第20話 4月28日(土) レボ部のバイト(採点編)
あ、みんなおはよう。どうも、清彦です。今日もレボ部は活動します。え?何するんだって?実は、今回のゴールデンウィークは、レボ部は合宿をします。だから、そのための費用をバイトで稼ごうというわけなんだ。
今日行うバイトは、塾のテストの採点で、その塾は、佐々木のおやじさんがやっている塾なんだ。
今日の話の始まりは、時間は午前十時、駅前の待ち合わせの場所から。
佐々木:チャンポンの奴、遅いなあ。
こういう時もチャンポンは遅刻をするんだ。
名取:佐々木君。こりゃ罰ゲームもんだよね。
阿曽部:こりゃ、みんなにラーメンをおごりにすべきだと思うよ。
川村:そうよね。今日は、みんなに何かしてほしいよね。
秋山:なんか集団リンチになりそうな気がする。
名取:それは当たり前よ。悪いのはチャンポンよ。
助平:じゃあ、今日はチャンポンのことをターちゃんって呼ぶか。
佐々木:いや、ターちゃんだと言ってる俺らが恥ずかしくなる。
名取:でも、罰ゲームはやってもらわないと。
秋山:じゃあ、どういう罰ゲームをしよっか。
名取:そうね。みんなのかばん持ちがいいね。
川村:私も賛成。
ここで、チャンポンがやってきた。しかし、今日のチャンポンにはかわいいおまけが付いていた。そう。美華ちゃんを連れてきたのだ。
長崎:おーっ。みんな元気か。
名取:チャンポン。遅刻したくせに陽気だねえ。
佐々木:チャンポン。今日の遅い理由は何だ。
すると、美華ちゃんがチャンポンのフォローをしだした。
宮下:みなさん。ごめんなさい。私が悪いんです。
さすがに美華ちゃんにこういわれるとみんな弱ってしまった。と言うより、この展開を予想して、遅刻の罰を逃れようというのがチャンポンの狙いかどうかはわかんないけどね。でも、実際一本取られたのは事実だった。
佐々木:うーん。美華ちゃんに言われるとなあ。
名取:美華ちゃん。美華ちゃんが悪いわけじゃないのよ。チャンポン。女の子に責任を取らせないで、自分が責任取りなさい。
長崎:いや、なんというか。一応、理由はあるんだが・・・・・・。
助平:一応いってみ。
長崎:それがギャグにならなくて困ってるんだが。
助平:おい。ギャグを言えとは言ってないだろう。言えといっているのは理由だ。
長崎:実は、きれいなお姉さんに声をかけられて、話をしてしまったんだが。
佐々木:またそういう系統の話か。美子ちゃん。本当か。
神山:ちょっと待って。瞑想してみる。
美子ちゃんの瞑想が始まった。
神山:えー。チャンポンがいます。美華ちゃんもいます。そこにきれいなお姉さんに、声をかけられました。
助平:なにー。
佐々木:本当か。
神山:ちょっと待って。そのお姉さんはキャンペーンガールで、アンケートに答えてくださいと言って、チャンポンは、一回は断ったんだけど、結局アンケートに答えたのよ。理由は、アンケートに答えると、抽選で、ペアーで一組だけ海外旅行に行かれるからというわけ。
名取:なるほど、業者の人に引っ掛かっただけね。でも、何で美華ちゃんが悪いの?
神山:美華ちゃんが、そのアンケートをやろうと言ったから。どうやら、美華ちゃんはチャンポンとペアーで旅行がいけるかもしれないと思ったからということ。
長崎:・・・・・・。美子ちゃん怖い。
宮下:美子さんすごいですね。
川村:でも、美華ちゃん。美華ちゃんは何でチャンポンと旅行に行きたいと思ったの?
宮下:新婚旅行の下見です。
川村:あはは。そうね。
佐々木:なるほどね。でも、今、チャンポンが羨ましく思ったよ。こんなフォローをしてくれるいい子に好かれているからね。
助平:みんな。どうする。例のゲームは。
名取:美華ちゃんに免じて、止めるしかないね。
長崎:みんな、今日はみんなにシュークリームを持ってきたんだ。これで勘弁してくれ。
チャンポンは駄目押しをしたんだ。
阿曽部:今回は、この賄賂で、OK。で、いいんじゃない?
