スポーツ大会

〜 杏那サイド 〜



「杏那ちゃん!」


「あ、美奈。おはよう。」


「昨日、ゼミだったんでしょ?お疲れ〜。」


「ありがと。」


「そう言えば、今日なんの競技でるの?」


「全部だよ。」


「え、やば。」


「人数足りないらしい。」


「へー、大変だね。あ、雄太くんだ。」


「杏那、美奈、おはよ。」


「おはよ。」


「雄太くんはなに出る?」


「ドッチボールとサッカーだよ。美奈は?」


「私はバレーだけ。杏那ちゃんは全部出るらしいよ。」


「え、マジかよ。お前、なんでもできるもんな。」


「別に、そういうわけじゃないよ。人数不足なだけ。」



雄太くん、サッカーできるんだ。 

見に行こうと。サッカーできるってかっこいいなぁ。

あ。次、長距離走だ。行かなきゃ。


「杏那!頑張れよ。」


「あ、晃。ジャージ持ってて。」


「おう、絶対に1位とってこい。」


「頑張るよーん。笑笑」




あ、雄太だ。多分自分のクラスを応援しにきたんだろうな。


" 位置について、よーい。スタート! "


1500mだから、最初の方はついて行こう。


よし、半分切った。ここからペースアップ。でも、まだ1位までは行かなくていいや。


残り、300m。いっきに抜きまーす。


「杏那っ!」


え、雄太?あんた敵を応援してどーする。

でも、正直に応援してもらえて嬉しい。


" ゴール! 1位は2位と大差をつけてゴール! "


「杏那、お疲れ。カッコ良かったよ。」


「ありがとう、晃。」



あれ、雄太がいない。まぁ、いっか。

二階に行って休んでよ。



「杏那、お疲れ。」


「え、雄太。どうしてここに?」


「いや、普通にこれから結構暇だから。」


「そっか。」


「杏那、1位すごいな。」



「あー、また二人で一緒にいるー。俺も混ぜてよー。」


「謙太郎先輩!こんにちは。一緒に話しましょう。」


「ありがと。てか、二人って付き合ってんの?」


「え、付き合ってないですよー。笑笑」


「えー、でも両想いでしょ?どうせー 笑笑」


「えー、そんなことないですって。雄太、別に私のこと好きじゃないもんね?」


「え、あぁ。う、うん。まぁ...」


「ほらね?先輩、好きじゃないそうですよ。」


「へーそうなんだ、じゃ俺も杏那のこと狙えるわけか。なんてな、冗談冗談。んじゃ、俺行くわ。ごゆっくりー。」



やっぱ雄太、私のことなんて好きじゃなかったじゃん。なんか期待しちゃった。

私なんて絶対ありえないよね。少し考えればわかるのに、なに期待してたんだろう。馬鹿みたい。


「私、次の競技行ってくるね。じゃね。」


「あ、うん。頑張って。」



あぁぁぁああ。なんで、急にこんなに冷たく接しちゃったんだろう。もうやだ。恋って叶わないもんなんだな。





あーあ、バスケってやっぱチーム戦だよなぁ。私の悪いところだよ、いつも一人で突っ走っちゃってみんなのこと見れないの。もう、今日は不調だなぁ。トイレでもいこ。


「あ、美奈。お疲れー。」


「杏那ちゃん、長距離1位だったんだってね。おめでとう!」


「あ、うん。ありがとう。」


「杏那ちゃん、元気ない?」


「そんなことないよ、全然大丈夫。」


「あ、そういばね。雄太くんあんなちゃんのこと好きみたいだよ?」


「え。えぇぇぇぇえええ!? そ、そんなことないって。」


「本人から聞いてるから、雄太くん1ヶ月くらい告るのをチキってるんだよね。」


「いや、んなわけ。」


「いや、本当にガチでよ。あいつ、へたれだよね。でも、杏那ちゃんにはベタ惚れ。♡」


「いや、待って。でもさっき好きじゃないよね?って聞いたら好きじゃないって言われたよ。」


「あー、あの話?雄太くんがさっき相談してきたんだよね。さっき好きなのに好きじゃないとか言っちゃったって。」


「う、嘘。」


「だから、自信もちな。両思いだからね。」


「う、うん。」


「じゃね。」




え、うそ。雄太が私のこと好き?ありえないよ。嬉しすぎ。でも、好きってわかってても自分から告るのは無理。どうすればいいの。






「はい、明日と明後日は休みだから今日の疲れをしっかりとること。じゃ、解散。」



あー、明日と明後日は雄太に会えないのか。

てか、明後日は英検じゃん。マジで、だるーい。



「杏那。」


「え、雄太。どうしたの?」


「いや、この後はなんかあったりする?」


「いや、このまま帰る予定だけど。」


「よかったら、一緒に帰らない?」


「え、い、いいよ?」


うそ、なんで。駅違うよね?まさか、、、告白?

んなことあるかい!馬鹿か、私は。そんなことないですー。わかりましたか?杏那さん。と、自分に言い聞かせる。


「駅、違うよね。どうする?」


「あ、俺そっちからも帰れるし。そっちから行くよ。」


「あ、おっけ。」



待って、なんか今日気まずい?

もう、駅着きましたけど。なんかおかしい?


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