第4話 助ける精神
学校が終わった。今日はバイトもない日だからゆっくり過ごす。とりあえずバイトで稼いだ金でワックに行くとする。ここは結構都会だからすぐ近くにファーストフード店がある。そのファーストフード店の中でも、手頃な価格で尚且つ美味しいのがワックである。
ワックに着き品を注文する。そして眺めのいい席に着く。ここまでがいつもの流れだ。眺めの良い席に行く理由はこの街がただ単純に好きってだけだからだ。人々が歩いてるのを見るだけで心が清々しくなっていく。この感覚が好きだからいつもの様に眺めの良い席に座る。
注文した品が届いたから食べる。とても絶妙な味が更に食欲を高める。今日は多く買っておいて正解だった。
この街を眺めながら食べているとナンパをしているのが見えた。ナンパされているのは服装から見てウチの高校生の様だった。キッパリと断っているように見えたので気持ちいいくらいにキッパリと断られたな。と思い、鼻で笑った。だが、ナンパしたした男達はプルプルと震えた。多分、プライドがズタボロにされたんだ。
とそこでウチの高校生の腕を掴んだ。ウチの高校生は抵抗したが裏路地に連れ込まれたようだ。おいおい、流石にヤバそうだ。
そこで僕は食べ終わり外に出た。スマホを手に取り警察に電話を掛けた。だけど、警察が来る前に襲われそうだったので路地裏まで走った。警察が来るまでに時間を稼ごうと喧嘩を売る事にした。
路地裏を進んで行ったらウチの高校生が乱暴されそうだった。そのウチの高校生は結構美人で八雲美桜に似ていた。怯えていて縮こまっているようだった。
「チッ、バレたか……だが高校生相手だったら大丈夫だろ。逃さないようにしろ。」
「分かった。」
そう言って一人の男が近づいて来た。そしてその男が僕に殴り掛かろうとしたからびっくりして目を閉じながら腕を振りかぶった。そしたら拳に手応えを感じたので目を開けた。僕の拳は相手のお腹に当たっていた。
「うっ……!うぇ……」
クリーンヒットだったそうで苦しそうに倒れ込んだ。すると仲間が倒れ込んだのか残った二人で一気に畳み込もうとこっちに走って来た。そして殴ろうとした。
流石にこれを避けれそうになかったから咄嗟に腕を出し頭を守った。
ポスン……
そんな音が聞こえて目を開ける。そこには僕の腕を殴っていた相手がいた。僕は理解出来なかったが相手に攻撃しようと足を振り上げた。運良くイチモツにクリーンヒットし相手がうずくまった。どうやら今攻撃してきた相手はとても弱かったらしい。相手がうずくまったからもう一人の相手を見れた。だがそのもう一人の相手はガクガクとしていた。
「お、お許しください!!」
「……へ?」
相手がそんな事を言うもんだから変な声が出てしまった。僕そんなに強くないんだけど……
相手は土下座をしていたのでどうしようかと思ってると一人の警官が後ろから出てきた。
「ん?どうなってるんだい?」もしかしてそこに立っている人が犯人?」
「ちっ、違いますよ!」
なんか僕が疑われてしまったが即座に違うと否定した。
あの後、事情聴取をされ解放された僕は家に帰ろうと路地裏から出ようとした。
「あっ、あの!さっきは助けていただいてありがとうございます……」
「ん?あっ、大丈夫ですよ。当たり前の事をやっただけですから」
本当に当たり前の事をやっただけだ。
………でも恩を返さないと納得しなさそうな人だなぁ……
「あっ、自分そろそろ門限なので帰らせていただきますね」
「あ!ちょっと、待ってください!」
「もう時間が無いので〜〜」
嘘をついてしまったけど仕方がない。こういうのは後から面倒になってくるからね!
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