第17話

俺と楓はシリウスブラックの待ち合わせ場所である忠犬ハチ公の銅像前にやって来た。


「うへぇー、人が多すぎる」


「これでも多くないわよ。休日だともっといるわよ」


「・・・マジかよ」


よく待ち合わせ場所に利用する場所というのは、よく待ち合わせ場所として選ばれるわけで人が最も集まるということになる。

要するに、人が多すぎてシリウスブラックがどこに待っているのか分からないのだ。


「で、そのシリウスブラックって人は見つけたの?」


楓にはシリウスブラックという美少女と伝えて芦名詩端の本名はまだ教えていない。これは従来の俺の性格によるもの、本人に許可なく教えるのはどうだろうかと。杞憂きゆうほど思って。


「妖精のような華奢きゃしゃでヤバイほどかわいいのがシリウスブラック」


「容姿のことじゃなくて・・・っていうか他にあるでしょうが。

はぁー、同じ場所をぐるぐる回るのも一つだけどスマホで掛けるのが手っ取り早いわよ」


呆れ気味に言った助言にそれだ!と思った。


「なるほどなぁ。よし、掛けてみる・・・・・」


俺はスマホを取り出したはいいが重要な点を失念していた。


「フリーズしてどうしたのよ?」


手が止まる俺に怪訝の楓。


「それが、緊張して・・・変に思われないか余計に考えて動けなくなるなった」


情けないことに同世代で話をしているのは楓のみでどうすればいいのか分からず停滞する。


「異常な返答に私は戸惑うしかないわよ」


けど前はラインで返事だって出来た。逆に言うと話を振った事はない。第一声は天気がいいですね。がベストか。


「ねぇ、もしかしなくても注目されているあれじゃない?」


肩を叩かれ俺は楓が指す方へ見てみると読書していたシリウスブラックの姿を見つけた。周りの人は尊敬と羨望の念で眺めている。

シリウスブラックがいる空間はどこにでもあるベンチ座っているだけなのに特別席のように思えてならない。


「・・・ああ、あの人がシリウスブラックだ」


「あの人が・・・・・ねぇ、何かの間違いじゃないの?絵になりすぎるわよ題名は女神と下々しもしもの下界で賞を取れるわよ」


「落ち着け楓。お前がそんなに美少女が好きとは引いたが、これは

事実だ」


「違うわよ。全部、否定するわよ!」


実際いつもの制服姿なのに場所か

周りの視線が原因なのか目映まばゆいと感じるのだ。たとえるならドラマ撮影のアイドルようだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る