童貞の方がアドバンテージを取れている

 第一回からかなり時間が空いたのは、童貞が非童貞より優れているというのを示すのに、詭弁を用いるのが非常に困難だったからだ。見方によっては普通に童貞という選択肢も、十分あり得ると筆者は感じてしまう。

 ここで書くことは、安全な献血対象とか性病にかかるリスクがないとか、そんなちゃちなことではない。タイトルが詭弁風な戯言な以上、大げさなことを書かなければならない。


 タイトルにしたように、童貞が如何に非童貞よりアドバンテージを取れているか、まず第一に選択肢があげられる。もっとも単純な言い方をすると、童貞は何時でも童貞を捨てる捨てないの選択が出来るが、非童貞は二度と童貞を捨てることも童貞に戻ることも出来ないのだ。

 若いころは勉強をして将来の選択肢を増やしなさいと、教師や親に耳にたこが出来るくらいに言われた読者なら当然納得できるだろうが、童貞を捨てる捨てないで選択肢が多い童貞の方が、非童貞よりアドバンテージを取れているわけである。


 特にこの童貞を捨てられる捨てられないは大きい。例えば、性交渉経験者のみを殺す新ウイルスが蔓延した場合、生き残れるのは童貞のみである。童貞のみを殺す新ウイルスが流行れば、童貞を捨てればいいだけだから、童貞は非童貞より圧倒的にリスクが少なく、アドバンテージを取れている。


 次に希少性。いい歳して童貞だと引かれるなんてこともあるようだが、それはいい歳して童貞な男が少ないからに他ならない。しかし、いくら引かれようがこの世において希少性というのは価値なのである。人工ダイヤモンドより天然ダイヤモンドの方が価値が高いのは、言わずもがな天然の方が希少だからだ。

 つまり、いい歳して童貞の男に対して引くような輩は「天然ダイヤモンドなんて高いものをわざわざ買うなんて気が知れない。人工ダイヤモンドの方が安くていいのに」という考えの人で、そんなものは別に無視して構わない。

 また童貞には引いて、人口より天然ダイヤを求める人は矛盾している。この矛盾に気付けない人は論理的思考が出来ていないので、こういう人の言う事は全て無根拠、これも無視して構わない。


 だが、それでも「童貞は天然ダイヤモンドとは違う。無価値だ」という人間がまだ居るかもしれない。一体ここまで何を読んできたのか。ここで私は似たような存在の処女を取り上げたい。

 処女というのはまだ経験のない女のことだが、これはある種幻想的な信仰の対象になっている分、一部で人気があり社会的に許されているかのような雰囲気がある。しかし、これは全くの間違いで、寧ろ童貞よりも無価値なものだと断言する。

 それは何故か。処女だと基本初体験では痛がって真面に出来ないとか、血を見た男が萎えるとかいうことが起こるが、童貞は初体験だろうがそのようなことは起きない。確かに機能するしないの問題はあるかもしれない。

 しかし、それは個人差。非童貞もかつては上手く行かなかったかもしれない、つまりこれは童貞に問題があるのではない。そして処女のそれは、ほとんどの人がそうなるので比較にならない。童貞の方が勝る。(直接表現を避けたら分かり辛い!)


 また、需要の話をすれば童貞は処女に負けていないはずだ。少なくとも筆者(男)は処女を求めていないし、私が書く小説に登場する女性は童貞を歓迎している。冗談はさて置き、実際、童貞需要はそれなりにあるものだ。(具体的データなし)


 また別の切り口。童貞は女に声をかけたりするのを、恐れるから童貞のままだと思われがちだ。ここではそれが正しいものとして考えてみよう。

 この恐怖心を持つことは全く持って問題が無い。何故なら自然界なのでは好奇心の強い個体ほど死にやすい。臆病な正確な個体は天敵との遭遇を避け、長生きしやすいのだ。

 人間で言えば、休日に嫌いな人間や教師、上司と会わずに済むとか、川の近くでキャンプしないとか、キャッチセールスや美人局に引っかからずに済むという利点がある。つまり童貞の方が、非童貞より安全に長生き出来る確率がうんと高いのだ。


 また、童貞でいることは精神的に強くなれる。童貞を他人から弄られ、それを耐え続けた童貞たちは、非童貞より遥かにタフな精神を持っている。非童貞は童貞に対しマントを取り、根拠のない自信を持ち童貞を見下し、驕り高ぶるが、その油断は彼らの弱点で、童貞たちはその負い目から決して油断をしないので、足をすくわれることが無い。童貞の方が非童貞より精神力に勝るのだ。



 如何だっただろうか。上記の様に童貞は非童貞に比べ、選択肢、希少性、需要、生存力、精神力で勝ることが分かる。六個もだ。これをアドバンテージが取れていると言わず、何と言うのか。


 最後に、今回は下ネタっぽくなって申し訳ない。また、前回に比べて詭弁度、屁理屈度が下がってしまった感がある。クオリティ向上に努めます。

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