《閑話》鳥籠
秘密で会っていた好きな子がいた。
でも、結婚できるとは思っていなかった。
父が家を出て行き、母さんの癇癪が激しくなってて、そんな家じゃ不幸にしかできないから…
" "
貴方と会っていた事がお母様に知られて しまいました。
私じゃない人といつかは結婚するとわかっていました。それでも最後のわがままを許してもらえるなら、ラビの口から別れの言葉を聞きたかった。
さようなら
" "
母さんが何かしたのだろうとすぐに悟った。
彼女は家族そろって消えてしまった。
探したけど見つけられなくて
彼女を傷つけてしまった事に何度も、何度も後悔して、自分を責め続けてきた
でも、逃げ出せない
だって、母さんには俺しかいないから…
海上の都市 ジグラル
レイン王国の都市の一つで、小さな島にカジノなどの娯楽施設や、レイン王国唯一の他国との交流のできる商業都市として栄えてきた。だが、この島はいくつか問題を抱えている。その一つが闇取引だ。
島の裏側、観光客の来ないスラム街には異国から極秘で連れてこられた異国の民達が溢れている。そしてそこでは殺人や人身売買など当たり前で、法なんてものは存在しない。だから、島の騎士達も手をつけられないダークーゾーンだ。
そして、俺は、この島に何人かいる大貴族の当主の一人で、騎士団で一応、法などを担当する係長として働いている。だが、ダークゾーンには手をつけられない上に、上司にさんざんこき使われ、家にいても、パーティー好きで、お金を次から次に使う上に、自分の言う事をきかないと癇癪を起こしてしまう母への対応に困り、気がおさまる事も出来ない生活を送っている。
本当は、この島から出て、何処か気の休まる所に全てを捨てて逃げたい。
でも、弱虫の僕には何も出来ない。
「兄さん…」
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