第432話 12月24日(土)クリスマスライブその7

 次は雪絵ちゃんの番なんだ。雪絵ちゃんは、10月1日に出会った中村三成と一緒に舞台に出た。

小山:三成さんすいません。コントなんて頼んで。

中村:なんかおもろいことを言わなきゃいけないんだよね。

小山:それがコントですからね。

中村:じゃあ、雪絵ちゃん。クリスマスプレゼントに買って欲しいものは何?

小山:彼氏。

中村:彼氏を買うの?

小山:買うというより飼うかな。

中村:でも、それはお金じゃ買えないよ。ハートだよ。

小山:じゃあ、三成さんに200万円上げるって言ったらどうする。

中村:彼氏になろうかなあ。なんてね。

小山:三成さんもお金には弱いじゃないですか。

中村:みんなお金には弱いからね。

小山:でも、私は、お金でつられる彼氏はいやです。

中村:さっきのは俺は試されたのか?

小山:なんで、ダメかと言えば、そういう彼氏はお金で取られる可能性があるからです。

中村:雪絵ちゃんしっかりしてるね。

小山:三成さん。私彼氏が欲しいの。条件を満たせばだれでもいいの。

中村:どんな条件?

小山:頭がよくて、お金があって、スポーツ万能で、明るくて、優しくて、って言う男の子。

中村:それって、誰でもいいとは言えないよね。

小山:だから、条件を満たせばなんです。

中村:僕は条件満たしてる?

小山:三成さんお金ある?

中村:1万円ぐらいかな。

小山:じゃあ、条件満たしているかな。

中村:安いね。

小山:でも、それは他の条件が合っていれば1万円でいいという意味です。

中村:1万円って月1万?

小山:1日1万です。

中村:高い。

小山:冗談です。

中村:で、他の条件は?

小山:頭がいい。

中村:俺は将棋7段だよ。

小山:でも、私に負けたじゃないですか?

中村:じゃあ、テストは90点。

小山:まあまあですね。

中村:もしかして雪絵ちゃんって我がまま?

小山:我がままじゃなく理想が高いと言ってください。

中村:でも、俺はスポーツ万能じゃないよ。

小山:でも、私より駆けっこ早いですよね。

中村:俺は100メートル12秒だ。

小山:えー。私は11.8秒なんで私の方が早いの?

中村:もしかして、雪絵ちゃんはスーパー小学生?

小山:でも、美華や友子には敵わないんですけどね。

中村:でも、これじゃあ、雪絵ちゃんの彼氏ができないよ。

小山:でも、いいです。私、三成さんが好きです。

中村:俺そんなに優しくないよ。

小山:いいえ。優しいです。このコントに無理に出てもらいましたから。

中村:わかった。雪絵ちゃんは将棋で俺に勝ったんだ。正直彼女にしたい。

小山:これで、恋人成立ですね。

 と、ここで、雪絵ちゃんは三成に抱きついた。

小山:いつまでも、こうしていられますように。

 と、雪絵ちゃんと三成のコントが終わった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る