多数決でチャンポンは罪を逃れた。みんな、情にも弱ければ、物にも弱いみたい。
佐々木:じゃあ、早速職場に行くぞ。
佐々木のおやじさんの塾の名前は、幸村塾。幸村は戦国時代の真田幸村という武将で、戦国時代に名をはせた人物なんだ。
佐々木:ここが、おやじの塾だ。
佐々木のおやじさんの塾は結構大きい。5階建てのビルの2・3・4階が佐々木のおやじさんの塾。教室は全部で合わせて8つ。小学生・中学生・高校生を教えている。科目は全教科で、講師の数は20人ぐらいなんだ。佐々木のおやじさんはそこの塾長をやっている。
佐々木:みんな。早速入ってくれ。採点は4階でやるから。
みんな4階に行った。中で、佐々木のおやじさんが待っていた。
佐々木のおやじ(塾長):ようこそ皆さん。私が信(佐々木の名前)の父で、ここの塾長だ。よろしく。
レボ部全員:よろしくお願いします。
塾長:では、早速だが、ここにうちの生徒の解答があるから、丸付けをしてくれ。私は仕事で2階の事務室にいるから。信。後は頼んだ。
おやじさんは軽く挨拶をした後、教室を出て行った。
佐々木:早速だが、仕事の量は半端じゃないので、みんな採点するぞ。
早速採点が始まった。
佐々木:量が量だから、おしゃべりは控えめに。
みんな真面目にやった。え?ギャグが無くて面白くないって?だってさあ、仕事の量が半端じゃないんだよ。お金をもらうって大変だなあと実感したけどね。え?美華ちゃんはこの間何してるかって?美華ちゃんはこの間は勉強中なんだ。真面目だよね。ホント。
・・・・・・とそうこういっているうちに、昼飯の時間になった。
佐々木:みんな。また途中だと思うけど、飯の時間だ。実は弁当は用意してあるんだ。隣の教室に行ってくれ。
みんな移動して、食事をしながら、雑談が始まった。
助平:結構、採点って時間かかるなあ。時が止まればいいんだが。
長崎:おい。時が止まると、自分も止まるだろ。
川村:でも、結構採点も面白いよね。解答があさっての方向なのもあって、笑いそうになったよ。
佐々木:例えばどんな?
川村:そうね。空欄に文字を入れよというもので、こんなのもあったよ。
第一問 次の○に文字を入れよ。
○肉○食 正しい答え 弱肉強食
ボケた答え 焼肉定食
佐々木:なるほどね。でも、このギャグは相当古いよ。
名取:佐々木君。あとで、ボケた答え発表会をやらない?
助平:おっ。それはいいねえ。俺は賛成。
長崎:朕も賛成。
佐々木:おいおい。採点は仕事だぞ。
川村:でもちょっとした楽しみが欲しいよね。佐々木君も本当はそう思っているんでしょ。
佐々木:そうだね。愛ちゃんが言うならしょうがない。
佐々木は愛ちゃんの言葉はよく受け入れるなあとつっ込んどいて、みんな、話をそうこうしているうちに、昼食が終わり、採点をし始めた。
採点は夕方まで続いた。
佐々木:よーし。終わった。
名取:これからどうするの?
佐々木:ここの教室は貸切だから、少し雑談しようか。
長崎:いいねえ。
川村:私、チャンポンに質問。なんで今日は美華ちゃんを連れてきたの?
長崎:いや、なんとなくというか、美華ちゃんがついて来ちゃって。
宮下:ターちゃん。違うでしょ。一緒に行こうと情熱的に言ったのターちゃんでしょ。
助平:チャンポン。本当のことを言え。
神山:私が言ってあげようか。
佐々木:それはいいねえ。
神山:では、瞑想します。ちょっと時間をちょうだい。
美子ちゃんは目をつぶって瞑想しだした。
神山:見えてきました。美華ちゃんとは道ばたで偶然会いました。美華ちゃんが、「ターちゃんどこ行くの?」と言って、チャンポンは「ちょっとレボ部でね」と言ったところ、「私もついて行っていい?」と美華ちゃんが言って、チャンポンはあっさりOKをしました。ということかな。
助平:美子ちゃん。なんかオチはないの?
神山:ちょっとないね。
助平:なんかつまんねーな。晴れなのに相合傘で来たとかでもないの?
長崎:助。何で朕がそんなことをしなけれりゃいけないのか。
助平:だって、それこそがチャンポンだろ。
長崎:なんだそりゃ。
川村:でもありえそうね。
残りのレボ部全員:うんうん。
長崎:なぜそこでみんなうなずく。
宮下:ターちゃん。今後はそうしようか。
長崎:美華ちゃん。フォローになってないよ。
佐々木:まあ、それはさておき、昼に静香ちゃんが言ったボケた答え編をやってみようか。
川村:佐々木君。問題も結構変だったよ。
長崎:そうだ。朕もそう思う。こういう問題があった。朕は英語の採点をやったけど、「君を抱きしめたい」を、英訳せよって何だよこれ。
川村:そうそう。私は数学なんでけど、変な問題あったよ。
秋山:僕も見た。
佐々木:じゃあ、一人一人の面白い問題、および、解答を言ってもらおうか。
名取:順番は?
