第10話

「ただいま」


「おかえりなさいヨシヨシ」


帰宅の言葉を言うと返事をする

母さんはリビングから玄関にエプロンして出迎えた。

この不本意な愛称のヨシヨシは高校生になっても言っていることに

内心やめてくれないかなと思い

無駄だと思っても視線で物申す。


「フフ、お母さんに見つめるなんて仕方ない子ね。愛しているわよ

ヨシヨシ」


「うげぇ、キツイ事を言うなよ。

俺は勉強するからなぁ」


「まぁ、珍しいわね。もしかして好きな子でも出来て志望校が難関で今から勉強かしら?」


「はい、はい」


母さんの小うるさい言葉をスルーして俺は二階に上がって部屋に入ると俺はすぐにスマホを取り出す。


「えーと・・・おぉー、メッセージが来ている!」


こんなに早くシリウスブラックからラインメッセージが送ってくれた事に嬉しくなる。


魑魅魍魎ちみもうりょうが溢れる事を懸念していたが無事に我は帰ったぞ!

と内容が書かれていた。


(これって、なんて読むのだろう?

シリウスブラック、この四字熟語む、難しいすぎではないかな)


俺は早速ググることにした。スマホで調べる事は普段しないので

どう調べればいいか分からず

鬼の漢字4つなど検索して必死に探してあの、難しい四字熟語を発見した。


(ちみもうりょう・・・様々なバケモノ?もしかしてオバケの事か、

いやなんか違うような、うーん)


俺は独特なメッセージどんな意味なのか読解力が乏しい俺には

突拍子のない解釈していき絶対に違うなぁと却下して最後は諦める。


(無事に帰りましたか?・・・こんな

シンプルでいいかな。俺が一番、

知りたいのはこれだから)


アニメやラノベでは夜は危なく

送るシーンがよくあるけど、現実はもしかして何か調べている?と

ストーカー扱いされないか

怖かった。


ほら親しいほどじゃない仲で家まで送るなんて女の子からすれば警戒されてもおかしくない・・・これだから俺はかえでにヘタレと言われる弱さなんだよな。


「送信した・・・返信がこんなに

気になるものなのなんて初めて

したぜ。あっ!」


鳥が鳴いたようなメッセージ音。

返事の内容は――平気だ!

と素っ気なく短い文字に俺は安堵のため息をこぼした。

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