禁煙車
どしゅう大`
第1話
「こちらがどんな人でも禁煙できるクルマです」
「へー、どんな仕組み?」
「タバコの火を検知すると、キャビンに水素を送り込んで火を消すんです」
「それ爆発するだろ! 死ぬぞ!?」
「お客様、水素が燃えると水が出来ますよね? 水で火は消せるじゃないですか」
「なるほどな。試していいか?」
「どうぞどうぞ」
「あんたも一緒に乗って使い方教えてくれよ」
「いいですとも」
「あんたはタバコ吸わないのか?」
「昔はヘビースモーカーでした」
「今は吸ってないんだ」
「お陰様で」
「まさかこのクルマのお陰で禁煙できたとか?」
「よくお分かりですね」
「え、マジで禁煙できるのこのクルマ」
「できますよ」
「あんたよく無事だったな」
「お陰様で」
「ふーん……なら俺も試して大丈夫か」
「どうぞどうぞ」
シュボッ
スーッ
「ふう……何も起きないけど、これからか?」
「変ですね。ちょっとクルマを降りて調べてきます」
「じゃあ俺も降りる」
「お客様は中に居て下さい」
「中は危ねえじゃん」
「禁煙機能はクルマの中で意味があるんですよ」
「だって中は爆発するんだろ」
「しますね」
「知れっと言うな」
「お客様は中でタバコを吸っておられればいいのです」
「嫌だ、死にたくねえわ」
「ではどうしてこのクルマの禁煙機能を試そうとしたのですか?」
「興味本位だよ」
「タバコの為に死にたくないんですよね?」
「当たり前だろ!」
「ならタバコをおやめになればよろしいのです」
禁煙車 どしゅう大` @dosyudog
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます