第45話 上位一次職
転生後、女神様に旅人の街の冒険者ギルドへと送ってもらったんだけど、少し前に居た黒ずくめの怪しい人を探しているのか、珍しくギルドに誰も居ない。
なので、レベル10にしてもらったという事もあって、早速一次職に転職しておく事にした。
「すみません。一次職の転職クエストを受けたいんですけど」
「はい……あら。ツバサ様は、上位一次職になるのですね。では、こちらの中から、どのクラスに就かれるかを選んでください」
上位一次職? 普通の一次職と何か違うのだろうか。
そんな事を思いながら、初めて転職した時と同じ様に、受付のお姉さんが並べてくれた転職カードを眺めてみる。
『ファイター』、『ストライカー』、『ソルジャー』、『シーフ』、『シューター』、『メイジ』、『アコライト』、『テイマー』、『クリエイター』
前と同じで、可愛らしい女の子のイラストでクラスが描かれたカードなんだけど、何故か各カードに描かれたイラストのポーズが格好良くなっていた。
メイジのカードは魔法少女みたいな、どこかほのぼのしたイラストだったのに、魔法少女は魔法少女でも、拳や蹴りでガチの戦闘をするタイプの魔法少女になっている。
「あの、これって何となくイラストが変わっている気がするんですけど」
「そうですよ。ツバサ様はソードダンサーでレベル99になられた――つまり、ソードダンサーを極められましたので、その踊りや動きを取り入れたクラスになります」
「それって、このメイジだと、踊るように戦うって事ですか?」
「はい。その通りです」
「あ……だから、この中にバードが無いんですね」
転生時に就いていたクラスには、なれないのか。
それに、一次職とクラスの名前は同じだけど、内容が違うみたいだし、改めてカードの説明を読んでみる。
ただ、いずれにしても僕は前衛をするつもりはないから、そこは飛ばすけど。
『シーフ。ダンスをとりいれた、トリッキーなうごきでモンスターをほんろうするよ』
『シューター。きびんなうごきで、ちょうのようにまい、はちのようにモンスターをこうげきできるよ』
『メイジ。すばやいうごきで、パンチやキックに、まほうもつかえるよ』
『アコライト。おどりのちからで、みんなをいやすアイドルだよ』
『テイマー。ダンスでモンスターをみりょうして、おともだちになりやすいよ』
『クリエイター。すばやいうごきで、はやくアイテムをつくれるよ』
何て言うか、相変わらず漢字が無くて読み難いんだけど、どのクラスもスピード補正が付いているみたいだ。
ただ、アコライトだけは地雷な気がする。
踊りながら回復魔法……って、意味が分からないんだけど。
ダンスで皆の意識を集めて、回復魔法の効果を高める……いや、高まるのっ!?
とりあえず、前衛とアコライトは除外して、テイマーも使えないって話だから、やめておこう。
となると、踊れるシーフと、機敏になったシューターに、何故か接近戦仕様になってしまったメイジ、そしてアイテム作成速度が上がったクリエイターかぁ。
接近戦仕様のメイジも除外して、シューター――弓を使うのは、僕が不器用だからやめておくと、シーフかクリエイターの二択だね。
「うーん……じゃあ、クリエイターでお願いします」
「分かりました。では、これでツバサ様は晴れてクリエイターとなります」
「あれ? まだ転職クエストを行っていませんけど」
「転生前に一次転職クエストをクリアされているので、上位一次職は転職クエストが無いんです。同様に上位二次職もクエスト不要となります」
「そうなんですね。覚えておきます」
「はい。あと、こちらをどうぞ。転職祝いの品となります」
そう言って、初めてバードに転職した時と同じ様に、「フラスコ+30」「白衣+30」「超純水×20」を貰った。
何となくだけど、クリエイターって学者っぽいね。
せっかくなので、もらったフラスコと白衣を装備して、早速アイテムを作ってみよう……
「って、すみません。アイテムって、どうやって作るんですか?」
受付のお姉さんに、アイテムを作るレシピや材料が売っている薬屋さんを紹介してもらったので、先ずはそこへ行ってみる事にした。
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