第173話 ダメ人間
今度の患者は熊本典夫23歳である。
渋沢吾郎:どうしましたか?
熊本典夫:自分はダメ人間。頑張ろうとしない、やる気を出さない、努力をせずそこそこで生きてる。みんな頑張ってる真面目に仕事してるサボってない。夢があってそれに向かって努力してる。すごい。自分は何もしてない。何もする気も起きない。自分の良さが分からない。頑張りたくない。どうしてみんな頑張れるの?すごい。迷惑かけてるんだろうなって思う。お荷物かも。みんな凄いよ。自分は何もできません。
渋沢吾郎:それは、生き甲斐がないからではないでしょうか?生きることは楽しくないと思っているでしょう。
熊本典夫:はい。その通りです。
渋沢吾郎:また、何かの役に立ちたいとは思っていますか?
熊本典夫:思っていません。
渋沢吾郎:みんなが頑張れる理由はいろいろありますが、何か守るものがあるからです。それは他人だけではありません。自分を守ることも含みます。
熊本典夫:自分は守るものがないからか。確かにそうかもしれません。
渋沢吾郎:ただ、貴方は無気力になっている感じがします。こういう場合、何もしないことろから何かを見つけるしかないですね。自分にとって大事な何かを見つけたときあなたの人生はうまくいくんではないでしょうか。
熊本典夫:なるほど。
渋沢吾郎:人生には決まったルートなんてありません。人生は常識ばかりではありません。逆に常識じゃないからうまくいっている人もいます。要は考え方です。これから大事な何かを見つけることから始めませんか?
熊本典夫:なるほど。わかりました。ありがとうございます。
と、熊本典夫は帰っていた。
今日は清子は夜はいなかったので、1人でビールを飲んで寝た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます