第16話 わからない
ついに斎藤が学校を休んだ。ホームルームでいじめをした人がどうなったのか話したのは間違いだったのだろうか。担任として、クラスを良くしたい。1人1人を大切にしたい。いじめがあったことを見抜けなかったことに後悔があった。自分と同じ思いを生徒にさせたことが悔しかった。自分なりの言葉で皆に伝えられた気がしていた。だが、答えの出ていないいじめをした人の話は斎藤を苦しめるきっかけづくりになってしまったのかもしれない。いじめをした人と仲良くしたくない気持ちもわかる。だからこそ、仲良くしてやれという以外の方法が見つからない。斎藤も私の生徒だ。彼を助ける方法はないのだろうか。斎藤が鈴木に謝れば少しは違った周りの反応があるはずだが、それが彼にはできないようだ。彼が鈴木に謝れる方法を考えてあげて、斎藤の居場所をクラスに作ってやりたい。
「先生、ちょっといいですか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます