第112話 人生終わらせたい

 今度の患者は早乙女沙紀20歳である。

渋沢吾郎:どうしましたか?

早乙女沙紀:終わりのないことを終わらせるために死ぬのは間違ってますか。やりたいことも、将来の夢もあるのに、それでも今はどうしても終わらせたいという気持ちが強いです。終わらせる方法が他に思いつきません。色んな人に迷惑かけることもわかっているのにそれすら今はどうでもいいです。どうしたらいいのかもうわかりません。自分勝手でごめんなさい。

渋沢吾郎:なんか人生辛そうですね。どのように辛いのですか?

早乙女沙紀:生きること自体です。

渋沢吾郎:喜びがないというわけですね。

早乙女沙紀:確かにないです。

渋沢吾郎:いじめはありますか?

早乙女沙紀:あります。それに、もう自分はここで終わってもいいのではないかと思います。

渋沢吾郎:私は、終わることを考えるりも、生きる事を考えた方がいいと思います。せっかく生きているんだから、どうやったら喜びの世界がやってくるかを考えた方がいいと思います。

早乙女沙紀:では、何をやったらいいですか?

渋沢吾郎:好きなこと、やりたいことをやったらいいと思います。夢があるんですよね。それに向かって生きるのも悪くはないと思います。人間苦労はつきものです。なかなか認められない人もいます。人生我慢する時間が必要な時もあります。今のあなたは我慢をする時間なんでしょう。そして、その間に実力を着実につけることが大事だと思います。どうですか?

早乙女沙紀:ありがとうございます。なんか、生きる気が出てきました。

渋沢吾郎:それはよかったですね。では、もういいですね。

早乙女沙紀:はい。

 と、早乙女沙紀は何かを思いついたように帰っていった。

 夜、吾郎は清子と話した。

渋沢吾郎:なあ、清子。人間認められないと人生終わりたくなるものだな。

渋沢清子:でも、沙紀さんよく立ち直ったね。

渋沢吾郎:やりたい夢をもう一度やってみようとでも思ったんじゃないかなあ。

渋沢清子:でも、あなたの励まし方は真似できないね。

渋沢吾郎:まあな。

渋沢清子:でも、あなたの愛情をいっぱいもらえる私は幸せ者だね。

渋沢吾郎:俺も、幸せだ。

渋沢清子:じゃあ、今日もさらに幸せになろうよ。

渋沢吾郎:また気持ちよくなりたいよな。

 と、今日の吾郎と清子はドリームナイトを過ごした。

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