ。 必然を偶然のように言わないでもらいたいであるなぁ女郎」


「誰が女郎よ。ちっこいこじら」


「ど、どこへ見て言っている!?

貴様、返答によっては我が魔法に滅するやもしれぬぞ」


・・・シリウスブラックと会話を楽しみしていたが、今は逃走したいのを抑えるのがやっとうだ。

そして、俺は2度と二人を会わせないようにしようと静かに決心した。

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