第9話

どれほど話をしたか。


「えへへ、アグニはあのゲームをしていたのか」


ホワホワと女の子らしく笑う彼女に違和感を覚えたが、特に気にするようなことじゃない。


「はい。中学の頃にけっこうハマってしまいまして・・・でもシリウスブラックもハマっていたのは

意外でしたよ」


「くくっ、人間の創作した英雄の物語には大変に満足させる

価値はあったなぁ。ふむ、特に熱心的にやっているわけではないぞ」


今日は名前を教えてもらい知った日。それから趣味しゅみや好きな食べ物などで話で花を咲かしていた。


「そうですよね。シリウスブラックがゲームで熱心になるほど

ではないですよね」


「う、うむ左様だ。我がゲームぐらいで無我夢中になるなんてが無かろう」


若干しどろもどろモードになったのは恥ずかしくて独特な反応したのだろうか。


「もう日が沈んで行きますね」


「で、あるな。我はそろそろ帰らせてもらう」


シリウスブラックは学校カバンを持ち上げベンチから腰を上げた。

どうやら、そろそろ帰宅するらしい。


「そのシリウスブラック

よければ家まで送りましょうか」


「お気遣いは感謝するが、わたしは平気だ。また、明日も会おう」


「はい、また明日」


シリウスブラックと別れ次も会う約束をする。いつもの夜道に唐突に雨が振り傘を広げ歩いていく。考え事をして足元が不注意になり水たまりを踏むと水が舞い上がる。


(数分前までに女の子と一緒に話すのって久しぶりすぎる!

それに、また会おうなんて!!)


「駄目だ。勘違いしちゃ・・・

前世の記憶の繋がりなんだから」


喜ぶにはまだ早いと自分に言い聞かせて、なんとか緩みそうになる

頬をなんとかするのに必死に

別の考えをしようと試みたが上手くいかずにいた。

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