第7話 ちょっと脱線

スナックには約7年間在籍していた。


頭が油臭い25歳の女はある程度お水の花道で受け入れられるくらいのスキルを学習し、32歳で卒業した。


30歳を過ぎたら心身ともにメタメタになってきた。


私には無理だった。



20、30、40、50、60、70、80歳、何歳だって、現役で働いている人たちはすごい。


内臓と精神が強靭でなければ、毎日大なり小なりの酒を飲んだり、お客さんから男女問わず多種多様な気持ちを受け取る事は本当に大変だ。

今はわかった気になれるが、ニート時代はわからなかった。


私にとって在籍していたスナックは、ハーバード大学だ。



卒業するのに時間はかかったけど、たくさんの優秀な教授に囲まれて、教育をたっぷり浴びて育ててもらった。

いまでも交流のある教授もいるし、二度と会わない人もいる。



私は最高級の教育を受けた。

退職後、色々な場面で実感する。



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