第73話 どっちも大事にしたい
次の患者は小野友子17歳である。
渋沢吾郎:どうしましたか?
小野友子:私、失恋から立ち直れないんです。
渋沢吾郎:失恋ですか。
小野友子:友達に取られたというか。
渋沢吾郎:なるほど。友達と恋人を同時に取られた感じですね。
小野友子:はい。ですけど、私は友達も好きな人も大事にしたいんです。
渋沢吾郎:それですと、友達が友子さんの恋人を奪われると思うでしょう。
小野友子:そうですか。やっぱり駄目ですか・・・。
渋沢吾郎:でも、あなたは恋愛運は強いみたいですよ。
小野友子:先生は占い師ですか?
渋沢吾郎:そう考えても、いいです。
小野友子:で、どうやったら友達も恋人も取り戻せますか?
渋沢吾郎:それでしたら、友達と恋人の関係が悪くなるしかありませんが、そうすればあなたの信念とは違う気がします。これは諦めてください。この二人にいつも見守っているよ、この二人の関係は認めるから、それでも私の友達でいてください。というしかないですね。
小野友子:そうですね。友達でいるにはそうするしかないですね。
渋沢吾郎:ですが、あなたに合った恋人は別にいる気がします。出逢いというものは一生のうちで何回もあります。ですので、その出逢いのきっかけに自分のものにしてください。
小野友子:別の出逢いですか?
渋沢吾郎:はい。
小野友子:わかりました。新しい出逢いを見つけようと思います。
渋沢吾郎:それでは今日はこれでいいですね。
小野友子:ではいいですね。
渋沢吾郎:はい。ありがとうございます。
と、小野友子の診察は終わった。
そして夜、吾郎は清子と話した。
渋沢吾郎:なあ、清子。恋愛ってどう思う?
渋沢清子:そうね。私の高校の時はみんな純粋だったよね。
渋沢吾郎:俺は恋愛の仕方がいまいちわからなかった。
渋沢清子:そうよね。私もルールが結構大変だったわね。
渋沢吾郎:だよな。俺も人間関係には気を使った。
渋沢清子:私も金を使ったけど、恋愛はお互いがいいと決めた人で結ばれるのがいいよね。
渋沢吾郎:後は、条件が合うとか、支えになったとか、勇気をくれたとか・・・。
渋沢清子:そうだよね。で、一番重要なのは幸せになることよね。
渋沢吾郎:清子。愛しているよ。毎日大変だけどな。
渋沢清子:私も、大変な時こそ支えなきゃね。
と、今日の夜も吾郎と清子はドリームナイトを過ごした。
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