佐々木:てきとう。
川村:じゃあ、私から。まず、数学で、確率の問題なんだけど、「バレンタインデーの日にある場所に、女一人、男三人いました。男は一人はブ男、もう一人ははげ、三人目は超かっこいい人です。この中で、その女の人が三人にチョコをあげた確率をそれぞれ答えなさい。ただし、女の人はこの三人のうち、誰か一人だけに必ずチョコをあげるとします」で、本当なら、男は三人いるから、普通は、答えは、三分の一のはずなのに、答えは、一人目は0%、二人目は0%、三人目は100%になってるのよ。それで、解説は、「女心を考慮すると、その人は絶対三人目のかっこいい人にあげると決まっているからです」と、なっているのよ。何これ。正解者は無しよ。出題者は相当ひねくれているよ。
秋山:僕も変な問題見つけたよ。科目は物理なんだけど、「もし、この世に摩擦が無ければどうなるかを説明せよ」って問題で、みんないろんな答えを書いてたよ。だけど、答えは白紙なんだ。何だよコリャ。で、解説は、摩擦が無かったら字が書けないから、だってさ。佐々木の塾はちょっと変だぞ。
佐々木:いや、これは単なる引っ掛け問題だ。
神山:でも、これって、実際に東大の大学のテストに有ったらしいよ。
佐々木:おっ。美子ちゃんよく知ってたね。
長崎:でも、どこが単なるだよ。おい。それに英語の長文が、ラブレターの文章だったぞ。
佐々木:ユーモアが大事なんだよ。こういう感覚の問題のほうが、印象が強くて頭の中に入りやすいだろ。
川村:確かに、印象には残るね。
名取:問題のほうは置いといて、生徒の答えで、変なの無かった?
朝霧:あったよ。「石橋をたたいて渡る」のことわざの意味を答えよ。と言う問題で、答えが、「石橋君をたたいて渡ること」って答えが凄かったね。石橋君がかわいそうだけど。
川村:あはは。朝ちゃん、その答え面白いね。
阿曽部:僕が見たのは、解答用紙で、凄い律儀なものがあったよ。間違えた答えに対し、二重線を引いて、はんこを押して、正しい答えを書いたのがあったよ。解答用紙は契約書じゃねえと言いたいんだけど。
秋山:ただの解答用紙にそこまでしなくても。
助平:意外と理由が、消しゴムを忘れたからっだったりしてな。
川村:それだったら、借りればいいのにねえ。
秋山:僕のは、「にほんこくけんぽう」を漢字で書き、その言葉の意味を答えよ。というやつで、答えは「日本国憲法」ではなく、「日本国拳法」と書いた奴がいたよ。で、説明が、日本古来の武術で、創始者が聖徳太子であり、史上最強の武術といわれている。と書いてあったよ。思わずあっけに取られた。
佐々木:他には無いか。
ネタは数多くあった。みんな笑い転げているうちに、夜が遅くなった。
佐々木:今何時?
川村:八時。
名取:みんな、そろそろ帰らないとね。特に、美華ちゃんは早く帰んなきゃね。
長崎:じゃあ、美華ちゃんは朕が送るよ。それじゃあ、みんな一足先に。
チャンポンは教室から出て、美華ちゃんと帰ってしまった。
助平:じゃあ、俺たちも帰るか。
佐々木:そうだな。
川村:チャンポンはツーショットで帰ったね。
阿曽部:じゃあ、僕たちもツーショットで帰る?
朝霧:賛成。
佐々木:じゃあ、パートナーはくじ引きで決めるか?
名取:えーっ。私はイヤ。清彦君と帰るんならいいけど。
川村:静香。たまにはいいんじゃない?清彦君はどう思う?
秋山:え、急に言われても、なんと言うか。
名取:清彦君。何で答えを渋るの。ちゃんと言ってよ。それとも、他の女と帰りたいわけ。
秋山:違うよ。静香ちゃん。僕と静香ちゃんはいつも一緒だよ。
静香ちゃんは僕に笑顔を見せて、
名取:じゃあ、みんな、そういうことで、私は清彦君と帰ります。後のことは、よ・ろ・し・く。じゃあね。また明日。
こうして、僕は静香ちゃんと帰ったけど、後の六人はどうなったのか。美子ちゃんがいれば、説明できるけど、僕はそんな能力ないし、というわけで、あの六人はどうなったのかはまた明日。
え?明日って日曜日だって?いや、明日もバイトなんだよ。実は。
と、言うわけで、おやすみ。
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