第175話 学校の先生が辛い
今日の患者は黒岩賢行35歳である。
渋沢吾郎:どうしましたか?
黒岩賢行:私は35歳、独身男性です。毎日、生きていることが辛くて仕方ありません。過去に、似たような悩みがありました。学校の先生の相談でした。私も教員をやっており、似たような思いを抱いています。仕事は、業務量も多く、責任も重い。
学校の先生なんだから、と何故か特別視され、その一方で、何かあれば学校が悪い、教員が悪いと言われ、かといって、指導しないと職務怠慢となり、リスクだらけです。残業代もありません。どれだけ頑張っても、1円の価値もないんだ、と思い知らされます。休職したらいい、と言われても、他の人が出来ていることが自分にできない、情けないです。自分の無力さと無価値感を、常に感じ、生きていることが辛くなります。転職も、選ばなければあると思います。でも、これまで必死に頑張ってきました。それが、何も評価されず、無駄な10年を、過ごしてきたのか、と思うと、これもまた情けなくなります。今より楽で、収入も得られる仕事があれば、と思いますが、そんなに甘くはないと思います。生きていたって、何の希望もありません。生きていることが一番苦痛です。早く終わって欲しいです。終わらせる勇気が欲しいです。
渋沢吾郎:まあ、そんなにネガティブにならずに収入があってあなたにとって合ってている職業はまだあるじゃないですか?
黒岩賢行:それはなんですか
渋沢吾郎:塾です。試してみましたか?後、人生やってきたことに無駄はありません。それをどう生かそうと考えてみましたか?
黒岩賢行:しかし、学校の先生は向いていないのでしょうか。
渋沢吾郎:今更それを考えるのは違うのでは?早く終わらせたいとまで考えていたぐらいではないですか?
黒岩賢行:では、何をしたらいいのでしょうか。
渋沢吾郎:だから塾です。やってみましたか?
黒岩賢行:まだですが。
渋沢吾郎:塾ならば、収入は働いた分だけありますし、貴方の得意分野ではないですか?
黒岩賢行:私の発想がいたらなかったです。塾講師をやってみようと思います。
と、黒岩賢行は帰って行った。
そして夜、吾郎は清子と話した。
渋沢吾郎:なんか世の中頭が固い人間ばかりになってきたな。
渋沢清子:柔軟に考えればいいのにね。
渋沢吾郎:EQが必要だな。本当に。
渋沢清子:じゃあ、今日もベットのEQやる?
渋沢吾郎:清子も好きだね。
と、今日も吾郎と清子はドリームナイトを過ごした。
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