鍛冶屋は剣を作り出す

エアル達が、ローゼンとヴェルデ―アを救出してアップルR-12に戻った翌日。


碧眼と少し長めの金髪、そして鍛えられた身体が特徴的な鍛冶屋の青年ローゼンは、闇の武闘家から救出されて、ようやくアップルR-12の5番街の自分の店に帰って来ていた。

そして、ローゼンは昨日予め、武器を作る為に使える鉱石やいらない武具などを持ち寄るようエアルに伝えており、エアルは1人でローゼンの店に来ていた。


「今回は俺からの俺の救出の報酬って、事で…ただで作るよ」

「じゃあ、これで長剣を作ってくれ」

エアルはそう言って闇の職人達が作った武具を幾つか差し出した…。

「へぇ…よく持っていたね。こんなもの」

驚くローゼン。

「さすがに、捨てるのも、もったいないし、何より誰かの手に渡って悪用されても面倒だからな」

「ははは…わかるわかる」

そう2人は談笑ムードだったが…


「だけれどね、真面目な話をしようか、エアル」

ローゼンは真剣な表情でエアルの顔を見つめる。

「俺の師匠の言葉だけれど、武具の出来不出来には作る側の人間性が出るからね。闇の職人みたいに匪賊に武器を流すような志なき職人が作った武具は、絶対に使い物になんかならない。確かに、これらの武器を材料として差し出したのは、間違いじゃあない」

そんなローゼンの言葉を聞いて、エアルは思った…。

(前にマーシャが俺に言ったのと同じ言葉…マーシャもローゼンの師匠に縁があったのだろうか?)

「話がそれちゃったね。さて、この武具を溶かして、君の剣を作ろうか」


そう言うと、ローゼンは差し出された武具を溶鉱炉で溶かし、それらを溶かした熱い鉄を鍛える鍛冶作業を始めた。

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