今日こそ

「うぉぉぉぉぉぉおおい。どぉぉぉぉおしてだよぉぉぉぉ。」


「ごめんなさいっ。あまりの可愛さと満足いただけたという嬉しさで....」


「問答無用。今日、告りなさい。」


「いつ」


「今」


「は?授業中」


「じゃ、放課後」


「マジか。」





放課後



「雄太ー。おいでー。」


「んだよ、きもいぞ凛太朗。」


「チキったお前に言われる筋合いはない。」


「雄太くん!告らなかったの?なんで?」


「ちょ、美奈っ聞こえちゃうって。」


「あ、ごめん。じゃ廊下で話そっか。」


「あー、そうだな。行こーぜ、凛太朗。」



「で、なんで言わなかったの?」


「あまりの可愛さと満足してもらった嬉しさで言えなかったとよ。乙女か。惚気か。」


「はい、そういうことです。」


「えー、杏那ちゃんどんな格好だった?いーなー、私もマドンナ杏那ちゃんとデートしてみたーい。」


「じゃ、今日だね。」


「でも、言おうとしても心臓がはちきれそうで言葉が出てこない。」


「そんだけ好きなんだよ。」


バタバタ.... バタバタ....


「杏那ちゃんだ!雄太くんが言いたいことあるみたいだからちょといい?」


「おい、勝手に...」


「ごめんっ、これからゼミで大学行かなきゃいけないんだけど。明日でも大丈夫?」


「おーい、杏那。急げ、行くぞっ。」


「ごめん。今行くー、晃。」




「あぁ、これは晃くんに取られちゃうかもね。」


「晃くん、かっこいいしモテるもんね。」


「どーすんだよ、雄太。」


「なんて言えばいいんだよ。」


「好きです、付き合ってください。シンプルでいいだろ。」


「そんなストレートに言えねーよ。」


「じゃ、ここはロマンティックに英語で。I love you 的な?」


「いや、もっと無理。フラれたときに辛い。」


「まぁ、明日だな。」


「明日、スポーツ大会でしょ?かっこいいとこ見せてからの告白。はい完璧。」


「わっかたよ、明日こそ告る。」


「てか、杏那ちゃんいなくなってから静かじゃない?」


「寂しんだろ?な?雄太」


「うっせーな。寂しかったら悪いかよ。」


「うわー、雄太くん可愛すぎ。」


明日、必ず告ってやる。それで絶対に俺のものにする。晃になんか渡すかよ。

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