冒険者達は盗賊団のアジトを捜索する
アップルR-12を出発したエアル達は、黒影隊の被害があった地域を重点的に探して黒影隊が拠点としているアジトを探す事に決めた。
「あっちだ、あっちで何人も殺されている。」
ドロシーが黒影隊の襲撃があった街道の休憩所を指さす。
休憩所にはまだ被害者の血痕が付いていた…。
「マーシャ…祈りをささげてくれないか?」
「はい、エアルさん…」
マーシャが祈りをささげていくと、エアルが小さくつぶやいた。
「必ず、敵を討つ。その上でできれば…」
しかし、肝心のアジトの場所はわからなくては探しようがない。黒影隊のメンバーの1人でも捕らえられたら…そんな事を思っていた矢先、ふいに誰かの声がした。
『奴らのアジトなら、ここから東に少し行った先だ。』
「「「「「「!?」」」」」」」
誰かの声に動揺するエアル達六人。
そして、明らかに何者かの気配を感じる…一人だけでなく…何人も!?
『俺達からも改めて頼む。俺達のご先祖様のかたみを取り戻してくれよ…』
低い男の声が聞こえた。
『無事取り戻せたら、あたし達からも少しだけお礼しちゃおっかなー…』
高い可愛らしい小さな女の子の声がした。
「待ってくれ!?君達は…もしかして!?」
サムソンが呼びかけるが、それを最後に声は途絶えた…。
「サムソン…とにかく、今は言われた事を信じて、あっちの方に向かうしかない」
スズネが優しく呼びかけた。
「確か、あっちの方は草原と…深い森の所ですよ?」
エリスが説明した。
「…
一行はドロシーを先頭に草原を抜けて森へと深く入っていった…。
ドロシーは
「まあ、殴り合いは苦手だけれど、こういうのはあたし達の得意分野さ!!」
ドロシーは自慢げに言う。
そして、エアル達が半刻ほど森をかき分けて歩いたと思った時、黒影隊のアジトらしき洞窟の入り口にたどり着いた。
洞窟には見張りの盗賊が2人立っていた。
「見張りがいるのか…気づかれたら厄介だぞ…」
エアルが警戒する。
「大丈夫、ここはわたし達に任せて。」
エリスはそう言うと、以前ローゼンに作ってもらった弓を取り出し、矢を番える。
そして、盗賊に狙いを定めて…矢を放った。
「うっ…!!」
矢は盗賊の1人の足首に刺さった。
「おい…どうし…」
もう1人の盗賊が駆け寄った所をドロシーが抑え込み、素手で首の裏を叩いて気絶させた。
こうして、エリスとドロシーは洞窟にいる盗賊達に気づかれずに見張りを制圧した。
「矢に塗っていたのは魔法の眠り薬か…ヴェルデーアに作らせたな。」
サムソンは薬の匂いを嗅いで、全ての作戦を察した。
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