第16話

「はぁ!?女の子とデートする約束していたの。ねぇ、詳しく聞かせてもらうわよ。もし返答によっては・・・・・」


「こわっ!?ちょ、落ち着こうぜ。

悪魔で話をするだけだから!!」


楓にシリウスブラックとの待ち合わせしている事を伝えると叱責された。並んで廊下を歩き事情を一部、省いて伝えたらこうだ。三々五々さんさんごごと帰っていく生徒に視線を集めることとなった。


「ほぉー、悪魔で話すだけ・・・」


ものすごく疑いの眼差しを向けられ居心地が悪くなった俺は、その理不尽な怒りに収めようとする。


「本当だよ。お前も知っているだろ!俺が女の子とデートするような話術も容姿が無いことをなぁ。ほんと・・・無いんだよなぁ」


成績は下から数えたらすぐに発見するしリア充のオシャレ用語とか

ついていけないし。運動だけは

そこそこの高校生なのだ。


「ねぇ、その露悪ろあく的な逆ギレとかしなくていいから。義鑑を好きな女の子だって

いるからねぇ」


「励まさなくてもいいよ。

実際に楓が言ってくれたデートだって勘違いしても仕方ないよ。

俺はその勘違いでしかデートを

楽しめないんだから」


「ダメだ、もう滅茶苦茶な事を。

妄想でしか出来ないことだと思うけど、義鑑をずっと想っている

女の子だっているんだよ」


あまり考えたくなかったがシリウスブラックはアグニだから会おうとしている。その先は読んでいる少しずつ幻滅していくのが。

心がかげり珍しく励ましてくれる楓に俺は――


「ちょっと楓キモいんだけど、

どうしたんだよ?変なものでも

食べたのか?」


「・・・心配していたら、もうバカじゃないの!バカよしあきーー

なんか地雷地に飛び込むといいわよ!あんたの方がキモいからねぇ」


プンスカと怒る幼馴染に俺は、苦笑をこぼす。キモいなんて思ってもいないし、そんな言葉を本人がいる前で言うほどクズじゃない。

容姿端麗で美少女ランキングに

上位である楓だからこそ俺はわずかな遠慮だけで言える。


(それに楓は優しいから、俺のために悩んでくれるマジで優しい幼馴染に嘘を言うんだ)

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