幕間-冒険者達は闇の武闘家の話をする
エアルとマーシャが外道術師クリスを捕らえて数日後の
威圧的なゴロツキのような男、筋骨隆々の大男、ガイコツのような細身の男、魔法使いらしく杖を持つローブを纏った青年や老人、剣を腰に下げた青年、団子鼻の神官風の男…何十人かの冒険者達は手ごろな依頼も無く、エアルとマーシャが初めて出会った日と同じように、飲み物のカップを片手に談笑にふけっていた。
「まさか腕っぷししか取り柄の無い野郎が依頼を成功させるとはねぇ…」
「へっ…ほとんどあの姉ちゃんの力で…でも無さそうだな」
あれから数日、冒険者達が様子を見る限りエアルはマーシャとパーティを組んでいないどころか、お互いに会ってもいない。
エアル1人か他の冒険者達と組んで日々の依頼をこなしていた。
マーシャの方は、エアルの前や
「そういやあ、あいつが捕らえた外道術師とその手下の匪賊達はどうなるんだろうな?」
「ああ、最近は主に自首あるいは出頭してきた者や、積極的に関与していた訳じゃない者。騙されてきた者が多いが…明確な更生の意思がある者はボランティアや社会復帰の為の労働を条件に、短期の更生期間で恩赦を与える仕組みもあるしな。」
そして、冒険者達の視線はエアルとエアルと今一緒にいる魔術師風の青年と、辮髪の武闘家風の少女の方に集まった。
「あの『闇の武闘家』なる集団から逃げてきたって、辮髪の武闘家風の女なんかがまさにそれだからな。」
『闇の武闘家』
男女問わず頭髪を辮髪にして過酷な修行に挑む武闘家集団。
一人前となった者は圧倒的な強さを誇るが、その修行の中で命を失う者が大勢出た。さらに、それを闇に隠蔽しようとする行為が発覚。結果、流派自体が指名手配となっている。
それに加えて、匪賊やテロリストへの加担や、暗殺や強盗などの犯罪への関与などの余罪の噂も絶えなかった。
そこまで誰かが言うと、しばらく沈黙が続いたが、そのうち誰かが何かを決意したような声で言い出した。
「報酬は参加した奴らで山分けで良い!何人かの纏まった人数で挑めば…たぶん、何とかなる!闇の武闘家を捕まえよう!」
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