第7話<暗躍する二人>

「息子さんは霧島知里と出会いましたよ。神崎博士」


 神崎弘はスピーカー越しに青年の声を聞く。


「そうか。あぁこれでプランを始動させられる。君も小学校からよく頑張ってくれた。そして、霧島知里への誘導も見事だった」


 彼は長い間、私の綿密なプラン始動までの経路を作ってくれた。私はパソコンをいじりながら、彼を称賛した。


「いえいえ。親の言いつけなので、博士のプランの為なら何でもしますよ」


「そうか。ありがとう。では、切るぞ」


「はい。それでは」


 電話を切り、


「彼も哀れな操り人形だな」


 と私はスマートフォンを机に置いた。我が計画に抜かりはない。


「さあ、プラン開始だ」


 エンターキーを押すと、画面に計画の全容が芋づる式に羅列されていく。結末を決めるのはお前だ、幸。

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