第5話 どんどん過激的になっていくんだが。
「あなた誰?」
「私は長峰凪です。ゆう様の忠実なるメイドでございます」
「ここまで来たら変態ね」
「妄想の域を超えてる〜」
「変態に加えて厨二病。ゆうちゃんに指一本でも触れたらこの私が許さないわ!」
黒崎がキリッとした表情で言い放った。
「あなただってそうだから!ゆうくんに触っていいのは私なの!で、でも、ゆうくんを触るのは少し恥ずかしい...。早くいっぱい触りたい...」
頬を赤らめ、願望を口にする西園寺。
「あらあらお二人さん〜?汚い手で触れたらゆうさんが汚れるー。ゆうさんは私のものだから、もし触れたら殺してしまうかもしれないのでご注意を〜」
柚木が2人の挑発に抵抗する。殺すとか怖すぎ。
「皆様恐縮ですが、ご主人様の身の回りの世話や家事、夜のお世話までメイドとしての役目ですのでご主人様との接し方を改めてくださると嬉しいです」
「「「よ、夜のお世話...」」」
長峰の言葉に他の3人が同時に動揺する。
「ふざけないで!妄想だとしてもゆうちゃんの印象をねじ曲げることはやめて!私とゆうくんはゆっくりと進んでいけばいいと思うの!」
「そこまで言わなくていいと思うけど、そうね長峰さんが言っていることは少し過激というか、ゆうちゃんに変な噂が立ってしまうことになるわ。今後発言を慎みなさい。それと、私は早く進みたいわ」
そもそも否定してくれなかった黒崎さんが噂について言わないで欲しい。
「私は別に長峰さんの妄言なんて気にしてないよ〜。だって私がゆうさんを信じてればいい〜。周りの人達がゆうさんをどう思っていても関係ない〜。私はゆうさんが好きだから。後、私は自然とで良いかな〜」
ここまで妄想できるのはある意味凄すぎる。
「皆様がそうおっしゃるのなら、私は武力を持ってゆう様を守らなくてはならないですね」
だから、そもそも何でメイドがいるの?
「「「望むところ!!」」」
長峰の言葉に他の3人が決意を決める。
「ちょ、ちょっと待って皆んな!!ゆうくんっちに話を聞くってのはどうなった?」
クラスがこの4人のやり取りを見ている中、変な方向に進むと思ったのか矢崎が口を挟む。
「確かに。厨二病が来たからすっかり忘れていたわ」
「そう。ゆうくんに聞けば済むこと!」
「ゆうさんに聞きましょう〜」
「そうですね。それが一番良い解決方法です。ではご主人様に聞いてみましょうか」
「ゆうちゃん どうなの?
「ゆうさん どうなの〜?」
「ゆうくん どう?」
「ご主人様 どうですか?」
「ゆうくんっち どうなのよ?」
美少女が5人が俺の机を取り囲むように集まり、問い詰めてくる。ぐっ、か、可愛い。待て待て矢崎、お前は違うだろ。これ以上増えないでくれ。
「俺はお前らと一回も話したことがないんだが」
そう言うと4人とも目をパチクリさせて、ずっと見つめてくる。
「何言ってるのゆうちゃん?私と昨日、プールに行くからって水着を買いに行ったじゃない?」
「昨日初めてゆうさんの家に行った〜。覚えてないなんてショック〜」
「私はゆうくんと初めてデートに行ったんだから!それで最後には夜景を見ながら、ゆうくんがキ、キ、キスまでしたんだから!覚えているはずなの!」
「昨日はご主人様に夜のお世話をお願いされたので、2人で夜を共にしました。私はその、初めてだったので、、、凄く緊張しました」
こいつらの妄想がどんどん過激的になってきてる。これからどうなってしまうんだろうか?
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