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 わたくしと共に在ってくれた友人が居ました。

 わたくしを妹と呼び、慈しむ女が居ました。

 わたくしを先輩と呼び、慕ってくれる小鳥たちが居ました。

 けれどもわたくしにとって彼女たちは不要でした。

 わたくしに必要だったのは、たった一人の彼女だけ。

 ですがわたくしは、その彼女が傷つく様を見たくなくて、

 彼女が受け入れてしまう様を見たくなくて、

 わたくしは愚かにも、逃げ出すことを選んでしまったのです。


 冷たい水に身体を沈めて、わたくしはゆっくりと明けの空を見上げます。

 さようなら、さようなら。

 わたくしの愛すべき人。

 さようなら、さようなら。

 わたくしを救ってくれた、名も知れぬ人。


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