第25話 夜間、戦闘訓練?
「エディオン、ソフィア探索魔法で魔物の数の把握を頼む」
ロッドさんの指示に従って俺とソフィアは探索魔法を使って索敵を行っていく。
数としては先日のゴブリン集落の比ではないくらいに圧倒的に少ない。
全体としては30体でほぼ固まって移動しているので、この魔物使いの能力ではこの数が限界なのだろうと推測する。
「ソフィアどう。俺の感知だと30体だけど」
「はい、それで合っています」
二人で数の確認をしてロッドさんに数を知らせる。
「そうか、ならこの人数でも何とかなりそうだな」と言うと、作戦を考え始めるロッドさん。
すると、今度はロジャーさんが心配そうに声を掛けてきた。
「二人共、夜の戦闘は大丈夫か」
「はい、今夜は月明かりもありますし、対策はしてありますから大丈夫です」
「そうか、なら大丈夫だな」
こちら側で話をしているとロッドさんも考えが纏まったようで皆を集めて作戦を話し始めた。
前線を俺、ロッドさん、ロジャーさんが横並びで受け持つ。
そして、15mほど後方で魔法と短剣が使えるソフィアがすり抜けた魔物を。
更にその5mほど後ろでアリシアさんとクレアさんが魔法と弓で支援をする事に。
「この方法で行こうと思う。いいかな」
全員が頷いて了解の意思を示す。
そして、最後にロッドさんが俺に対して...
「エディオン、出来れば魔物使いをこの機会に捕まえて置きたい生死は問わないから頼んだぞ」と声を掛けてきた。
それに答えるように俺が頷くと...
「では、作戦開始だ」
ロッドさんの合図で、魔物使い率いるゴブリン達との戦闘が始まった。
俺は魔物使いを捕えるミッションもあるので腰の鞘にある剣と更にマジックポーチから女神様謹製のロングソードを手に取って双剣としてゴブリン達に切り掛かった。
横目で二人を見たが難無く切り伏せていたので問題は無いだろうと、俺は左サイドのゴブリンを切り伏せながら先へと急ぐ。
そして林の中へと進んだ処で女神様謹製のロングソード一本にして立ち塞がるゴブリンを倒しながら魔物使いの所を目指して木の間を駆けた。
その頃......。
「エディオンの奴、あっという間に切り伏せながら行っちまったなぁ」
「まぁ、三分の一は倒していってくれたんだから残りは頑張らないとな」
俺とロジャーはエディオンの戦闘力に驚きながらも目の前のゴブリン達に集中する事にした。
そして、終わりが見えてきたころ3m級の上位種のゴブリンが姿を現した。
「こいつは、厄介な奴を従えたもんだな」
俺達で倒し切れるのか...
俺がそう考えた時、後に待機していたクレアから弓矢がゴブリンに向かって放たれた。それによって、こっちには魔法職が二人と弓士が一人まだ残っていた事に気付いたのだった。俺は、戦闘に集中しすぎて仲間の事を忘れていたようだ。
そこからは、五人で力を合わせて上位種の力を削いでいく。
戦法としてはヒット・アンド・アウェイだ。
戦闘を終了するのに30分ほど時間が掛ったが、最後はソフィアが短剣に纏った風の刃で首を切り落として終った。
それから、直ぐにエディオンが怪我もなく帰って来た。
魔物使いの亡骸はマジックバッグに納めているらしく、俺はハミングの街の冒険者ギルドに着くまでは出さないように指示して置いた。
その後は、討伐証明と上位種の魔石を採取すると穴を掘り亡骸を始末する作業を進めた。
「ふぅ~終わりましたね」
「何とかな。もうすぐ夜明けだが少しは仮眠を取る事にしよう」
◇◇◇◇◇
ハミングの街に着くまでの残りの行程は盗賊も出ることもなく無事に街へと入ることが出来た。
朝の開門と同時に街へと入ると、先ずはジェシカさんを商業ギルドまで護衛して行き、その後俺達は冒険者ギルドへとやって来た。
「済まない、Bランクパーティー『暴風の盾』のリーダー、ロッドだがギルド長と話がしたい」
「はい、畏まりました。少々お待ちください」
受付嬢が急いで2階へと階段を上がっていく。
すると直ぐに階段を下りてきて、ギルド長室へと案内された。
俺達が室内に入ると、直ぐに座る様に促されたのでソファへと腰を下ろした。
「久しぶりだなロッド、急に如何したんだ」
「来る途中で魔物使いに襲われたから倒してきた」
ガタッと椅子から立ち上がるギルド長。
その顔には驚きの表情が見て取れた。
「本当か‼」
「あぁ、噓を言ってどうする」
「そうか、やっとか」
「ただ安心するのはまだ早いぞ、一人倒しただけだからな」
「それもそうか。だが一人減るだけでもギルドは助かる」
話を聞いているとまだ複数の魔物使いがいる様子だった。
正しい方向に使って欲しいと思いながら、俺は残りの話をソファに座り聞いていた。
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